結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2012−300042(T2012−300042/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第5153368号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成19年6月25日に登録出願、第9類、第35類、第38類、第41類、第42類及び第44類に属する別掲(2)のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同20年7月25日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録は、平成24年2月10日にされたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。
本件商標は、その指定商品及び指定役務のうち、第41類「書籍の制作,医療事務管理者・医療情報処理技術者・高齢者の介護者の養成教育及びそれらに係る情報の提供,医療情報管理・カルテの作成・処方箋の作成又はレセプトの作成に関する知識の教授,コンピュータネットワーク・電話を用いた健康に関する知識の教授,その他の技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により、上記指定役務についての登録を取り消されるべきものである。
(1)商標使用の主体について
答弁書においては、リブラプラス株式会社なる者が答弁を行っている。しかし、本件審判の請求時においては、本件商標権は、「ソフトバンクリブラ株式会社」となっており、リブラプラス株式会社が答弁を行う地位にないことは明らかである。
また、リブラプラス株式会社が、当該商標権者でもなく、また専用使用権者などに該当するのか全く明らかにされていない以上、各証拠は、全く採用できず、答弁の理由は成り立たないものである。
(2)乙第1号証について
乙第1号証については、その証拠が証明しようとする趣旨が不明であり、本件商標のいかなる使用の事実を証明しようとするものか不明である。
また、かかる資料が「リブラプラス株式会社」がある取引先に対するプレゼン資料であるとしても、該資料が実際に2011年2月1日に作成されたものであるか客観的に明らかではなく、まして第3頁に「1月現在のライフキャリア」とあるが、この「ライフキャリア」が何を示しているのか全く説明もないことから、このような内容だけでは使用の事実を到底認められない。
また、仮にこのような内容のサイトが運営されていたとしても、乙第1号証の内容では、本件商標の使用の事実は全く証明されていない。
さらに、かかるサイトの内容は、第44類「インターネットを利用した健康管理に関する指導及び助言,インターネットを利用した医業・医療情報の提供・健康診断・歯科医業・調剤に関する情報の提供,電話による医療相談,通信機器を用いた在宅者向けの医療情報の提供,その他の医療情報の提供,栄養の指導」に関するものだけであり、本件審判の取消請求に係る第41類の各指定役務の使用に該当しないことは明らかであり、また、本件商標は、どこにも存在しない。
(3)乙第2号証について
乙第2号証は、ある取引先が、「リブラプラス株式会社」に対して「ライフキャリア」なる健康管理のWebサービスの業務を委託したことを証明するものにすぎず、本件商標の使用を裏付ける事実は全く証明されていない。
すなわち、本件契約の内容を参照しても、商標権者である「ソフトバンクリブラ株式会社」が本件商標を使用することを義務付ける内容等は全く記載されていないし、また、これにより本件商標が使用されたことを裏付ける事実も全く認められない。サービス名も「ライフキャリア」とあるだけで、「Life Carrier/ライフキャリア」の2段書きからなる本件商標と全く同一なものではなく、本件商標の使用の事実を全く裏付けるものではない。
(4)乙第3号証について
本証拠が何を証明するものか全く説明がなく、どの様に何を証明したいのか、答弁の内容が全くないので、本証拠については、何を証明したいのか全く不明である。
仮にサイトの内容だとしても、かかる内容は、商標権者である「ソフトバンクリブラ株式会社」が本件商標を「いつ」使用していたかは全く立証されていない。特に、いつこのようなサイトが存在したのかについては、全く証明されていない。
また、このような内容のサイトが運営されていたとしても、本証拠の内容では、本件商標の使用の事実は全く証明されていない。
さらに、その内容も本件商標の指定役務のうち、第44類「インターネットを利用した健康管理に関する指導及び助言,インターネットを利用した医業・医療情報の提供・健康診断・歯科医業・調剤に関する情報の提供,電話による医療相談,通信機器を用いた在宅者向けの医療情報の提供,その他の医療情報の提供,栄養の指導」に関するものだけであり、本件審判の取消請求に係る第41類の各指定役務の使用にも該当しないことは明らかである。
(5)まとめ
以上のことから、本件答弁の理由は成り立たず、本件商標については、本件審判の請求に係る指定役務について、その登録を取り消されるべきものである。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を「登録第5153368号商標『Life Carrier/ライフキャリア』は現在も他者と締結した業務委託契約の履行に伴い使用されているため。」と述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。
商標法第50条に規定する商標登録の取消しの審判にあっては、その第2項において、その審判の請求の登録前3年以内(以下「要証期間」という場合がある。)に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、その使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにした場合を除いて、商標権者は、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れないとされている。
本件審判は、本件商標の指定商品及び指定役務中、第41類「書籍の制作,医療事務管理者・医療情報処理技術者・高齢者の介護者の養成教育及びそれらに係る情報の提供,医療情報管理・カルテの作成・処方箋の作成又はレセプトの作成に関する知識の教授,コンピュータネットワーク・電話を用いた健康に関する知識の教授,その他の技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」(以下「請求に係る指定役務」という。)についての登録の取消しを請求されたものであり、これに対し、被請求人は、本件審判の請求は成り立たない旨答弁し、乙各号証を提出しているので、以下検討する。
