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Trademark Appeal Case

欧文字商標の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2012−650017(T2012−650017/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「DURR」の欧文字(その構成中の「U」の文字にはウムラウトが付されている。以下同じ。)を表してなり、第6類、第7類、第9類、第11類、第12類、第37類及び第42類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2008年(平成20年)2月4日に国際商標登録出願されたものであって、平成20年10月9日にその出願に係る領域指定の通知がなされたものである。

その後、本願の指定商品及び指定役務については、原審における平成21年10月23日付け手続補正書により補正され、さらに、当審における2012年(同24年)2月9日に国際登録簿に記録された限定の通知があった結果、最終的に、別掲1に記載のとおりの商品及び役務となったものである。

2 原査定における拒絶の理由の要点

原査定は、以下の(1)及び(2)のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。

(1)本願は、指定商品において広範な範囲を指定しているため、出願人が本願商標を指定商品すべてについて使用しているか又は近い将来使用をすることについて疑義があるといわざるを得ないものであるから、商標法第3条第1項柱書の要件を具備しない。

(2)本願商標は、以下のアないしウに示す商標と同一又は類似であって、同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

ア 登録第4097195号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成7年12月6日に登録出願、第9類「コンピュータ用プログラムを記憶させた磁気ディスク、磁気テープ,電子計算機,その他の電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同9年12月26日に設定登録され、その後、同19年9月4日に商標権の存続期間の更新登録がなされているものである。

イ 登録第4740309号商標(以下「引用商標2」という。)は、「DUR」の欧文字及び「デュール」の片仮名を上下二段に横書きしてなり、平成15年5月29日に登録出願、第12類「自動車並びにその部品及び附属品,陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く。),緩衝器,ばね,制動装置」を指定商品として、同16年1月16日に設定登録されたものである。

ウ 国際登録第877582号商標(以下「引用商標3」という。)は、「DUR 100」の文字及び数字を書してなり、2005年(平成17年)7月23日に国際商標登録出願、第6類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成19年11月22日に設定登録されたものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項柱書について

原審における平成21年10月23日付け意見書とともに提出された「商標の使用を開始する意思を証明する書面」及び「事業計画書」並びに当審における同24年2月9日付け審判請求書とともに提出された「2010 ANNUAL REPORT(抜粋)」(甲第2号証)の内容によれば、出願人が、本願の指定商品及び指定役務について、商標の使用又は使用の意思があることに疑義がなくなったものと認められる。

したがって、本願は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備するものとなった。

(2)商標法第4条第1項第11号について

ア 本願商標と引用商標2及び3との関係について

本願の指定商品及び指定役務は、前記1のとおり、原審において補正され、さらに、当審において限定があった結果、引用商標2及び3の指定商品と同一又は類似の商品がすべて削除されたものと認められる。

したがって、本願商標と引用商標2及び3とは、商標の類否について論ずるまでもなく、その指定商品において互いに抵触しないものとなったから、本願商標が引用商標2及び3との関係において商標法第4条第1項第11号に該当するとした拒絶の理由は、解消した。

イ 本願商標と引用商標1との関係について

本願商標は、前記1のとおり、「DURR」の欧文字を表してなるところ、該文字は、「乾燥した」の意味を有するドイツ語の成語であって、「デュル」と発音されるものであることからすれば、これより「デュル」の称呼及び「乾燥した」の観念が生ずるというのが自然である。

他方、引用商標1は、別掲2のとおり、文字と図形との組み合わせからなるものであるところ、該図形と重なり合うように表されてなるものは、その一部が該図形により覆われているものの、その全体形状から容易に「DURL」の文字を表したものと視認することができるものであって、その文字自体は、特定の読み及び意味を有することのない一種の造語と認められるものである。

また、引用商標1の構成中の図形部分は、その構成及び配置に照らしても、特定の意味合いを想起させるとはいい難く、これが、引用商標1から生ずる称呼や観念に影響を及ぼすことはないとみるのが相当である。

さらに、引用商標1の構成中の「デュール」の文字部分は、その位置するところと相まって、上記「DURL」の文字部分の読みを表したものとして看取されるとみるのが自然であって、その文字自体は、特定の意味を有することのない一種の造語と認められるものである。

そうとすると、引用商標1は、その構成中の「デュール」及び「DURL」の文字に相応する「デュール」の称呼を生ずるものであり、また、その構成の全体及び一部のいずれからも、特定の観念を生ずることのないものである。

そこで、本願商標と引用商標1とを比較すると、両者は、それぞれ上記のとおりの構成からなるものであるから、外観上、明らかに区別し得るものである。

次に、本願商標から生ずる「デュル」の称呼と、引用商標1から生ずる「デュール」の称呼とを比較すると、両称呼は、前者が2音、後者が3音(長音を含む。)と、いずれも極めて短い音構成からなるものであることに加え、前者が平坦に発音されるのに対し、後者は、語頭音「デュ」が長音を伴うことにより、その母音「u」が強調され、該音自体が他音に比して強く響く音として聴取されるものとなることから、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、語調、語感が少なからず相違したものとなり、互いに聞き誤るおそれはないというのが相当である。

さらに、本願商標からは「乾燥した」の観念が生ずる一方、引用商標1からは特定の観念が生じないから、両者は、観念上、比較することはできない。

したがって、本願商標と引用商標1とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願が商標法第3条第1項柱書の要件を具備せず、また、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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