Trademark Appeal Case
周知性と促音による称呼類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2012−900152(T2012−900152/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5476402号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成23年9月30日に登録出願、第14類「身飾品(「カフスボタン」を除く)」を指定商品として、同24年2月1日に登録査定され、同年3月9日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当し、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第13号証を提出した。
(1)申立人が引用する商標
申立人が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する登録第562590号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、昭和34年12月2日に登録出願、同35年12月15日に設定登録されたものであり、第14類「時計,時計の部品及び附属品」を指定商品とするものである。
(2)具体的な理由
引用商標の指定商品中の「時計」は、同じ売り場で「宝飾品」とともに取り扱われて販売されている(甲4〜甲8)。
また、本件商標と引用商標とは、それぞれから生じる称呼「エッタ」と「エタ」の比較において促音「ッ」の有無に差異を有するが、促音は微弱音であるから、両者を一連に称呼するときはその語調・語感が近似し相紛れてしまうものである(甲9〜甲13)。
以上のように、本件商標と引用商標は類似する商標であり、上記取引の実情を考慮すれば、本件商標は、これをその指定商品に使用するときは、申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれが高い。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第15号の該当性
ア 商標法第4条第1項第15号は、周知表示又は著名表示へのただ乗り(いわゆるフリーライド)及び当該表示の希釈化(いわゆるダイリューション)を防止し、商標の自他識別機能を保護することによって、商標を使用する者の業務上の信用の維持を図り、取引者、需要者の利益を保護することを目的とするものであるから、保護されるべき商標が周知著名であることを要すると解すべきである(知財高裁平成18年12月19日判決、平成18年(行ケ)第10106号)。
イ そして、申立人は、「時計」と「宝飾品」が同じ売り場で販売されていること及び本件商標と引用商標の称呼が類似することの証左として、デパートのフロア案内及び審決例を提出している(甲4〜甲13)ものの、引用商標の周知著名性を明らかにする証拠は全く提出していない。
してみると、引用商標は、申立人の業務に係る商品「時計」を表示するものとして、本件商標の登録出願の時(平成23年9月30日登録出願)及び登録査定時(平成24年2月1日登録査定)において、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
ウ また、本件商標と引用商標との類否についてみても、両者はそれぞれ別掲1及び2のとおりであるから、外観上明らかに区別し得るものであり、また、仮に本件商標から「エッタ」の称呼が生じるとしても、該「エッタ」の称呼と引用商標から生じる「エタ」の称呼とは、促音の有無の差異を有することにより、これが極めて短い音構成からなる両称呼全体に及ぼす影響は大きく、それぞれの称呼を一連に称呼しても、その語調、語感が相違し称呼上相紛れるおそれはない。さらに、両商標は、いずれも特定の観念を生じないものと認められるから、観念上も相紛れるおそれはない。
したがって、本件商標と引用商標は、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
エ してみると、本件商標の指定商品と引用商標が使用される商品「時計」とが、デパート内の同一フロアで販売される場合があるとしても(甲4〜甲8)、本件商標に接する取引者・需要者は引用商標を想起又は連想することはないとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、該商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれのある商標ということはできない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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