Trademark Appeal Case
不正目的登録
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2011−900357(T2011−900357/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5423266号商標(以下「本件商標」という。)は、「シオーラ」の文字を標準文字で表してなり、平成23年1月19日に登録出願、第5類「医療用腕環」及び第10類「シート状の医療用機械器具」を指定商品として、同年5月25日に登録査定、同年7月1日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第8号、同第19号及び同第7号に該当し、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出し、さらに、審尋に対する平成24年6月9日付け回答書において甲第7号証ないし甲第9号証を提出した。
(1)申立人が使用する商標について
申立人は、「CieAura」の文字を含む別掲1の商標(以下「申立人商標」という。)を平成21年5月から米国において商品「エネジー・リストバンド(医療用腕環)」及び「ホログラフィック・チップ(シート状の医療用機械器具)」に使用しておりスポーツ愛好者を中心とする需要者の間に広く認識されている。
また、同商品は、平成22年から米国の通信販売業者を通して、我が国にも輸入されている。
(2)商標法第4条第1項第8号について
本件商標の構成文字「シオーラ」は、申立人である米国法人「CieAura, LLC LIMITED LIABILITY COMPANY(シオーラ エルエルシー リミッティド ライアビリティー カンパニー)」の名称である。
さらに、商標権者は本件商標の出願時及び査定時に申立人の承諾を得ていない。
よって、本件商標は、他人の名称をその承諾を得ることなく含む商標であるため、商標法第4条第1項第8号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第19号について
ア 申立人は、平成21年5月から米国において、申立人商標を医療用腕環であるエネジー・リストバンド及びシート状の医療用機械器具であるホログラム印刷シール製品に使用しており、遅くとも平成22年初頭には、同商標は申立人が前記商品に使用する商標として、米国のスポーツ愛好者を中心とする需要者の間に広く認識されている。
申立人は、平成22年から、北米のほかに、シンガポール、フィリピン、スロベニア、メキシコ、中央アメリカに流通センターを設置し、インターネットを利用して申立人商標を付した前記商品を各国で販売しており、同商品は我が国の需要者のもとにも通信販売業者を通して、平成22年度中ごろから届けられている。
一方、本件商標は、片仮名「シオーラ」からなり、指定商品は第5類「医療用腕環」及び第10類「シート状の医療用機械器具」であって、申立人の業務にかかる商品と同一である。
また、商標権者は、本件商標を平成23年1月19日に出願し、4ヶ月後の同年5月27日には欧文字「CieAura」からなる商標を本件商標の指定商品を含む商品を指定して出願している。
イ 以上の事実により、商標権者は本件商標の出願時において、申立人の名称であり、また申立人の業務に係る商品を表すものとして米国の需要者に周知されている商標「CieAura」の独占的権利化を意図し、申立人による日本市場進出から不正の利益を得ること、又は申立人の日本市場進出を不当に妨害する目的を有していたことは明白である。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第7号について
上記(2)で述べたように、本件商標は、商標権者が申立人の承諾を得ずに申立人の名称を含んだ商標を出願した結果、登録されたものである。このような商標権者の行動は他人である申立人の人格権を無視するものであり、公の秩序又は善良の風俗を害するものである。
また、上記(3)で述べたように、本件商標は、申立人の日本進出を妨害することによって利益を図る目的をもって出願した結果、登録されたものであることが明白である。このような商標権者の行動は、公の秩序又は善良の風俗を害するものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1号第7号に該当する。
3 本件商標の取消理由
商標権者に対して、平成24年8月8日付けで通知した本件商標の取消理由は、別掲2のとおりである。
4 商標権者の意見
商標権者は、上記3の取消理由に対して、指定した期間を経過するも何ら意見を述べていない。
5 当審の判断
本件商標は、上記3の取消理由のとおり、申立人商標及びそれを使用した医療用機械器具の存在を知ったうえで、当該商標が日本において出願・登録されていないことを奇貨として、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的などの不正の目的をもって登録出願されたものであって、その登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合に該当し、公の秩序又は善良の風俗に反するものといわざるを得ない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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