Trademark Appeal Case
著名商標TWEETの類否判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2012−900210(T2012−900210/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5487808号商標(以下「本件商標」という。)は、「TWEETQUBE」の欧文字と「ツイートキューブ」の片仮名を二段に横書きした構成よりなり、平成23年11月1日に登録出願され、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,インターネット・携帯電話による通信を用いて行う動画の提供,映画の上映・制作又は配給,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),インターネット・携帯電話による通信を用いて行うゲームの提供,娯楽施設の提供」、第42類「デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与,電子計算機端末による通信におけるインターネットサーバーの記憶領域の貸与,電子計算機端末による通信ネットワークに接続可能なサーバーに搭載される電子計算機用プログラムの提供,電子計算機端末による通信ネットワークに接続可能なサーバーに搭載できる電子計算機用プログラムの提供及びこれに関する情報の提供,電子計算機用プログラムの提供」及び第45類「インターネットの電子掲示板を用いたプロフィール・日記等の個人に関する情報の提供,インターネット上でのウェブサイトを通じた一般利用者向けの友達探し及び紹介のための情報の提供,インターネットによる地図情報の提供,電子メールによる地図情報の提供,その他の地図情報の提供,ファッション情報の提供,新聞記事情報の提供,結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供及びこれに関する情報の提供,個人の身元又は行動に関する調査,占い,身の上相談」を指定役務として、平成24年3月14日に登録査定され、同年4月20日に設定登録がされたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
ア 登録第5188811号商標(以下「引用商標1」という。)
商標 「TWITTER」(標準文字)
指定役務 第38類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
出願日 平成19年10月26日(優先権主張 アメリカ合衆国 2007年4月26日商標登録出願)
登録日 平成20年12月12日
イ 登録第5327291号商標(以下「引用商標2」という。)
商標 「TWEET」(標準文字)
指定役務 第38類、第41類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
出願日 平成21年6月11日(優先権主張 アメリカ合衆国 2009年4月16日商標登録出願)
登録日 平成22年6月4日
ウ 登録第5332541号商標(以下「引用商標3」という。)
商標 「ツイート」(標準文字)
指定役務 第38類、第41類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
出願日 平成21年7月16日
登録日 平成22年6月25日
エ 登録第5278420号商標(以下「引用商標4」という。)
商標 「ついったー」(標準文字)
指定役務 第38類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
出願日 平成21年6月9日
登録日 平成21年11月6日
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、欧文字「TWEETQUBE」を上段に、片仮名「ツイートキューブ」を下段に表してなるものであり、申立人の引用する登録商標「TWEET」(引用商標2)及び「ツイート」(引用商標3)を含むものである。
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が「Twitter」及びその関連名称で運営するソーシャルネットワーキングサービス(SNS)は、本件商標の登録出願時及び登録時のいずれの時点においても、日本国内において著名となっている。申立人のSNS利用者において、「TWEET」、「ツイート」、「ツイッター」なる語は、「Twitter」とともに著名性を有しているものである。したがって、本件商標において識別性を生じる部分は、申立人の著名な名称及び登録商標である「TWEET」及び「ツイート」の部分にある。
よって、本件商標は、外観、称呼、観念のいずれの点からみても引用商標2及び3と類似の商標であるので、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、米国カリフォルニア州に本拠をおく会社であり、平成18年(2006年)3月からインターネット上でSNSとして「リアルタイム・ショートメッセージサービス」と呼ばれるサービスをウェブサイト「Twitter」を介して提供し、日本では、同年7月16日から前記サービスを開始した(甲6、甲8)。
また、「TWEET」及び「ツイート」は、遅くとも2009年7月28日には使用され、2010年8月13日からは、「ツイート」ボタンがリリースされている(甲23、甲24、ほか)。
