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Trademark Appeal Case

結合商標の記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2012−3697(T2012−3697/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「汁なしとんこつ」の文字を標準文字で表してなり、第30類「穀物の加工品」を指定商品として、平成22年10月26日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『汁なしとんこつ』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中『とんこつ』の文字は、『豚の骨』の意味を有し、指定商品との関係では『豚の骨を原材料にしたラーメン(とんこつラーメン)』の略として一般に使用されているから、本願商標は、全体として『汁のない豚の骨を原材料にしたラーメンに係るもの』といった意味合いを容易に理解させ、また、そのような意味合いで使用されている事実が認められる。そうとすれば、本願商標をその指定商品中、例えば、前記の文字に照応する『汁のない豚の骨を原材料にしたラーメンのめん(中華そばのめん)』等に使用しても、上記意味合いを認識させるにとどまり、単に商品の品質、内容を表示したにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は、前記1のとおり、「汁なしとんこつ」の文字を書してなるところ、その構成中「汁なし」の文字は、「汁(スープ)がない状態」を容易に看取させるものであり、また、「とんこつ」の文字は、「豚の骨」を意味する語であり、本願指定商品との関係においては、とんこつラーメンの原材料を表示する語として一般に使用されているものであるから、構成全体からは、「汁(スープ)がないとんこつラーメン」を意味する語として、取引者、需要者に認識されるものといえる。

そして、「汁なし豚骨」や「汁なし醤油」等「汁なし○○」(「○○」は味等)の語が、「汁(スープ)がない○○ラーメン」の略称として、例えば、以下のウェブサイトにおける事例のように用いられている(なお、下線は、審判の合議体で加えた。)。

ア 「ラーメン一期一会」のウェブサイトにおいて、「2012.02.02 まるとら本店【四弐】 〜【限定】汁なし豚骨魚介〜」のタイトルの下「『何、これっ?』/小川店主に尋ねると.../『汁なし豚骨魚介です。』」の記載がある(http://ramen151e.blog71.fc2.com/blog-entry-1930.html)。

イ 「ラーメン一期一会」のウェブサイトにおいて、「2011.02.07 まるとら祭 〜麺屋一燈『汁なし鶏白湯』〜」のタイトルの下「そうして、『汁なし鶏白湯』ならぬ『汁なし豚骨』のチャーシュー増しが出されたのは19時20分。」「小川店主には悪いけど、先日、こちら『まるとら本店』で食べた『汁なし豚骨魚介』とはまったく違う!」「確かに、坂本店主の『汁なし鶏白湯』を食べられなかったのは残念だった。」の記載がある(http://ramen151e.blog71.fc2.com/blog-entry-1429.html)。

ウ 「食べログ」のウェブサイトにおいて、「破顔」のタイトルの下「汁なし醤油堪能しました」「汁なし(醤油・中盛り、650円)。」の記載がある(http://tabelog.com/tokyo/A1321/A132101/13051251/dtlrvwlst/3980747/)。

エ 「ラーメンデータベース」のウェブサイトにおいて、「汁なし醤油[汁なし/醤油]/らーめん こじろう526 神田小川町店」の記載がある(http://ramendb.supleks.jp/review/724925.html)。

オ 「ラーメンデータベース」のウェブサイトにおいて、「汁なし醤油 麺少なめアブラ少なめニンニク[汁なし/豚骨醤油]/中華そば 凛」の記載がある(http://ramendb.supleks.jp/review/717973.html)。

カ 「ラーメンデータベース」のウェブサイトにおいて、「特性汁なし(塩)+あぶりチャーシュー[汁なし/その他]/らーめん 破顔」「結局いつもどおり汁なし塩にしてしまいましたが・・・」の記載がある(http://ramendb.supleks.jp/review/225030.html)。

キ 「クライマー『H』の研究室」のウェブサイトにおいて、「特製ワンタンチャーシューつけそば (笑'z@三軒茶屋)」のタイトルの下「ものすごく塩辛いらしい『汁なし・塩』を食いそびれてしまった・・・。」の記載がある(http://blogs.yahoo.co.jp/sanjc2004/62981520.html)。

ク 「らーめん巡り 新潟版」のウェブサイトにおいて、「ぼん蔵」のタイトルの下「汁なし味噌坦々 690円」の記載がある(http://www.ramen-walker.com/shop_43_gallery_315.html)。

ケ 「B食倶楽部」のウェブサイトにおいて、「秋田食べ日記/2012/04/07 ラーメンマシンガン(秋田市)の汁なしみそ」のタイトルの下「新メニュー 汁なしみそ・並 700円」「汁なしそばとの違いは生姜の有無。汁なしみそにはしょうが(チューブでしぼったの)がつきます。」の記載がある(http://www.b-shoku.jp/modules/wordpress/?author=824&p=192758)。

コ 「新横浜ラーメン博物館」のウェブサイトにおいて、「汁なし坦々あえつけ」の記載がある(http://www.raumen.co.jp/home/ganja_next/ae_2nd.html)。

