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Trademark Appeal Case

不使用取消の役務使用認定

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2011−300696(T2011−300696/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4934221号商標(以下「本件商標」という。)は、「MENARD」の欧文字と「メナード」の片仮名を上下二段に表示してなるものであり、平成16年12月28日に登録出願、「建設工事,建築工事に関する助言」を含む第37類及び「建築物の設計,測量,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」を含む第42類のほか、第35類、第36類、第38類、第39類、第40類、第41類、第43類、第44類及び第45類に属する商標登録原簿に記載された役務を指定役務として、平成18年3月3日に設定登録されたものである。

なお、本件審判の請求の登録は、平成23年8月8日にされている。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の指定役務中、第37類「建設工事,建築工事に関する助言」及び第42類「建築物の設計,測量,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」についての登録を取消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めて、その理由及び答弁に対する上申を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。

(1)請求の理由

本件商標は、その指定役務中、第37類「建設工事,建築工事に関する助言」及び第42類「建築物の設計,測量,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって使用された事実が存在しないものであるから、商標法第50条第1項の規定によりこれらの役務についての登録は取り消されるべきである。

(2)答弁に対する平成23年11月24日付け上申の内容

請求人は被請求人との間で和解交渉を開始する所存であり、交渉結果によっては、本件審判請求を取り下げる所存である。そこで、同交渉の結果が明らかになるまで本件審判事件の審理猶予を希望する。また、請求人は被請求人に対して被請求人側からも同様の趣旨の上申書を提出することを依頼した。

3 被請求人の主張

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第8号証(枝番号を含む。)を提出した。

(1)答弁の理由

ア 第42類「電子計算機用プログラムの提供」への使用

商標権者は、化粧品、医薬部外品、健康食品等の製造・販売を事業内容とする国内有数の化粧品メーカーである。商標権者の化粧品事業は、訪問販売を主な販売形態としており、専属契約を結んだ代行店に所属する販売員(メナードレディ)が顧客に商品を届ける販売方法を採用している。現時点における商標権者の代行店は全国で約10,000店にのぼり、販売員(メナードレディ)は全国で約90,000人が所属している(乙第2号証)。

商標権者は、代行店向けの商品受発注専用ウェブサイトを開設し、商標権者の事務所内にサーバーを設置し、代行店向けの商品管理用のコンピュータシステム「Webメヌエットシステム」を提供している(乙第3号証)。そして、商標権者は、同システムの提供に際し、専用ウェブサイトのトップベージ、初期メニュー画面、各選択メニュー画面に“MENARD”の文字を表示している(乙第4号証)。また、同システムは、利用を希望する代行店に利用料として毎月1,050円を徴収して提供されている(乙第3号証の2、乙第3号証の4)。

(ア)登録商標の使用であること

本件商標は、欧文字“MENARD”カタカナ文字“メナード”を二段併記で表示した構成態様からなる商標である。

ここで、本件商標を構成する“MENARD”とメナード”の文字は、著名な商標権者の商号“日本メナード化粧品株式会社”の略称“メナード”又は商標権者の製品ブランド“メナード”を観念させるものであるから、本件商標は上段及び下段の各部が観念を同一とするものである。

一方、商標権者は、専用ウェブサイトのトップページ、初期メニュー画面、各選択メニュー画面に“MENARD”の文字を表示している(乙第4号証)。

よって、使用商標は、本件商標の下段の“MENARD”の使用に相当し、特許庁審判便覧の53−01の記載からも、本件商標と社会通念上同一と認められる商標である(乙第5号証)。

なお、仮に、本件商標の構成文字“MENARD”と“メナード”が特定の観念を生じないものであったとしても、使用商標は本件商標の構成文字中の欧文字部分に該当するものであって、本件商標と称呼「メナード」を同じにし、観念の変動を伴うものではない。

したがって、使用商標は、本件商標と社会通念上同一上と認められる商標とみて差し支えがないものというべきである。

(イ)審判の請求に係る指定役務のいずれかについて使用していること

同システムは、商標権者の製造する商品に関して、代行店がインターネットを通じて利用することができる販売管埋システムであり、販売管理のためのデータ及びソフトウェアを代行店に提供するものである(乙第3号証)。

例えば、乙第4号証の2は、代行店が商品の売上処理を管理するための画面であり、商品名、数量、金額等を入力することにより、得意先ごとの売上状況を管理したり、出荷伝票の一覧を照会・再発行すること等ができるソフトウェアを提供するものである。

