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Trademark Appeal Case

不使用取消と社会通念上同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2012−300192(T2012−300192/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4881162号商標(以下「本件商標」という。)は、「ワンタグ」の片仮名を標準文字で表してなり、平成17年3月1日に登録出願、第9類「耳栓,加工ガラス(建築用のものを除く。),アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,オゾン発生器,電解槽,検卵器,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,自動販売機,ガソリンステーション用装置,駐車場用硬貨作動式ゲート,救命用具,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,保安用ヘルメット,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,潜水用機械器具,業務用テレビゲーム機,電動式扉自動開閉装置,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター,理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,消防艇,ロケット,消防車,自動車用シガーライター,事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服,眼鏡,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,スロットマシン,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,計算尺,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」及び第18類「かばん金具,がま口口金,皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,革ひも,原革,原皮,なめし皮,毛皮」を指定商品として、同年7月15日に設定登録されたものである。

なお、本件審判の請求の登録は、平成24年3月27日にされている。

第2 請求人の主張

商標法第50条第1項の規定により、本件商標についての登録を取消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める、と申し立て、その理由を要旨次のように述べている。

本件商標は、その指定商品中、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていないものであるから、商標法第50条第1項の規定によりその登録は取り消されるべきである。

なお、請求人は、期間を指定して弁駁の機会を与えたが、応答するところがない。

第3 被請求人の主張

被請求人(商標権者)は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証(枝番号を含む。)を提出している。

1 本件商標の使用事実について

被請求人は、乙各号証を提出しており、その中で、本件商標と同一の態様で使用されている「ワンタグ」の片仮名(以下「使用商標A」という。)、別掲に示すとおりの構成よりなる「One−tag」の欧文字(以下「使用商標B」という。)及び「One−Tag」の欧文字(以下「使用商標C」という。)が使用されているところ、使用商標Aは、本件商標と同一であり、使用商標B及びCは、本件商標と社会通念上同一と認められる商標である。

(1)本件商標と使用商標B及びCが社会通念上同一と認められる商標であることについて

ア 本件商標と使用商標B及びCは、「ワンタグ」の称呼を同じくし、しかも、ハイフンの有無や、英文字と片仮名の文字という差異があるとしても、「One」(ワン)と「tag」(タグ)を結合させてなるものと認識されるといえるものである。

イ 観念についてみると、本件商標は、「一つ」の意味の「ONE(ワン)」と、「荷札」「コンピュータのデータで、構造・内容を識別するために付けられた目印」を意味する「TAG(タグ)」を結合した商標として、「一つの荷札」「一つのコンピュータのデータで、構造・内容を識別するために付けられた目印」に関係する物と想起され、それ以外の観念は通常生じない。

一方、使用商標B及びCは、「一つ」の意味の「ONE」と「TAG」を結合した商標として、本件商標と同様に「一つの荷札」「一つのコンピュータのデータで、構造・内容を識別するために付けられた目印」に関係する物を想起させる。

以上より、観念についても殊更に変更するものともいえない。

ウ 現実の取引においても、登録商標と外観が完全に同一であるとはいえないものの、殊更に観念を変更しない態様で使用されることは極めて多く行われている。上記のとおり、使用商標B及びCと本件商標は、「ワンタグ」の称呼を共通にし、その余の称呼及び観念を生じさせるものではない。

エ よって、本件商標と使用商標B及びCは、その外観が完全に同一であるとはいえないものの、社会通念上同一の範囲にある商標とみても差し支えないというべきである。

オ そうとすれば、本件商標と、使用商標B及びCは、社会通念上同一の商標というべきものと考えられ、乙各号証の使用態様をして本件商標の使用と認められるべきものである。

