Trademark Appeal Case
論点抽出失敗
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2010−29481(T2010−29481/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「CASCADE」の欧文字を標準文字で表してなり、第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品とし、2009年(平成21年)2月10日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成21年7月1日に登録出願されたものである。
その後、本願の指定商品は、当審における平成23年9月30日受付の手続補正書により、第9類「広域ネットワーク・ローカルエリアネットワークあるいは大域ネットワークにおいて用いられるコンピュータのアプリケーション・サーバー・ネットワーク装置・データ記憶容量および通信プロトコルの性能を監視し管理するために用いるコンピュータソフトウェア,広域ネットワーク・ローカルエリアネットワークあるいは大域ネットワークの性能を監視し管理するために用いるコンピュータソフトウェア,広域ネットワーク・ローカルエリアネットワークあるいは大域ネットワークにおいて用いられるコンピュータのアプリケーション・サーバー・ネットワーク装置・データ記憶容量および通信プロトコルの性能を監視し管理するためのコンピュータハードウェアの不可欠な構成要素として販売される埋め込み型コンピュータサーバーソフトウェア,広域ネットワーク・ローカルエリアネットワークあるいは大域ネットワークの性能を監視し管理するために用いるコンピュータハードウェアの不可欠な構成要素として販売される埋め込み型コンピュータサーバーソフトウェア,コンピュータネットワーク用サーバー,通信用サーバー,コンピュータソフトウェア」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『CASCADE』の文字を標準文字で表してなるところ、指定商品との関係において、該文字は、『ローカルエリアネットワーク(LAN)において、複数のハブを段階的に接続する方法』の意味を有する語であり、その表音を片仮名で表した『カスケード』の文字も、『カスケード接続』、『カスケードポート』等の語の一部に用いられ親しまれていることよりすると、本願商標をその指定商品中『LAN接続用又はLAN管理用の電子応用機械器具』(例えば、『LAN接続用ハブ』、『LAN接続用アダプタ』、『LAN管理用コンピュータソフトウェア』等)に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その商品が『LANにおいて、複数のハブを段階的に接続するもの』、『LANにおいて、複数のハブを段階的に接続した状態を管理するもの』と理解するにすぎず、本願商標は、単に商品の品質、効能を表わしたものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審においてした証拠調べ
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権により証拠調べをした結果、別掲記載の事実を発見したので、平成23年12月2日付けで、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、それを請求人に通知し、相当の期間を指定して意見を述べる機会を与えた。
4 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要点
(1)証拠調べ通知に掲載された事実は、コンピュータ業界の専門的知識を必要とする又はそれを有する者を対象とするものであり、本願の指定商品の一般の取引者・需要者にこのような高度な専門的知識が要求されているとは考えられないものであるし、また、これらの事実は、本願の指定商品との関係で述べられたものではない。
(2)各国の商標登録制度は独立し、事情を異にする他国の審査結果が我が国の審査に影響を与えるものではないが、英語が母国語である米国や、英語と言語体系が極めて近似し、英語が一般に共通言語として用いられている欧州共同体において、商標「CASCADE」が第9類の指定商品「コンピュータソフトウェア,コンピュータハードウェア」について商品識別力があると判断されていることからすれば、我が国において特にこのような判断を否定する事情はない。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「CASCADE」の欧文字を標準文字で表してなり、その指定商品をいわゆるコンピュータネットワーク用のコンピュータソフトウェアやサーバーなどとするものである。
ところで、コンピュータ関連の分野では、その製品化当初は相応の専門知識を有する者が主たる需要者であったものであるが、近年においては、製品の普及が急速に進展し、その需要者層は、専門知識を有する者のみならず、広く一般大衆にまで拡大しているといえるところ、本願の指定商品は、その商品の表示に照らせば、特定の需要者向けのものとはいえず、むしろ上記のように拡大しているコンピュータ利用者全般が需要者たり得るとみるのが相当である。
そうとすると、本願の指定商品に係る需要者とは、少なくとも専門知識の多少にかかわらず、本願の指定商品に関わる一般的な範ちゅうに属する者といえるところ、先の証拠調べにおいて示したとおり、本願の指定商品を含むコンピュータ関連の分野では、本願商標を構成する「CASCADE」の文字は、「画面上でウィンドウが重なるように表示すること」又は「パソコン機材の多段接続」の2つの意味を表す語として知られており、例えば、商品「コンピュータソフトウェア」について前者の意味に即したウィンドウ表示機能を有するものや、商品「コンピュータネットワーク用サーバー」について後者の意味に即した接続機能を有するものに、該文字ないしその表音の「カスケード」等が、該機能を表す語として、取引上普通に使用されているというのが実情であるから、本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する需要者は、商品の品質を表示してなるものと認識するにとどまるというべきである。
したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願の指定商品の一般の需要者は、決して高度な専門的知識を有する専門家ではない旨主張するが、上記(1)で述べたとおり、本願の指定商品の分野における需要者は、少なくとも専門知識の多少にかかわらず、本願の指定商品に関わる利用者全般であるといえることからすれば、その主張を採用することはできない。
イ 請求人は、米国や欧州共同体において、本願商標が第9類の指定商品「コンピュータソフトウェア,コンピュータハードウェア」について識別力があると判断されていることからすれば、我が国において特にこのような判断を否定する事情はない旨主張するが、本願商標の登録の適否は、専ら我が国商標法の下において判断されるべきものであって、諸外国における登録状況等の事情をもって、上記(1)においてした本件判断が左右されるべきでなく、その主張を採用することはできない。
(3)結論
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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