また、乙第4号証の3は、代行店が商品の注文状況を管理するための画面であり、商品名、数量、金額等を入力することにより、毎月の注文状況を管理すること等ができるソフトウェアを提供するものである。

乙第4号証の4は、代行店が商品の仕入を管理するための画面であり、入庫伝票を照会すること等ができるソフトウェアを提供するものである。

乙第4号証の5は、代行店が入金状況を管理するための画面であり、入金額等を入力することにより、毎月の入金状況を管理すること等ができるソフトウェアを提供するものである。

乙第4号証の6は、代行店が納品伝票等の帳票の再発行をするための画面であり、帳票の種類と年月を選択することにより、帳票を印刷して再発行することができるソフトウェアを提供するものである。

このようにインターネットを通じてソフトウェアを提供する役務は、電気通信回線を通じて電子計算機用プログラムを利用させるものであるから、本件審判請求に係る指定役務のうち、第42類「電子計算機用プログラムの提供」に該当する(乙第6号証)。

また、代行店は、商標権者と商品の販売代行という契約に基づく関係にあり(乙第2号証)、商標権者の従業員や構成員ではない。そして、同システムは代行店のうち利用を希望する者が利用契約申込書を商標権者に提出し(乙第3号証の4)、商標権者が承認して利用契約が成立することにより利用できるものであり(乙第3号証の1、乙第3号証の3)、商標権者は代行店より一定の対価を受取って提供しているものである(乙第3号証)。

よって、同システムにおける代行店へのソフトウェアの提供は、他人のために行う労務又は便益であって、業として提供されるものであり、商標法上の役務に該当するものである。

(ウ)商標としての使用であること

使用商標は、インターネットを通じてパーソナルコンピュータの画面に表示される「代行店向けの販売管理システム」の映像面に表示されるものである。

よって、使用商標の使用は、電磁的方法により行う映像面を介した役務の提供に当たりその映像面に表示されるものであり、商標法上の使用に該当する(商標法第2条第3項第7号)。

(エ)審判の請求の登録前三年以内の使用であること

乙第4号証の2において、3頁及び4頁に出荷日として2011/07/20等の日付や請求月度として2011年07月の年月が表示されている。

乙第4号証の3において、4頁に注文日付:2011年06月21日から2011年07月20日等の日付が表示されている。

乙第4号証の4において、3頁に出荷日として2011/03/10等の日付が、4頁及び5頁に出荷日として2011年05月02日の日付が表示されている。

乙第4号証の5において、4頁及び5頁に入金日として2011/07/01等の日付が、7頁に請求月度として2011/01の年月が表示されている。

乙第4号証の6において、5頁に2011年01月度の年月が表示されている。

以上より明らかなとおり、同システムは本件審判の予告登録日前より代行店に提供されていたものであり、使用商標は同システムの映像面に表示され、本件審判の予告登録日前三年以内に使用されていたものである。

イ 総括

以上述べたとおり、本件商標は、審判請求に係る指定役務について、日本国内において、本件審判の予告登録日前三年以内に、商標権者により使用されていたものであり、本件審判の請求は理由がない。

(2)審尋に対する被請求人の回答

被請求人は、請求人が提出した平成23年11月24日付け上申書における請求人の主張に同意する意思はない。ついては、本件審判事件の審理を開始願いたい。

4 当審の判断

(1)被請求人の主張及び提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。

ア 乙第2号証は、商標権者のウェブサイトであるところ、その3頁目には、「・・・メナードでは販売契約を結び、厳しい研修やトレーニングを終了した美容のプロである代行店やメナードレディ(販売員)が・・・」の記載がある。

イ 乙第3号証の1ないし4は、商標権者が製造する商品に関して、代行店がインターネットを通じて利用することができる、販売を管理するためのシステムについての「WEBメヌエット利用契約条項」、「WEBメヌエット利用契約書」、「WEBメヌエット利用契約申込条項」及び「WEBメヌエット利用契約申込書」である。そして、「WEBメヌエット利用契約条項」(乙第3号証の1)及び「WEBメヌエット利用契約申込条項」(乙第3号証の3)には、「日本メナード化粧品株式会社(以下『乙』といいます。)」の記載がある。

また、「WEBメヌエット利用契約書」(乙第3号証の2)の右上には、「日本メナード化粧品株式会社」の文字が記載され、「申込者」の欄には「代行店名」の文字が記載されている。