カ 同様の判断が、取消2001−30370号(審決日 平成15年3月31日)(乙1)の審決で説示されている。

(2)本件商標の使用事実について

ア 乙第2号証について

(ア)乙第2号証は、2012年3月22日、請求人から愛知県瀬戸市役所瀬戸市まるっとミュージアム・観光協会に対して提案された資料である。提案先である瀬戸市まるっとミュージアムは、瀬戸市において、観光スポットだけでなく、市街における来訪者の回遊を促し、瀬戸市の魅力あるまちづくりを進めていることを目的とした機関である。その目的達成のため、被請求人から瀬戸市に対し、名古屋鉄道や名鉄バスなどが導入して共通で利用できるプリペイド方式のICカード「manaca」と一緒に、「One−tag」を利用し、電動アシスト自転車で回遊を促すことを提案している。「One−tag」とは、UHF帯ICタグ(電子タグ)とPHSモジュールを内蔵した軽量小型端末であり、このICタグにより、位置情報や属性情報を記録することが可能となる。また、PHSモジュールにより、移動する者が持つPHSの利用が可能となる。乙第2号証のスライド6ページに、本件商標に関わる「One−tag」が使用されており、本件商品を使用したシステムの説明がなされている。

(イ)具体的には、「One−tag」に内蔵されたICタグを活用したレンタル自転車の貸出管理を行い、One−tagを自転車に装着して貸し出すことで、自転車の位置情報の検索が可能となる(なお、資料に記載はないが、このICタグは、PHSの電話番号の属性情報の検索も可能とする機能を有する。)。その意味で、指定商品中の「電気通信機械器具」に含まれる「PHSモジュール」と、「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる「UHF帯ICタグ」に関する取引書類に本件標章に関わる「One−tag」を付して提供しており、商標法上の使用ということができる(商標法第2条第3項第8号)。

イ 乙第3−1号証ないし乙第3−4号証について

(ア)乙第3−1号証ないし乙第3−3号証は、2010年7月に東京ビッグサイトで開催された「ワイヤレスジャパン2010」(企業向けワイヤレスソリューションと最新ワイヤレス技術の専門展示会)の写真であり、乙第3−1号証及び乙第3−2号証は、被請求人が、株式会社ウィルコムのブースへの「One−tag」の展示依頼を受け、展示したときの写真である。

(イ)乙第3−4号証は、乙第3−1号証の写真の中央上付近に掲げられた展示会用に作成したパネルの修正前のデータであり、当該展示会用に作成したものとは異なるが、記載内容の参考として提出する。

本件商標に関わる被請求人の商品「One−tag」とは、UHF帯ICタグ(電子タグ)とPHSモジュールを内蔵した、軽量小型端末である。「One−tag」は、このICタグにより、位置情報や属性情報を記録することが可能であり、また、PHSモジュールにより、移動する者が利用するPHS自体の使用に付随するものである。当該展示会のパネル(乙3−4)において、「One−tagとパスクルで新しい観光スタイル」と題して、被請求人の商品「One−tag」を、ヤマハ発動機株式会社の電動アシスト自転車PASのリースシステム「パスクル」と組み合わせて採用することで、効果的な事業運営が可能、というような説明がなされている。さらに、実際の電動アシスト自転車PASのサドルの裏側にある小型端末に「One−Tag」が付されていることがわかる(乙3−1)。

(ウ)この展示会におけるパネル(乙3−4)に記載のとおり、本件商標に関わる被請求人の商品「One−tag」は、本件商標の指定商品中の「電気通信機械器具」に含まれる「PHSモジュール」と指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる「UHF帯ICタグ」を内蔵した軽量小型端末であり、実際に商品自体に本件商標と社会通念上同一の標章「One−Tag」が付されている(商標法第2条第3項第1号)。また、株式会社ウィルコムを通してであるが、公な展示会において、パネルで被請求人の商品「One−tag」が説明されるなど、他社への業としての広告がなされており、商標法上の使用ということができる(商標法第2条第3項第8号)。

ウ 乙第4−1号証及び乙第4−2号証について

(ア)乙第4−1号証は、展示会の写真(乙3−1)のパネルの下に過去の例として掲げられているポスターである。瀬戸市における電動自転車の貸し出しサービスの前に、実証実験第一回目を行うべく、そのための参加者募集を行ったときのポスターである。このポスターは、平成22年(2010年)10月に瀬戸市の掲示板、名鉄・瀬戸線の駅構内などに掲載されたものである。

