結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2011−300800(T2011−300800/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4530846号商標(以下「本件商標」という。)は、「ACS」の文字を標準文字で表してなり、平成11年8月19日に登録出願、第9類「電子部品,集積回路電子部品,集積回路電子スイッチ及び遮断機」を指定商品として、平成13年12月21日に設定登録されたものである。 そして、本件審判の請求の登録は、平成23年9月6日にされたものである。
請求人は、「本件商標の登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由を「本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。」旨述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第4号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)使用者
被請求人は、その日本法人であるエスティーマイクロエレクトロニクス株式会社(以下、単に「日本エスティー社」という。)において、本件審判の請求の登録前から、本件商標を指定商品の「集積回路電子スイッチ」について使用させている。
被請求人と日本エスティーは、兄弟会社であり、スイス国の法人であるエスティーマイクロエレクトロニクス エヌヴイ(以下、「親会社」という。)を親会社としてエスティーマイクロエレクトロニクスグループ会社を構成している。両社及び他のグループ会社は、相互に協力して各種半導体製品の販売活動を行っている。
乙第1号証は、親会社が米国の証券取引所に提出した報告書(フォーム20−F)の抜粋であり、2010年(平成22年)12月31日現在のエスティーマイクロエレクトロニクスグループの構成状況を示している。
以上から、日本エスティー社は、被請求人から少なくとも黙示の本件商標の使用許諾を受けている者であること、すなわち通常使用権者としての地位を有することが明らかである。
(2)本件商標の使用及び使用に係る商品
本件商標は、集積回路スイッチ、具体的には、交流用スタティック・スイッチ半導体の名称として使用されているが、その製品群の一つである「ACS108−6S」を例にとると、2006年(平成18年)10月24日にプレスリリースされ(乙第2号証)、その後、現在も継続して販売活動がされている製品である。
販売活動においては、インターネットのホームページが活用されている。 エスティーマイクロエレクトロニクスグループの日本語版のトップページから「ACS108−6S」を検索する(乙第3号証)。
トップページの「アナログ/MEMS/パワー」のアイコンをクリックする(乙第3号証の1)と、製品群の画面になり、その中の「サイリスタ&ACスイッチ」のアイコンをクリック(乙第3号証の2)して、その製品群リストの「ACスイッチ」の文字をクリック(乙第3号証の3)して、その製品群リストの「ACSロジック・レベル・ゲート」の文字をクリック(乙第3号証の4)する。
上記の結果、「ACSロジック・レベル・ゲート」の画面が表示され(乙第3号証の5)、下方の「Products Listed:5」として取引可能なACスイッチの型番(Part Number)が5種類表示される。本画面のタイトルは、「ACSロジック・レベル・ゲート」であるが、「ロジック・レベル・ゲート」は、識別力のない部分であり、ACS部分のみが識別力のある部分であるため、本件商標と社会通念上同一の商標が指定商品「集積回路電子スイッチ」に含まれる「交流用スタティック・スイッチ半導体」の商標として使用されていることを示している。
次に、「Products Listed:5」の「ACS」の型番(Part Number)の中で「ACS108−6S」の文字をクリックすると、該解説画面(乙第3号証の6)があらわれる。
ここにおいても左上に「ACS108−6S」が大きく表示されているが、「108−6S」は、型番を示す数字「108−6」とアルファベット「S」の組み合わせで識別力がなく、本件商標と同一の商標が指定商品「集積回路電子スイッチ」に含まれる「交流用スタティック・スイッチ半導体」の商標として使用されていることを示している。
さらに、「ACS108−6S」の解説画面(乙第3号証の6)の右側にある「DATASHEET」のアイコンをクリックすると2010年(平成22年)12月発行の「ACS108−6S」のデータシートをみることができる(乙第4号証)。
ここにおいても、本件商標を「交流用スタティック・スイッチ半導体」の商標として使用され、さらにそのすぐ下にも「ACS(TM)」の表示がある。
以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者により指定商品「集積回路電子スイッチ」について使用されていることから、本件商標の登録は取り消されるべきでない。
(1)認定事実
被請求人の主張及び乙各号証によれば、以下の事実を認めることができる。
ア 2010年(平成22年)12月31日現在において、被請求人及び日本エスティー社は、親会社が100%出資する子会社である(乙第1号証)。
イ 乙第4号証は、日本エスティー社取扱いの製品「ACS108−6S」の解説画面(乙第3号証の6)の右側にある「DATASHEET」のアイコンをクリックすると表示される2010年(平成22年)12月発行の「ACS108−6S」のデータシートである。
そこには、「Overvoltage protected AC switch(ACS TM)」(「TM」の文字は、前記「ACS」の右肩上に小さく表されている。)の記載、前記スイッチの図及び機能の説明に「Common package tab connection supports connection of several alternating current switches(ACS)on the same cooling pad」の記載、該15頁には、「STMicroelectronics group of companies」の中に「France」、「Japan」の記載がある。
(2)判断
上記認定事実によれば、親会社と関連会社の関係にある企業同士については、使用許諾の有無にかかわらず、親会社のもと、兄弟会社であって相互に協力し得る会社といえ、日本エスティー社は、被請求人より何らかの形式によって、本件商標の使用許諾が与えられているということができる。
また、エスティーマイクロエレクトロニクスグループの日本語版のトップページ(乙第3号証)から検索できる内容をみても、日本エスティー社が、使用権者として本件商標を請求に係る指定商品の範ちゅうに属する「スイッチ半導体」に使用していることは明らかといえる。
そうすると、通常使用権者と認められる日本エスティー社は、本件審判の請求の登録(平成23年9月6日)前3年以内の平成22年12月に日本国内において、請求に係る指定商品中の「集積回路電子スイッチ」について、本件商標と社会通念上同一と認められる標章を付して使用していたものといえる。
(3)むすび
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が本件請求に係る指定商品中の「集積回路電子スイッチ」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したと認め得るところである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。
なお、請求人は、平成24年5月17日付けの上申書において、本件審判について取下げの準備をしている旨述べているが、相当の期間が経過した現在においても何ら手続きされていないので、本件については、これ以上待つことなく審決する。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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