さらに、「WEBメヌエット利用契約申込書」(乙第3号証の4)の左上には「(代行店控)」及び「日本メナード化粧品株式会社 行」の文字が記載され、「申込者」の欄には「代行店名」の文字が記載されている。

ウ 乙第4号証の1ないし6は、代行店向けの商品管理用プログラムのウェブサイトの画面(映像面)と認められるところ、乙第4号証の1には、「Web メヌエット ログイン」、「代行店コード」、「パスワード」及び「MENARD」等の記載がある。

乙第4号証の2は、代行店が商品の売上を管理するためのウェブサイトの画面(映像面)と認められるところ、同号証の4枚目には、「メナード WEBメヌエット」、「その他出荷伝票一覧・再発行」、「MENARD」、「納品先」の欄に「桜井北」、「出荷日」の欄に「2011/07/20」及び「合計金額」の欄に「1,000」等の記載がある。

乙第4号証の3は、代行店が商品の注文を管理するためのウェブサイトの画面(映像面)と認められるところ、同号証の4枚目には、「メナード WEBメヌエット」、「注文状況一覧表」、「注文日付」の欄に「2011/07/12」、「納品先」の欄に「交野駅前」、「注文金額」の欄に「■500」(審決注:千円より上の位は、黒塗りされている。)等の記載がある。また、「注文日付」は、「2011/07/08」から「2011/07/20」までの間の日付がある。

乙第4号証の4は、代行店が商品の仕入を管理するためのウェブサイトの画面(映像面)と認められるところ、同号証の2枚目から3枚目にかけて、「メナード WEBメヌエット」、「仕入メニュー」、「入庫処理」、「未発行の入庫伝票」等の記載があるほか、「出荷日」として、「2011/03/10」から「2011/06/01」までの間の日付がある。

乙第4号証の5は、代行店が入金状況を管理するためのウェブサイトの画面(映像面)と認められるところ、同号証の4枚目には、「メナード WEBメヌエット」、「入金伝票照会」、「請求先」の欄に「中西■」及び「入金金額」の欄に「■,388」(審決注:■の部分は、黒塗りされている。)等の記載があるほか、「入金日」として、18件の「2011/07/01」の記載がある。

(2)以上の事実によれば、以下のアないしウのとおりである。

ア 使用役務

乙第2号証ないし乙第4号証の5によれば、商標権者は、インターネットを通じて、代行店やメナードレディ(販売員)と販売契約を結び、代行店は、商標権者が提供する販売管理システムを使用していることが認められる。

そして、乙第4号証の1ないし5は、商標権者がインターネットを通じて代行店に提供する販売管理システムのウェブサイトの画面(映像面)であるところ、商標権者が提供する役務は、当該代行店が商品の販売(売上げ)等を管理するための電子計算機用プログラムの提供であるから、本件取消請求に係る指定役務中の「電子計算機用プログラムの提供」の範ちゅうに属する役務ということできる。

イ 使用時期

乙第4号証の1ないし5の販売管理システムのウェブサイトの画面(映像面)には、2011年3月10日から同年7月20日までの記載があることから、商標権者が、本件取消請求に係る指定役務中の「電子計算機用プログラムの提供」の範ちゅうに属する「販売管理システムに関する電子計算機用プログラムの提供」を2011年3月10日から同年7月20日までの間に提供したものということできる。

ウ 使用商標

本件商標は、「MENARD」の欧文字と「メナード」の片仮名を上下二段に表示してなるものであるから、「メナード」の称呼を生ずるものである。

一方、乙第4号証の1ないし5のウェブサイトにおいて、映像面に表示された使用商標は、「MENARD」の欧文字と「メナード」の片仮名であるから、それぞれ「メナード」の称呼を生ずるものである。

また、本件商標と前記使用商標とは、異なる観念が生ずるものではない。

したがって、本件商標と前記使用商標とは、「メナード」の称呼を共通にし、観念に変更を加えているものではないから、社会通念上同一の商標ということができる。

(3)小活

以上によれば、商標権者は、2011年3月10日から同年7月20日までの間に、日本国内において、電磁的方法により行う映像面を介した役務「電子計算機用プログラムの提供」の提供に当たりその映像面に本件商標と社会通念上同一の商標を表示して役務を提供する行為を行っていたものであるから、その使用は、商標法第2条第3項第7号に該当するものと認められる。

(4)まとめ

してみれば、被請求人は、商標権者が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定役務中、「電子計算機用プログラムの提供」について本件商標を使用していたことを証明したものというべきである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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