(イ)乙第4−2号証は、瀬戸まちづくり株式会社が作成した、電動自転車のレンタサイクル実証実験第一回目の運営マニュアルである。これは、実験当日の2010年7月22日から25日、実験運営に参加したボランティア及びマスコミに配布されたものである。資料1ページ目の「3.運営体制」中、「(1)役割」の欄に、「凸版」(被請求人)が担当となり、「ワンタグなどを管理」する旨の記載がある。

2 まとめ

以上によれば、乙各号証における使用商標AないしCは、本件商標の指定商品中の第9類「電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品」の商品自体あるいは当商品に関する広告や取引書類に使用されているものであって、商標法第2条第3項の商標の使用に該当するものであり、本件商標は、同法第50条第1項の規定に該当せず、その登録を取り消されるべき事由はない。

第4 当審の判断

1 被請求人提出の証拠によれば、次のとおりである。

(1)乙第3−1号証は、商品が展示された写真であり、壁面には、パネルの上部7分の1程度を青色にし、黄色い文字で「One−tag(右上には、丸の中に「R」の文字が記載されている。)とパスクル(右上には、丸の中に「R」の文字が記載されている。)で新しい観光スタイル」と題し、下部の白地の部分には、「One−tag(右上には、丸の中に「R」の文字が記載されている。)とは、凸版印刷が開発する、UHF帯ICタグと/PHSモジュール内蔵の、軽量小型端末です。」と青い文字で表され、他に商品の説明をし、下段に「WILLCOM」と表示したパネルと、そのパネルの下に、上部と下部に黄緑色を施し、上部の黄緑色内に「レンタサイクル実証実験/参加者募集(「レンタサイクル」の片仮名は、白色輪郭内に赤・黄・ピンク等の色で表され、漢字は白抜きで表されている。)」と表示し、中央のクリーム色内に、「パルティせと1階」、「平成22年7月22日〜7月25日」及び赤色の文字で「TEL:0561−97−1600」の各記載が認められ、上段のパネルの3分の1程度の大きさで展示されている。

さらに、一台の自転車の後ろに、裏返された自転車のサドル内に組み込まれた商品に、赤い人差し指の図形パネルが、「ここにPHS!」と該商品を指示するように表示されている。

(2)乙第3−4号証は、上部7分の1程度を青色にし、黄色い文字で「One−tag(右上には、丸の中に「R」の文字が記載されている。)とパスクル(右上には、丸の中に「R」の文字が記載されている。)で新しい観光スタイル」と題し、下部の白地の部分には、「One−tag(右上には、丸の中に「R」の文字が記載されている。)とは、凸版印刷が開発する、UHF帯ICタグと/PHSモジュール内蔵の、軽量小型端末です。」と青い文字で表され、他に「One−tagシステム管理画面/<レンタル状況確認・延長登録画面>→<現在地探索結果画面>(吹き出し表示で「現在地の探索や動線把握が可能」と記載されている。)」等、商品の説明をし、下段には「WILLCOM」と表示してなるものである。

(3)乙第4−1号証は、上部と下部に黄緑色を施し、上部の黄緑色内に「レンタサイクル実証実験/参加者募集(「レンタサイクル」の片仮名は、白色輪郭内に赤・黄・ピンク等の七色で表され、漢字は白抜きで表されている。)」と表示し、中央のクリーム色内に、「受付貸出場所 パルティせと1階南側通路(名鉄尾張瀬戸駅改札側)」、「実施期間 平成22年7月22日木(木の文字は、緑色の四角形内に白抜きされている。以下同じ。)〜7月25日日(後ろの日の文字は、赤色の四角形内に白抜きされている。以下同じ。)※雨天決行」、「申込方法 6月22日火(火の文字は、緑色の四角形内に白抜きされている。以下同じ。)午前9時から電話のみで受付けます。」「申込・お問合せ先 瀬戸まちづくり株式会社 瀬戸市栄町45番地 パルティせと5階内 TEL:0561−97−1600(電話番号は赤色の文字で表されている。)」等が表示され、下部の黄緑色内に、「主催:瀬戸まちづくり株式会社」及び「協力:瀬戸市まるっとミュージアム・観光協会、凸版印刷株式会社、ヤマハ発動機販売株式会社」と表示されている。

