Trademark Appeal Case
略語と一般名称の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2012−900172(T2012−900172/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5479200号商標(以下「本件商標」という。)は、「The SSD Company」の欧文字を標準文字で表してなり、平成23年10月31日(優先権主張 アメリカ合衆国 出願日:2011.09.26)に登録出願、第9類「コンピュータハードウェア,コンピュータソフトウェア,コンピュータ用プリンター,コンピュータワークステーション,拡張ボード,イーサネット用アダプタ,ハードディスクドライブ,フラッシュメモリーカード,コンピュータ用メモリーカード,RAM(ランダムアクセスメモリー)カード,コンピュータ用記憶装置,特定用途向け集積回路,その他の集積回路,電子応用機械器具並びにその部品及び付属品,電気通信機械器具並びにその部品及び付属品,データ通信カード,ダウンロード可能な画像・文字・音声,電子出版物,電源アダプタ,その他の電源装置,配電用又は制御用の機械器具,電池」を指定商品として、同24年2月13日に登録査定、同年3月16日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
2 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性
本件商標の構成文字中の「SSD」の文字は、「Solid State Drive」の略語であって、記憶媒体としてフラッシュメモリを用いたドライブを意味する用語として、半導体及びコンピュータ関連の製品分野で普通に使用され(甲第2号証及び甲第3号証)、また、本件商標の査定時はもとより、その登録出願時前から、半導体及びコンピュータ関係の商品分野の技術情報及び商品情報記事において広く一般に使用されていたものである(甲第4号証ないし甲第14号証)。
そして、本件商標は、その構成文字全体では、「そのSSD製造会社」「そのSSD販売会社」といった意味合いを直感させることが明らかである。
したがって、「The SSD Company」の文字を半導体やコンピュータの分野の商品を多く含む本件商標の指定商品に使用した場合には、当該商品が「SSDの製造会社」又は「SSDの販売会社」によって製造又は販売されたものであるといった品質を表示するものとして認識理解されるに止まり、自他商品識別標識として機能しない。
加えて、SSDの製造業者は、英語で「SSD Company」と一般的に表示されている事実が認められる(甲第17号証及び甲第18号証)。
そうすると、本件商標の構成文字「The SSD Company」は、この「SSD Company」の文字の冒頭に英語の定冠詞の「The」を付したものにすぎず、SSDの製造業者をはじめとする半導体又はコンピュータ関連の商品等を取り扱う者が使用することを必要とし、また使用することを欲する表示といえるものであるから、明らかに独占適応性を欠くものである(甲第19号証)
以上のとおり、本件商標は、その指定商品が「SSDの製造会社」「SSDの販売会社」等によって製造又は販売された商品であるとの品質を表示したものとして認識されるに止まり、自他商品識別標識として機能しないから、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記以外の商品に使用する場合はその品質について誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号にも該当する。
(2)商標法第3条第1項第6号該当性
上記(1)のとおり、本件商標の構成文字は、「そのSSD製造会社」「そのSSD販売会社」といった程度の意味合いを認識させるにすぎないものであって、本件商標は、「SSD」と関連が深い半導体製品、コンピュータ製品、電気通信機械器具等を多く含むものである。
したがって、本件商標は、これをその指定商品に使用しても、当該商品が「SSDの製造会社」等によって流通過程に置かれたものであることを認識させるに止まり、需要者をして何人かの業務に係る商品であることを認識させることができず、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないことが明らかであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号並びに同法第3条第1項第6号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号の規定により、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性
本件商標は、前記1のとおり、「The SSD Company」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「SSD」は、コンピュータ関連商品を含むその指定商品との関係においては、「記憶媒体としてフラッシュメモリを用いるドライブ装置」を意味する「Solid State Drive」の略語(甲第2号証)として認識されるものであって、当該商品は、インターネット上における商品情報記事などで紹介されていることが認められる(甲第4号証ないし甲第14号証)。
また、その構成中「Company」は、「交際、仲間、人の集まり、会社」等(Weblio辞書http://ejje.weblio.jp/content/company)の複数の意味を有する英語である。
そうすると、本件商標は、上記意味を有する「SSD」「Company」の文字に、定冠詞「The」を冠してなる構成全体からは、「そのSSD仲間」「そのSSD会社」程の意味合いを看取させるとしても、登録異議申立人(以下「申立人」という。)が主張するように、「そのSSD製造会社」「そのSSD販売会社」といった意味合いを直感させるとまではいえず、また、本件商標をその指定商品に使用した場合には、当該商品が「SSDの製造会社」又は「SSDの販売会社」によって製造又は販売されたものであるといった品質を表示するものとして認識、理解されるともいえない。
加えて、申立人は、SSDの製造業者は、英語で「SSD Company」と一般的に表示されている事実が認められると主張して、甲第17号証及び甲第18号証を提出しているが、これらは、英語によるインターネットの記事における当該文字の使用事例であって、我が国における事例ではないから、申立人の主張は採用の限りでない。
さらに、職権より調査するも、本件商標の登録査定時に「The SSD Company」の文字が、我が国において、本件商標の指定商品について、「SSDの製造会社」又は「SSDの販売会社」によって製造又は販売されたものであるといった品質を表示するものとして広く一般に使用されている事実も発見できなかった。
してみれば、本件商標は、これをその指定商品に使用しても、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものとはいえず、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものであり、かつ、いずれの指定商品に使用しても商品の品質の誤認を生ずるおそれもないものである。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものではない。
(2)商標法第3条第1項第6号該当性について
本件商標は、申立人が主張するように、「そのSSD製造会社」「そのSSD販売会社」といった程度の意味合いを認識させるものとはいえないこと、上記(1)のとおりであって、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たすものであるから、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識できない商標とはいえないものである。
したがって、本件商標はの商標法第3条第1項第6号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号並びに同法第3条第1項第6号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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