Trademark Appeal Case
略語の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2012−6849(T2012−6849/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ナンクロ」の文字を標準文字で表してなり、第41類「オンラインによる映像・音楽及び音声の提供,電子出版物の提供,音楽の演奏に関する情報の提供,映画の上映・制作又は配給又はこれらに関する情報の提供,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),オンラインゲーム大会の企画・運営,インターネット・携帯電話による通信を用いて行うゲームの提供及びこれらに関する情報の提供」を指定役務として、平成23年3月11日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、「本願商標は、『ナンクロ』の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、『ナンバークロスワードパズル(クロスワードパズルと似た白マスと黒マスからなる盤面の、白マス全てを文字で埋めるパズル)の略』の意味合いを有するものとして一般に使用されており、これをその指定役務に使用しても、これに接する需要者等は、該役務が『ナンバークロスワードパズルを内容とする電子出版物の提供,ナンバークロスワードパズルを内容とするオンラインゲーム大会の企画・運営,インターネット・携帯電話による通信を用いて行うナンバークロスワードパズルを内容とするゲームの提供及びこれらに関する情報の提供』等であると認識するにとどまり、単に役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する」 旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号の該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「ナンクロ」の文字を表してなるところ、該文字は、「クロスワードパズルと似た白マスと黒マスからなる盤面の、白マス全てを文字で埋めるパズル」を意味する「ナンバークロスワードパズル」又は「ナンバークロス」の略と認められる(フリー百科事典「ウィキペディア」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%91%E3%82%BA%E3%83%AB)。
また、「ナンクロ」の文字は、別掲1のインターネット記載のオンラインゲーム等を提供する業界に関する情報によれば、主にオンラインゲーム等を提供する業界において、前記意味合いを有するパズルゲームを表すものとして、普通一般に使用されている事実がうかがえるものである。
さらに、別掲2のインターネット記載のパズル大会に関する情報によれば、主にパズルゲームを提供する業界においては、国際的なパズルの競技大会や全国規模のオンラインによるパズルゲーム大会が開催され、当該パズルゲーム大会等の企画、運営が実際に行われているところであり、さらにまた、別掲3のインターネット及び新聞記事のパズル雑誌に関する情報によれば、「ナンクロ」と題するパズル雑誌や、当該「ナンクロ」を主な内容とする雑誌が定期刊行物として、広く一般に発行されている事実が認められるところである。
そうとすれば、「ナンクロ」の文字の意味、「ナンクロ」の文字の使用状況や、パズルゲーム大会等の企画、運営が一般に行われている事実からすれば、「ナンクロ」の文字よりなる本願商標は、これをその指定役務中「ナンクロ」に関連する役務、例えば「ナンクロを内容とする電子出版物の提供,ナンクロを内容とするオンラインゲーム大会の企画・運営,インターネット・携帯電話による通信を用いて行うナンクロを内容とするゲームの提供及びこれらに関する情報の提供」に使用しても、単に役務の質、内容等を表示するにすぎず、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないというべきである。
また、本願商標を前記役務以外の「電子出版物の提供,オンラインゲーム大会の企画・運営,インターネット・携帯電話による通信を用いて行うゲームの提供及びこれらに関する情報の提供」に使用するときは、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるものと認められる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号に該当するものである。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「ナンクロ」が「ナンバークロスワードパズル」の略であることを自認したうえで、「『ナンクロ』には、全漢字ナンクロ、ホワイトナンクロ等といったように多様なバリエーションがあり、『ナンクロ』というだけでは、抽象的なパズルの一種を認識させるにすぎない」旨主張する。
しかしながら、「ナンクロ」の文字は、「クロスワードパズルと似た白マスと黒マスからなる盤面の、白マス全てを文字で埋めるパズル」を意味する「ナンバークロスワードパズル」又は「ナンバークロス」の略であり、主にオンラインによるゲームを提供する業界において、前記パズルゲームを表すものとして、普通一般に使用されていること前記(1)のとおりである。
そうとすると、たとえ、「ナンクロ」自体に複数のバリエーションがあるからといって、当該パズルゲームの内容に関し、その本質が何ら変わるものではなく、「ナンクロ」が抽象的なパズルの一種を認識させるとはいい得ないものである。
してみれば、請求人のかかる主張は、採用することができない。
イ 請求人は、過去の登録例、審決例を挙げて、本願商標も登録されるべき旨主張するが、出願された商標の登録の適否の判断は、その案件毎に行うものであり、過去の登録等に拘束されるべき事情は存在せず、また、いずれの登録例も、商標の構成態様や指定商品又は指定役務との関係において、本願とは事案を異にするものであるから、請求人のかかる主張も採用することができない。
(3)まとめ
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号に該当するとした原査定は妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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