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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第16号・第3条第1項第3号「品質表示の識別力と書体」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2011−21388(T2011−21388/J1)|請求不成立)

審判番号
不服2011−21388(T2011−21388/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
品質表示の識別力と書体
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判不服2011−21388(T2011−21388/J1)・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「品質表示の識別力と書体」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成21年12月21日に登録出願されたものであり、その後、指定商品については、同22年12月6日付けの手続補正書によって、第9類「多数のLEDを用いたスリム型のテレビジョン受信機,多数のLEDを用いたスリム型のコンピュータ用モニター」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、別掲1のとおりの構成からなるところ、近時のレタリング技法の多様等を考慮すると、未だ普通に用いられる域を脱しない方法で表示してなるものといい得るものであり、また、その指定商品との関係において、その構成中の「LED」の文字部分が「発光ダイオード」等を、「Contrast Ratio」の文字部分が「コントラスト比」をそれぞれ意味する語として親しまれるものであって、また、「3,000,000:1」の数字部分は、上記コントラスト比を表したものと看取されるものであるから、本願商標は、全体として「LEDを用いたものであって、コントラスト比が300万:1である」程の意味合いを容易に想起させるものである。そして、「テレビジョン受信機」等においては、省電力や高速応答性等を向上させるために、バックライトにLED(発光ダイオード)を用いた商品が広く開発、販売されている実情が見受けられることからすれば、本願商標をその指定商品中、「テレビジョン受信機」等に使用する場合、これに接する取引者、需要者は、「LEDを用いたコントラスト比が300万:1であるテレビジョン受信機」であること、すなわち、単に商品の品質(機能)を表示したものとして理解するにとどまり、自他商品の識別標識として機能し得ないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるため、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、別掲1のとおり、ドットで描かれ、かつ、横一筋に濃淡を加えた「LED」の欧文字を左方に、その右方に大きな空白に続き、横長矩形を配し、該矩形は、その上部に「3,000,000:1」の文字を配し、下部には黒塗り部分を設けて「Contrast Ratio」の欧文字を白抜きした構成からなるものである。

ところで、ドットによって描かれた文字態様は、レタリング辞典にも同種の書体の掲載が認められるように、書体として普通に用いられる態様といえる(別掲2)。

また、本願の指定商品であるテレビジョン受信機やコンピュータ用モニターを取り扱う国内各社の商品カタログによれば、該商品の品質、機能等を表示するにあたっては、一般的な書体の文字だけでなく、ややレタリングを施した書体の文字や、矩形内に白抜き文字で表された背景色に濃淡あるいはグラデーションを施す技法が普通に使用されている実情がある(別掲3(1)ないし(4))。

そうとすれば、本願商標の構成中のドットで描かれ、かつ、印象の薄い横一筋に濃淡を加えた「LED」の欧文字についても、その指定商品における取引者、需要者をして、該商品の取引において通常用いられる程度の書体として看取されるものといえるから、該文字部分は、普通に用いられる方法の域を脱しないものとみるのが相当である。

次に、構成各文字の語義について検討すると、その構成中の「LED」の文字は「発光ダイオード」の意味を有する語(「広辞苑第六版」株式会社岩波書店 2008年1月11日発行)として親しまれているものであり、原審説示のとおり、「テレビジョン受信機」等においては、省電力や高速応答性等を向上させるために、バックライトなどにLED(発光ダイオード)を用いた商品が広く開発、販売されている実情がある。

また、「Contrast Ratio」の文字部分は、「ディスプレイやプロジェクターなどの性能を示す指標の一つ。白を表示したときと黒を表示したときの輝度を測定し、2つの輝度の比で表す。」(「日経パソコン用語辞典2009年版」日経BP社 2008年10月20日発行)を意味する語として知られ、本願の指定商品との関係からすれば、「コントラスト比」と称されるものであるから、該文字と上段の「3,000,000:1」の文字との組み合わせからは、「コントラスト比が300万:1」の意味を容易に理解させるものである。

そうとすれば、「LED」の文字は、「商品がLEDを使用しているこ

と」を、「Contrast Ratio」の文字及び「3,000,000:1」文字は、「商品がコントラスト比が300万:1であること」を容易に理解させるものとみるのが相当である。

してみれば、本願商標をその指定商品に使用した場合、「LEDを使用し、コントラスト比が300万:1の商品」であること、すなわち、単に商品の品質、機能を表示するものとして認識し理解されるにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、また、本願商標を上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質、機能の誤認を生ずるおそれがあるものというのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

以上のとおりであるから、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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