Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2010−650073(T2010−650073/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第5類及び第10類に属する国際登録において指定された別掲2のとおりの商品を指定商品として、2005年1月11日のスイス国における商標登録に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2005年(平成17年)5月27日に国際登録されたものである。
2 引用商標
(1)原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第2023688号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲3のとおりの構成よりなり、昭和60年3月5日に登録出願され、第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として昭和63年2月22日に設定登録されたものである。その後、2回にわたり、商標権の存続期間の更新登録がされ、指定商品については、平成21年5月13日に第8類「ピアス用耳穴あけ器(但し,医療用器具に限る。)」及び第10類「医療用機械器具」とする書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
(2)同じく、登録第2023689号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲4のとおりの構成よりなり、昭和60年3月8日に登録出願され、第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として昭和63年2月22日に設定登録されたものである。その後、2回にわたり、商標権の存続期間の更新登録がされ、指定商品については、平成21年5月13日に第8類「ピアス用耳穴あけ器(但し,医療用器具に限る。)」及び第10類「医療用機械器具」とする書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
以下、これらをまとめていうときは、「引用商標」という。
3 当審の判断
本願商標は、別掲1のとおり、上部に黒丸、左右に黒四角形、下部にマーブル柄の四角形(その右側上方には逆ハート形と思しき小さな図形を有する。)をわずかに間隔を空けて上下左右に配してなる図形を表し、その右側に「inverness medical」の欧文字を横書きした構成からなるところ、該図形部分と文字部分とは、全体として特定の意味合いを看取させる等、常に一体不可分のものとしてのみ看取、把握しなければならない特段の事情は見出し得ないものであるから、図形部分と文字部分とは、それぞれが独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。
また、「inverness medical」の文字部分のうち、「medical」の文字は、本願指定商品との関係では、「医療の」を意味し、商品の品質、用途を表示する語として捉えられ、自他商品の識別標識として機能し得ないものとみるのが自然であるから、本願商標に接する取引者・需要者は、構成文字中前半の「inverness」の文字部分に着目して取引に当たる場合も決して少なくないものとみるのが相当である。
そして、該文字は「インバネス。スコットランド北西部の旧州」(ランダムハウス英和大辞典 第2版 小学館)を意味する英語であるものの、当審において職権をもって調査するも、「inverness」の文字が、本願の指定商品を取り扱う業界において、商品の産地等を表示するものとして取引上普通に用いられている事実は発見することができず、また、我が国において親しまれている地名であるともいい得ないものである。
そうすると、該文字部分からは、単に、「インバネス」または「インバーネス」の称呼を生じ、特定の観念を生じない造語というのが相当である。
他方、引用商標1は、別掲3のとおり、全体として図案化した構成よりなるところ、これよりは、「InVERnESS」の欧文字を容易に認識させるものである。
してみれば、引用商標1からは「インバネス」または「インバーネス」の称呼が生ずるものであり、また、該文字は、一般に親しまれた成語とはいえないことから、特定の観念を生じない造語というのが相当である。
また、引用商標2は、別掲4のとおり、横書きした「インバーネス」の片仮名及び縦書きした同文字を、全体として欧文字の「T」を描くように垂直に組み合わせてなるところ、各構成文字から「インバーネス」の称呼が生ずるものであり、また、該文字は、一般に親しまれた成語とはいえないことから、特定の観念を生じない造語というのが相当である。
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観において相違し、観念において比較できないとしても、両者は、「インバネス」または「インバーネス」の称呼を同じくするものである。
そして、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と類似する商品といえるものである。
したがって、本願商標と引用商標とは、称呼を共通にする互いに類似する商標であって、かつ、本願商標の指定商品中には、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品が含まれているものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
なお、請求人は、譲渡交渉中であるとして審理の猶予を申し出ていたが、その後相当期間が経過するも、本願の拒絶の理由を解消する何らの手続、あるいは説明等も行われておらず、審理を更に遅延させるべき合理的な理由はないものと判断し、本件審理を終結した。
以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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