Trademark Appeal Case
称呼の認定と類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2012−900169(T2012−900169/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
登録第5478559号商標(以下「本件商標」という。)は、「RARE」の文字を標準文字で表してなり、平成23年6月16日に登録出願、第25類「被服」を指定商品として、同24年2月28日に登録査定、同年3月16日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のア及びイのとおりである(以下まとめていうときは「引用各商標」という。)。
ア 国際登録第917928号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲に示すとおりの構成からなり、2005年9月29日にItalyにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し、2005年(平成17年)11月7日に国際商標登録出願、第9類、第18類及び第25類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成20年3月21日に設定登録されたものである。
イ 国際登録第1028279号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲に示すとおりの構成からなり、2009年4月22日にItalyにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し、2009年(平成21年)10月21日に国際商標登録出願、第18類、第25類及び第35類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成23年8月5日に設定登録されたものである。
(2)理由の要点
本件商標は、下記アないしウによって、その登録を取り消されるべきものである。
ア 商標法第4条第1項第11号該当
本件商標及び引用各商標からは、「ラーレ」の称呼が生じることより、称呼を共通にするほか、観念をも共通にし、両商標は類似のものである。また、本件商標と引用各商標は、その指定商品も同一又は類似のものである。
イ 商標法第4条第1項第15号該当
引用各商標は、申立人の商標として広く一般に知られているから、これと類似する本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
ウ 商標法第4条第1項第19号該当
本件商標は、申立人の商標として日本国内などにおいて広く認識されている引用各商標と類似し、不正の目的をもって使用されるものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「RARE」の文字からなるところ、当該構成文字は、「珍しい、まれな」等の意を表す英語であって、その片仮名表記「レア」とともに我が国において親しまれており、「レア」の称呼が生じるものである。
他方、引用各商標は、別掲に示すとおり、左側に「RE」、右側に表裏を反転させた「ER」を配し、これらの間に、二つの「R」の上下を違えて背中合わせにした様な図を円内に表した図形を配した標章からなるものである。そして、当該標章は、これより何らかの観念や称呼が生じるとは認められないものであるから、引用各商標からは、取引に資されるべき特定の称呼及び観念は生じないものというべきである。
しかして、本件商標と引用各商標との類否についてみると、両者の外観構成には、明らかな相違があるから、これらより受ける印象は全く異なり、外観上相紛れるおそれはないものである。
つぎに、本件商標からは、「レア」の称呼が生じるものであるが、引用各商標からは、特定の称呼は生じないものであるから、称呼上相紛れるおそれはないものである。
また、本件商標と引用各商標とは、観念について比較することができないものであるから、観念上において相紛れるおそれはないものである。
してみれば、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても、引用各商標に類似する商標と判断することはできない。
したがって、指定商品の類否について論及するまでもなく、本件商標は、引用各商標をもって、商標法第4条第1項第11号に該当すると認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人提出の証拠によれば、引用各商標が「ラーレ」と称呼されることを窺い知ることができる。また、申立人に係る商品について、標章「RA−RE」や「RA・RE」が「ラーレ」の称呼をもって取引に資されていること(甲10、甲13及び甲14、甲22、甲24及び甲25ほか)が認められ、さらに、標章「RARE」が「ラーレ」と共に表示されていること(甲16、甲21、甲26及び甲27)が認められる。
しかしながら、全証拠によってみても、引用各商標をはじめとする申立人の使用に係る前記商標について、これらが使用されている事実は窺い知ることはできるとしても、宣伝広告の期間や程度等の使用実績を具体的に把握し得ないものであって、本件商標の登録出願時までに、需要者の間に広く認識されるに至っていたとまで認めることはできない。殊に、標章「RARE」が、「ラーレ」の称呼の下、あるいはそれ自体で、申立人の商品を表示する商標として需要者の間で広く認識されるに至っていたと認めるに足りる証左をみいだすことはできない。
しかして、本件商標と引用各商標とが類似する商標とは認められないこと前記(1)のとおりであり、また、標章「RARE」が申立人に係る商品の広告中に表示され使用されていることが散見されるとしても、標章「RARE」自体が申立人の商品を表示する商標として広く認識されるに至っていたとは認められない上、本件商標の称呼「レア」と前記の称呼「ラーレ」とは明らかに異なるものであるから、本件商標を申立人に係る前記商標と関連付けてみるべき格別の理由はみいだせず、結局、両者は、別異の出所を表すものとして看取されるというべきである。
してみれば、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者が引用各商標を想起し連想して、当該商品を申立人の業務に係る商品、あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く誤信するとは認め難く、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあったということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものとはいえない。
(3)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、上記(1)のとおり、引用各商標に類似するものではないから、引用各商標の周知性や不正の目的等、本号の他の要件について論及するまでもなく、商標法第4条第1項第19号に該当するものとははいえない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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