乙第1号証ないし乙第3号証によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第1号証
乙第1号証は、11ページからなる「ライフキャリア改修の提案書」とするものであるところ、その1ページ(表紙)には、「ライフキャリア」及び「2011年度に向けてご相談」の文字を2段書きしたタイトルと共に、左上方に別掲(3)のとおりのロゴ及び「みんなの健保」の文字等の記載、下方に「2011年2月1日/リブラプラス株式会社」の記載がある。3ページないし8ページには、「1月現在のライフキャリア」、「ブラッシュアップが必要」、「【対策】TOPページの改修」、「【対策】付加機能」、「【対策】健康診断データ(6月リリース予定)」及び「【対策】キャンペーン」の各項目名とその説明の記載がある。そして、乙第1号証のすべてのページの左下方に四角の枠で囲われた「Strictly Confidential」の文字の記載がある。
(2)乙第2号証
乙第2号証は、伏せ字された者を甲とし、リブラプラス株式会社を乙とする平成23年3月25日付けの「業務委託契約書」の写しであると認められ、その第1条(目的)には、「甲は、本契約記載の条件をもって、第2条にて規定する業務(以下「委託業務」という)を乙に委託し、乙はこれを受託して、誠実に履行する。」、第2条(業務の内容)には、「委託業務の内容は、以下の各号に定めるものとする。(1)委託業務名 甲が指定する甲の顧客に対し、乙が健康管理Webサービス『ライフキャリア』(以下「本件サービス」という)を提供する業務 (2)委託内容 別紙の業務仕様書による (3)委託期間 自 平成23年4月1日 〜 至 平成24年3月31日 ・・・」の記載があり、「(別紙)業務仕様書」には、「乙が甲の指定する甲の顧客に提供するサービス内容」として、「1.Webサイト名称(健康管理サービス) ライフキャリア 2.Webサイトへのアクセス方法 Webブラウザによる指定URLの会員専用ページアクセス。個人別の専用アカウントおよび携帯電話の個別ID(一部の携帯電話機種ではパスワード)による個別認証を行う。 3.Webサイトにおいて提供される代表的なもの (ア)会員向けWebサイトへのアクセス (イ)個人用の健康データ管理ページの提供 4.個別のユーザーアカウントの開設手続き 乙によるアカウント開設案内と個別発行 5.本件サービス提供の対価 本契約第2条に定める対価をもって本件サービス提供の対価とし、本契約期間中は、本件サービス提供の対象者たる顧客に対し利用料金等の請求をしないものとする。」と記載されている。
(3)乙第3号証
乙第3号証は、2葉からなる「ライフキャリアのWEB画面コピー」とするものであるところ、別掲(3)のとおりのロゴ及び「みんなの健保」の文字等の記載と共に、「体重」、「歩数」、「食事」、「血圧」、「血糖」、「女子」及び「体温」の文字が緑地に白抜きで表され、また、体重や歩数などの入力ができるようになっている。
(1)上記2の事実からすると、以下のとおり判断するのが相当である。
ア 使用商標について
乙第1号証には、「ライフキャリア」の片仮名が表されているところ、該文字を使用商標であるとみることができる。
本件商標は、別掲(1)のとおり、「Life Carrier」の欧文字と「ライフキャリア」の片仮名とを上下2段に書されたものであるところ、本件商標から使用商標と相違する称呼や観念が生ずるものではないことから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標であると認められる。
イ 使用役務及び使用役務と使用商標との関係等について
乙第1号証は、2011年2月1日付けのリブラプラス株式会社による「ライフキャリア」に係るWebページの改修提案書であることは認められるが、該証拠によって本件商標がいかなる役務への使用であるのか明確ではなく、また、「Strictly Confidential」の文字の記載からすれば、該証拠は内部資料といえるものであり、本件商標の使用を客観的に立証するものともいえない。
そして、乙第3号証は、健康管理に係るWebページの写しであることは認められるが、請求人がいうように、該証拠により何を証明したいのか不明である。
さらに、仮に乙第1号証及び乙第3号証にいうWebページのサイトが運営されていたとしても、「業務委託契約書」(乙第2号証)に記載の業務内容を併せみれば、かかるサイトの内容は、「インターネットを利用した健康管理に関する指導及び助言,インターネットを利用した医業・医療情報の提供・健康診断・歯科医業・調剤に関する情報の提供,電話による医療相談,通信機器を用いた在宅者向けの医療情報の提供,その他の医療情報の提供,栄養の指導」(第44類)に係るものであるといい得ても、本件の請求に係る指定役務に係るものであるということはできない。
ウ 本件商標の使用者について
本件商標に係る商標登録原簿によれば、商標権者は、その設定登録時「東京都港区東新橋一丁目9番1号」在の「ソフトバンクテレコム株式会社」であり、その後、平成21年4月9日受付の申請により「ソフトバンクリブラ株式会社」に移転され、同24年3月16日受付の登録名義人の表示の変更の申請により「東京都港区赤坂二丁目20番19号」在の「リブラプラス株式会社」となっているものであるところ、乙第1号証における2011年(平成23年)2月1日及び乙第2号証における平成23年4月1日ないし同24年3月31日においては、被請求人である「リブラプラス株式会社」が実質的に商標権者であったとみて差し支えない。
(2)請求人は、「乙第1号証ないし第3号証を参照しても、本件審判の請求の登録前3年以内に本件商標を請求に係る指定役務に使用していることが示されていない。」旨主張しているところ、被請求人は、請求人による当該主張に対して何らの具体的な答弁をせず、追加の証拠も提出していない。
(3)以上を踏まえれば、被請求人の提出に係る上記乙各号証によっては、本件審判の請求に係る指定役務について、商標権者が本件商標と社会通念上同一と認められる商標を要証期間に日本国内において使用していたとはいえない。
以上のとおり、被請求人の提出に係る乙各号証を総合的に判断しても、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定役務について、本件商標の使用をしていたことを証明したものとは認められない。また、被請求人は、本件商標を請求に係る指定役務について使用していないことについて、正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品及び指定役務中「結論掲記の役務」について、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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