結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品及び指定役務についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2012−900087(T2012−900087/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第5462782号商標(以下「本件商標」という。)は、「デコメSPとり放題」の文字を標準文字で表してなり、平成23年6月22日に登録出願され、別掲1のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年12月1日に登録査定、平成24年1月13日に設定登録されたものである。
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4728342号商標(以下「引用商標」という。)は、「デコメ」の文字を標準文字で表してなり、平成15年3月24日に登録出願され、別掲2のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年11月21日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標の構成中の「デコメ」の部分が著名登録商標である引用商標を構成する「デコメ」と同一であることから、本件商標は、引用商標と類似する。そして本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは同一又は類似である。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標の構成中に著名商標である引用商標「デコメ」と同一の構成要素からなる「デコメ」が含まれている。そして、本件商標の指定商品及び指定役務である「ダウンロード可能な画像(動画・静止画を含む。)・音楽・音声」「インターネット・携帯電話による通信を用いて行う画像・映像の提供及びこれらに関する情報の提供」等の商品及び役務は、いずれも携帯電話通信をも含めた電子通信を利用してコンテンツを入手するという点でデコメサービスと共通することから、本件商標の指定商品及び指定役務の需要者と引用商標の指定商品又は指定役務の需要者とは一致する。以上により、本件商標は、その指定商品又は指定役務について使用すると、「デコメブランドを想起連想して、当該商品又は役務を申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品又は役務であるかのように誤信し、その出所について混同するおそれがある。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
当審において、商標権者に対して、平成24年8月7日付けで通知した取消理由の要旨は以下のとおりである。
(1)商標の類否について
ア 本件商標の構成について
本件商標は、上述したとおり、「デコメSPとり放題」の文字を標準文字で表してなるところ、(ア)これらの文字は我が国において構成全体として熟語を形成するものとしては知られておらず、また構成全体として特定の意味合いを想起させるものでもないから、これを常に一連一体として把握しなければならない事情は認められないこと、(イ)その構成中の「デコメ」の文字部分が片仮名、「SP」の文字部分が欧文字、「とり放題」の文字部分が平仮名及び漢字でそれぞれ異なった文字の種類で表されていることから、「デコメ」「SP」及び「とり放題」の3つの文字部分から構成されていると認識されやすいものであること、(ウ)これに加えて、「デコメ」の文字部分は既成語ではなく特定の意味を有しない造語と認められること、「SP」の文字部分は既成語ではなく、また、欧文字の2字からなるが、欧文字の2字は商品の品番を表示する記号として広く使用されていること、「とり放題」の文字部分は、「取るがままに任せること。勝手に取ること。」(広辞苑、甲第13号証)の意味を有する既成語であること、そして、「デコメ」の文字部分は「SP」又は「とり放題」の各文字部分と一体に把握しなければならない事情は認められないこと、(エ)構成全体としての称呼「デコメエスピートリホウダイ」は13音構成であって冗長であることから、簡易迅速を尊ぶ取引の場においては、これを「デコメ」と略称される場合も決して少なくなく、その構成中の「デコメ」の文字部分が、他の構成部分から独立して自他商品・役務の識別標識としての機能を果たす部分(いわゆる要部)というのが相当である。
そうすると、本件商標は、構成全体として「デコメエスピートリホウダイ」の称呼を生ずるほか、「デコメ」の構成文字に相応して「デコメ」の称呼をも生ずるものである。また、本件商標からは、観念を生じない。
イ 引用商標の構成について
引用商標は、上述したとおり、「デコメ」の片仮名を標準文字で表してなるところ、該文字は特定の意味を有しない造語と認められるものであるから、その構成文字に相応して「デコメ」の称呼を生じ、観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標の対比
本件商標と引用商標の外観について対比すると、両者は、構成全体では相違するが、本件商標と引用商標とは、外観において近似した印象を与えるものであると認めることができる。
また、本件商標の称呼と引用商標の称呼とは、両者は、「デコメ」の称呼を共通にするものである。
本件商標と引用商標とは、いずれも特段の観念を生じないものであるから観念において対比することができない。