くわえて、本願指定商品を取り扱う業界において、ラーメンの汁(スープ)のだしや味等の特性に応じて、原材料や製法を変え、食感や風味等に特徴をもたせた様々な種類の「ラーメンの麺」が、取引上、普通に製造、販売されている実情がある。そして、このことは、例えば以下のウェブサイトの情報からも窺い知ることができる。

サ 「株式会社菅野製麺所」のウェブサイトにおいて、商品「JH中華26 100g」の特徴として「博多・九州ラーメン用に特化した麺です。」の記載(http://www.kannoseimen.com/products/09hakata/hakata01/)及び商品「CK中華12 250g」の特徴として「(株)日清製粉の『傾奇者』を使用したつけ麺専用。」の記載(http://www.kannoseimen.com/products/17tukemen/tukemen11/)がある。

シ 「株式会社三河屋製麺」のウェブサイトにおいて、商品「商品番号 315」の商品説明として「つけ麺専用のストレート麺」の記載がある(http://www.mikawayaseimen.com/sample.html)。

ス 「株式会社ツルミ製麺所」のウェブサイトにおいて、商品「H24」の商品説明として「豚骨に良く合う博多24番」の記載がある(http://www.tsurumiseimen.com/comp2.html)。

セ 「株式会社羽田製麺」のウェブサイトにおいて、商品「とんこつ(切刃30番)」の商品説明として「超低加水で練った、歯ごたえ・歯切れが良い九州とんこつ用細麺です。」の記載がある(http://www.haneda-seimen.co.jp/category/items)。

ソ 「株式会社大麺」のウェブサイトにおいて、商品「極細ラーメン」の商品説明として「主に博多ラーメンに使われる極細のストレート麺です。」の記載がある(http://www.daimen.net/products/index.html)。

以上のとおり、「汁がないラーメン」を表すものとして「汁なし○○(「○○」は味等)」の語が使用されていることからすると、本願商標は、構成全体として「汁(スープ)がないとんこつラーメン」程の意味合いを容易に認識させるものであり、また、前記のとおり、ラーメンの汁(スープ)のだしや味等の特性に合わせた麺が販売されているところである。

さらに、一般に、ラーメンの麺について、その味付け用の調味料等を添付して販売することが行われていることからすると、本願商標は、本願指定商品との関係においては、「汁(スープ)がないとんこつラーメン用の麺」または「汁(スープ)がないとんこつラーメン用の調味料付きの麺」を認識させるというのが相当である。

そうすると、本願商標をその指定商品中、前記商品に使用するときは、その商品の品質、用途を表示するにすぎず、前記以外の指定商品に使用するときは、該商品が「汁(スープ)がないとんこつラーメン用の麺」または「汁(スープ)がないとんこつラーメン用の調味料付きの麺」であるかのように商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、原査定において「本願商標が一般に使用されている」として挙げられた「使用事実」については、いずれも本願の指定商品について商標的機能を発揮した状態での使用ではなく、本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性を判断するにあたって、考慮できる事実ではない。そして、本願の指定商品について、本願商標が商標的な機能を発揮した状態で多数使用されているといった客観的な事実が確認できない以上、本願商標は充分に自他商品役務識別機能を有する旨主張している。

しかしながら、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである(東京高裁平成12年9月4日判決〔平成12年(行ケ)第76号〕参照)から、たとえ、「汁なしとんこつ」の文字が、その指定商品を取り扱う業界において、商品の品質等を表示するものとして、実際に使用されている事実が存在していないとしても、取引者、需要者によって、当該商品の品質等を一般に認識するものといえるならば、本願商標が商品の品質等を表示するものであると認定、判断することの妨げにはならないものであり、請求人の上記主張は採用することができない。

イ 請求人は、本願商標は外観上も称呼上も一体不可分に認識される構成であり、本願商標全体としては特段の意味を有するものではない旨主張し、また、過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨主張している。

しかしながら、商標が自他商品及び役務の識別標識としての機能を有するか否かの判断は、査定時又は審決時における取引の実情を勘案して、その指定商品及び指定役務の取引者、需要者の認識を基準に判断すべきものであり、判断時期や構成態様等が相違する登録例を本願商標の登録の適否の判断基準とすることは適切とはいえず、そして、本願商標については、前記(1)アないしソのとおり、「汁なしとんこつ」を含む「汁なし○○」(「○○」は味等)の文字が本願指定商品と関係の深いラーメンの提供を行う業界において役務の提供物(「ラーメン」)自体を表すものとして使用されていること、及び本願指定商品を取り扱う業界において、「つけ麺用の麺」、「とんこつラーメン用の麺」等の各種ラーメン用と称する麺が製造、販売されている実情があることなどからすれば、「汁なしとんこつ」の文字は、単に商品の品質、用途を表示したものと取引者、需要者に認識されるというべきである。したがって、請求人の上記主張も採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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