Trademark Appeal Case
称呼の類否と語頭音の差異
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2012−900180(T2012−900180/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5484162号商標(以下「本件商標」という。)は、「アウラ」の文字を標準文字で表してなり、平成23年10月12日に登録出願、第25類「被服」を指定商品として、同24年4月6日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4613032号商標(以下「引用商標」という。)は、「LAULA」、「Laula」、「らうら」及び「ラウラ」の各文字を4段に横書きしてなり、平成13年12月19日に登録出願、第25類「被服,履物,ベルト」を指定商品として、同14年10月18日に設定登録され、その後、同24年6月5日に商標権の存続期間の更新登録がされて、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由(要旨)
本件商標からは「アウラ」の称呼が生ずるのに対し、引用商標からは「ラウラ」の称呼を生ずるところ、両称呼は、ともに3音から構成されており、語頭音において「ア」と「ラ」の音の差異があるが、第2音及び第3音における「ウ」及び「ラ」の音を共通にするものである。
しかして、上記差異音の「ア」と「ラ」とは、母音を共通にすることに加えて、音声学上著しく近似する音であるから、本件商標と引用商標とは、称呼において近似するものである。
そして、本件商標と引用商標とは外観において相違することが認められるが、外観における相違は、称呼における近似を凌駕するものではなく、また、本件商標からは特別な観念が生じることはなく、同様に引用商標からも特別な観念が生じることもない。
以上のとおり、本件商標は、引用商標に類似するものであり、また、引用商標の指定商品と同一の指定商品について使用するものであって、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきである。
4 当審の判断
本件商標及び引用商標は、それぞれ前記1及び2のとおりの構成からなるものであるから、各構成文字に相応して、前者については「アウラ」の称呼、後者については「ラウラ」の称呼を生ずるものである。
そこで、本件商標から生ずる「アウラ」の称呼と引用商標から生ずる「ラウラ」の称呼とを比較するに、両称呼は、語頭において「ア」と「ラ」の音の差異を有するものであるところ、「ア」の音は、舌全体が下がった有声の広母音で比較的明瞭に澄んだ音であるのに対し、「ラ」の音は、舌面を硬口蓋に近づけ、舌の先で上歯茎を弾くようにして発する有声子音(r)と母音(a)との結合した音節からなるものであって、該差異音は、その調音の位置及び方法を異にし、音質を異にする音であることに加え、両称呼は、ともに3音という短い音構成であることからすれば、その差異が両称呼に与える影響は決して小さいものとはいえず、それぞれを一連に称呼するときは、互いに聞き誤るおそれはないというべきである。
また、本件商標と引用商標とは、各構成文字の相違により、外観上は区別できる差異を有するものであり、さらに、両商標は、いずれも特定の意味を有する語として看取されるものともいえないから、観念上、相紛れるおそれはない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
なお、申立人は、審決例を挙げているが、審決で取り上げられている商標は、いずれも本件とは商標を異にするばかりでなく、商標の類否の判断は、各商標につき個別具体的に判断されるべき性質のものであるから、申立人が主張するような事例があるからといって、本件商標と引用商標についての上記判断が左右されることにはならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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