してみれば、本件商標と引用商標は、外観上近似した印象を与えるものであり、「デコメ」の称呼を共通にするものであるから、観念上比較できないものであるとしても互いに相紛らわしい類似の商標である。
(2)指定商品及び指定役務の類否について
本件商標に係る指定商品又は指定役務の内第9類「ダウンロード可能な家庭用テレビゲームおもちゃ用プログラム」、第35類「その他の電気機械器具類(「電気通信機械器具」及び「電子応用機械器具及びその部品」を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,広告,商品の販売に関する情報の提供」及び第41類「インターネット・携帯電話による通信を用いて行う書籍・電子出版物の制作及びこれらに関する情報の提供」以外の以下の商品及び役務は、いずれも引用商標の指定商品又は指定役務と取引者、需要者、販売場所及び用途などを共通にする同一又は類似の商品又は役務である。
ア 第9類「携帯用通信機械器具,携帯電話端末用ストラップ,カーナビゲーション装置及びその部品,その他の電気通信機械器具,携帯情報端末」及び第35類「電気通信機械器具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標に係る第9類「携帯用通信機械器具,携帯電話端末用ストラップ,カーナビゲーション装置及びその部品,その他の電気通信機械器具,携帯情報端末」
イ 第9類「電子計算機端末装置,電子計算機端末による通信を通じてダウンロード可能な電子応用機械器具用コンピュータプログラム,移動体電話による通信を通じてダウンロード可能な移動体電話機用コンピュータプログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品,携帯情報端末」及び第35類「コンピュータネットワークを通じてダウンロードされる携帯電話のデコレーションメール用の文字セット・画像(動画・静止画を含む。)セット及び携帯電話のデコレーションメール用の文字セット・画像(動画・静止画を含む。)セット作動用プログラムの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電子応用機械器具及びその部品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標に係る第9類「電子計算機端末装置,電子計算機端末による通信を通じてダウンロード可能な電子応用機械器具用コンピュータプログラム,移動体電話による通信を通じてダウンロード可能な移動体電話機用コンピュータプログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品,携帯情報端末」
ウ 第9類「携帯用通信機械器具・電話機・携帯情報端末・電子計算機端末装置・カメラその他の写真機械器具・コンピュータプログラムに関する印刷物の文字データ・画像データ等を記録したフロッピーディスク・CD−ROM等の記録媒体,携帯用通信機械器具・電話機・携帯情報端末・電子計算機端末装置・カメラその他の写真機械器具・コンピュータプログラム等の技術に関する印刷物の文字データ・画像データ等を記録したフロッピーディスク・CD−ROM等の記録媒体,ダウンロード可能な電子出版物,ダウンロード可能な画像(動画・静止画を含む。)・音楽・音声」は、引用商標に係る第9類「携帯用通信機械器具・電話機・携帯情報端末・電子計算機端末装置・カメラその他の写真機械器具・コンピュータプログラムに関する印刷物の文字データ・画像データ等を記録したフロッピーディスク・CD−ROM等の記録媒体,携帯用通信機械器具・電話機・携帯情報端末・電子計算機端末装置・カメラその他の写真機械器具・コンピュータプログラム等の技術に関する印刷物の文字データ・画像データ等を記録したフロッピーディスク・CD−ROM等の記録媒体,ダウンロード可能な電子出版物」及び同第41類「電子出版物の提供,電子計算機端末・移動体電話による通信を用いて行う電子出版物の提供」
エ 第9類「カメラその他の写真機械器具」は、引用商標に係る第9類「カメラその他の写真機械器具」
オ 第41類「インターネット・携帯電話による通信を用いて行う電子出版物の提供及びこれに関する情報の提供,インターネット・携帯電話による通信を用いて行う図書及び記録の供覧及びこれらに関する情報の提供」は、引用商標に係る第41類「電子出版物の提供,図書及び記録の供覧に関する情報の提供,電子計算機端末・移動体電話による通信を用いて行う電子出版物の提供」
カ 第41類「インターネット・携帯電話による通信を用いて行う画像・映像の提供及びこれらに関する情報の提供」は、引用商標に係る第41類「電子計算機端末・移動体電話による通信を用いて行う音声・音楽・画像・映像・ゲーム・映画・演芸・演劇の提供及びそれらに関する情報の提供,その他の娯楽情報の提供」
キ 第41類「インターネット・携帯電話による通信を用いて行う音楽の提供及びこれらに関する情報の提供」は、引用商標に係る第41類「電子計算機端末・移動体電話による通信を用いて行う音声・音楽・画像・映像・ゲーム・映画・演芸・演劇の提供及びそれらに関する情報の提供,その他の娯楽情報の提供」
ク 第41類「インターネット・携帯電話による通信を用いて行うゲームの提供及びこれに関する情報の提供」は、引用商標に係る第41類「電子計算機端末・移動体電話による通信を用いて行う音声・音楽・画像・映像・ゲーム・映画・演芸・演劇の提供及びそれらに関する情報の提供,その他の娯楽情報の提供」
(3)小括
したがって、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、上記(2)アないしクの商品及び役務について、商標法第4条第1項第11号に該当する