(4)乙第4−2号証は、「電動アシスト自転車レンタサイクル実証実験 運営マニュアル」と題した文書であり、その1ページ目の「3.運営体制」の「(1)役割」の表中に、「機材」について、「凸版」(商標権者)が主担当となり、「ワンタグやパソコン等の管理」を行う旨の記載がある。

2 上記1を総合すれば、次のとおり認めることができる。

(1)使用時期について

被請求人は、「ワイヤレスジャパン2010」は、2010年7月に開催されたと主張しているが、乙第3−1号証の下段の展示パネルと、乙第4−1号証は、その記載内容及び構成態様から、その内容が同一のものと認められ、乙第4−1号証には、「実施期間 平成22年7月22日木〜7月25日日※雨天決行」、「申込方法 6月22日火午前9時から電話のみで受付けます。」と記載されていることから、遅くとも、平成22年(2010年)6月22日以前に作成されたものと推認できることから、乙第3−1号証の写真は、2010年7月に開催された「ワイヤレスジャパン2010」において、展示されたパネル及び商品であるといって差し支えない。

(2)使用商品について

乙第3−4号証には、「UHF帯ICタグと/PHSモジュール内蔵の、軽量小型端末」と記載されていることから、そこに記載されている商品は、自転車に装着して、レンタル状況確認、延長登録及び現在地探索が可能なシステム管理できる小型装置(以下「使用商品」という。)であり、「携帯無線通信用端末装置」とみるのが妥当であることから、本件取消請求に係る第9類「電気通信機械器具」の範ちゅうに属する商品といえるものである。

(3)使用商標について

乙第3−1号証の上段のパネルと、乙第3−4号証は、その記載内容及び構成態様から、その内容がほぼ同一のものと認められ、両者ともに、使用商標Bが付されている。そして、該使用商標Bは、「One−tag」の欧文字を書してなるものであり、これよりは、「ワンタグ」の称呼を生ずるものである。

一方、本件商標は、「ワンタグ」の片仮名を標準文字で表してなるものであり、これよりは、「ワンタグ」の称呼を生ずるものである。

ところで、本件商標「ワンタグ」は、その構成中の「ワン」が「一つ」の語義を有する英語「One」を、「タグ」が「荷札」等の語義を有する英語「tag」をそれぞれ認識させ、全体として、「一つの荷札」程の意味合い(観念)を看取させるものであり、また、使用商標「One−tag」についても、同様に、「一つの荷札」程の意味合い(観念)を理解させるものである。

してみると、本件商標と使用商標Bとは、片仮名及び欧文字の文字の表示を相互に変更するものであって、同一の称呼及び観念を生ずるものであり、外観において異なるところがあるとしても、使用商標Bは、本件商標と社会通念上同一の商標であるといえるものである。

(4)使用者について

乙第3−4号証によれば、「One−tagとは、凸版印刷が開発する・・・」の記載があり、乙第4−1号証及び乙第4−2号証には、凸版が「ワンタグやパソコン等の管理」を主な内容とする機材の主担当である旨の記載があることから、本件商標は、商標権者によって使用されているものである。

(5)小括

以上によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が請求に係る指定商品中、「電気通信機械器具」に含まれる使用商品に関する、商標法第2条第3項第8号の広告に、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標Bを付して展示していたことを証明したものということができる。

3 むすび

以上のとおり、被請求人は、商標権者が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品について、本件商標を使用していたことを証明したものというべきである。

したがって、本件商標についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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