本件商標について、前記4の取消理由を通知し、相当な期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者は何ら意見を述べるところがない。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記4で述べたとおり、その指定商品及び指定役務中、前記4(2)アないしクの商品及び役務について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
そして、本件商標の指定商品及び指定役務中、上記商品及び役務以外の指定商品及び指定役務については、引用商標の指定商品及び指定役務とは同一又は類似する商品及び役務とはいえないから、同号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号について、
申立人は、引用商標が、絵文字や背景、文字色など様々な装飾をメールに付加できることを内容とするサービスに使用する申立人の著名なサービス名であるとして、甲第3号証、甲第4号証、甲第6号証ないし甲第12号証(枝番を含む。)を提出しているところ、これらの証拠によれば、申立人は上記サービス(役務)について、本件商標の登録出願前から、「デコメール」と称していることは認められるものの、「デコメ」の商標についての証拠は、プレスリリースの日時等を含め、本件登録出願後及び日付のないものであり、これらによって引用商標「デコメ」が本件商標の登録出願時に申立人の業務に係る役務を表すものとして取引者及び需要者の間に広く知られていたものとは認めることができない。また、前記4(2)アないしクの商品及び役務以外の本件商標の指定商品及び指定役務は、引用商標を使用する役務とは関連性が低いものといえるから、本件商標は、上記指定商品及び指定役務について使用しても取引者、需要者は、申立人の使用商標を想起、連想するとはいい難く、それが申立人又は同人と経済的、あるいは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品又は役務であるかのように、その商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれがあるものとは認められない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は、その指定商品及び指定役務中の第9類「携帯用通信機械器具,携帯電話端末用ストラップ,カーナビゲーション装置及びその部品,その他の電気通信機械器具,電子計算機端末装置,電子計算機端末による通信を通じてダウンロード可能な電子応用機械器具用コンピュータプログラム,移動体電話による通信を通じてダウンロード可能な移動体電話機用コンピュータプログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品,携帯情報端末,携帯用通信機械器具・電話機・携帯情報端末・電子計算機端末装置・カメラその他の写真機械器具・コンピュータプログラムに関する印刷物の文字データ・画像データ等を記録したフロッピーディスク・CD−ROM等の記録媒体,携帯用通信機械器具・電話機・携帯情報端末・電子計算機端末装置・カメラその他の写真機械器具・コンピュータプログラム等の技術に関する印刷物の文字データ・画像データ等を記録したフロッピーディスク・CD−ROM等の記録媒体,ダウンロード可能な電子出版物,ダウンロード可能な画像(動画・静止画を含む。)・音楽・音声,カメラその他の写真機械器具」第35類「コンピュータネットワークを通じてダウンロードされる携帯電話のデコレーションメール用の文字セット・画像(動画・静止画を含む。)セット及び携帯電話のデコレーションメール用の文字セット・画像(動画・静止画を含む。)セット作動用プログラムの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,その他の電子応用機械器具及びその部品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気通信機械器具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第41類「インターネット・携帯電話による通信を用いて行う音楽の提供及びこれらに関する情報の提供,インターネット・携帯電話による通信を用いて行う画像・映像の提供及びこれらに関する情報の提供,インターネット・携帯電話による通信を用いて行うゲームの提供及びこれに関する情報の提供,インターネット・携帯電話による通信を用いて行う電子出版物の提供及びこれに関する情報の提供,インターネット・携帯電話による通信を用いて行う図書及び記録の供覧及びこれらに関する情報の提供」については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものといわざるを得ないから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。
また、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品及び指定役務については、商標法第4条第1項第11号及び第15号に違反して登録されたものではなく、取り消すべき理由がないものと認められるから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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