申立人の提供するミニブログ、コミュニティサイトの提供、SNSは、本件商標の登録出願時及び登録時のいずれの時点においても日本国内において広く認識されており、申立人が提供する著名なサービスで使用する商標、「TWEET」、「ツイート」、「TWITTER」、「ついったー」、「つぶやく」も著名性を有していたものである(甲16ないし甲25)。
したがって、本件商標は、申立人が提供する上記サービスで提供されている「TWEET」(引用商標2)及び「ツイート」(引用商標3)を容易に想起させるものであるので、本件商標がその指定役務に使用された場合、申立人の提供に係る役務と出所の混同を生じさせるおそれがある。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 当審の判断
(1)申立人の使用する商標の著名性について
申立人の提出する甲第6号証ないし甲第25号証によれば、以下の事実が認められる。
ア 申立人(Twitter,Inc.)は、米国カリフォルニア州に本拠をおく会社であり、平成18年(2006年)3月からインターネット上でリアルタイム・ショートメッセージサービス(以下「申立人役務」という。)をウェブサイト「Twitter」(ついったー、ツイッター)を介して提供している会社である(甲6)。申立人の「Twitter」は、ブログと電子メールの中間的な位置づけのコミュニケーションツールであり、140字以内の短文のみに対応する点を特徴とするものである(甲7、甲9)。
「Twitter」は、雑誌や、新聞、TV等で頻繁に取り上げられ(甲10ないし甲22)、2009年ころから我が国においても利用者が増え、富士通総研により2010年1月18〜20日に行われたアンケート調査では、「Twitter」の認知は70.2%であり、利用者の率は8.2%である(甲9)。なお、ニールセン調査では、2010年12月度の利用人数は、1290万人である(甲8の2)。
イ 「Twitter」は、前記のとおり、140字以内の短文を投稿することができるものであり、「Tweet」、「ツイート」及び「つぶやき」は、「Twitterへの投稿を行うこと、あるいはその内容」(甲10)を意味するものとして使用され(甲7、甲10、甲22ないし甲25)、投稿することを「つぶやく」(甲10ほか)、「ツイートする」(甲15)などのように表現されている。
また、「Twitter」でのリンク共有を簡単にすることができる「ツイート」ボタンが各種のウェブサイトに導入されている(甲24)。
エ 以上によれば、「Twitter」(ついったー、ツイッター)は、申立人の業務に係る申立人役務を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているものと認めることができるものの、「Tweet」、「ツイート」及び「つぶやき」は、申立人役務を利用する者を中心に知られているということができるとしても、申立人役務において、申立人役務(Twitter)での投稿(内容)、若しくは投稿することを表す、一種の機能的動作等を表す語として使用されているものであり、また、その動作を示す場合に「つぶやく」「ツイートする」のように使用されていることからすると、「Tweet」及び「ツイート」が、本件商標の出願時において、申立人の業務に係る申立人役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものとは認めることができない。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、前記1のとおり、「TWEETQUBE」の欧文字と「ツイートキューブ」の片仮名を二段に書してなるものであるところ、上記欧文字部分及び片仮名部分は、いずれも同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔にまとまりよく表してなるものであり、これより生じる「ツイートキューブ」の称呼もよどみなく称呼し得るものである。そうとすると、本件商標は、その構成上、各段のそれぞれの文字全体が一体のものとして把握されると理解するのが自然であり、「ツイートキューブ」の称呼のみを生じ、格別の観念を生じないものと認められる。
イ 引用商標2及び3について
引用商標2及び3は、「TWEET」又は「ツイート」の文字からなるものであり、「TWEET(ツイート)」は、「(小鳥が)チッチッと鳴く.さえずり(声).」(株式会社研究社発行 新英和中辞典第6版)を意味するものであるから、「ツイート」の称呼を生じ上記意味合いの観念を生じるものである。
ウ 本件商標と引用商標2及び3の類否
本件商標は、上記のとおり、上段及び下段の各文字が、それぞれ構成全体をもって、一体的に認識されるものであり、その各段の文字がそれぞれ「QUBE」、「キューブ」の文字を有してなる点において、引用商標2及び3とは、明らかな差異を有するものであるから、外観において類似しない。
また、本件商標から生ずる「ツイートキューブ」と引用商標2及び3から生ずる「ツイート」の称呼とは、「キューブ」の音の有無により、相紛れるおそれはない。
さらに、本件商標は、格別の観念を生じないものであるから、引用商標2及び3とは、観念上比較できない。
してみれば、本件商標は、引用商標2及び3とは、いずれもその外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標と認められる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標2及び3は、前記認定のとおり、本件商標とは類似しない、別異の商標であり、「Tweet」及び「ツイート」が本件商標の出願時において、申立人の業務に係る申立人役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものとは認めることはできないものである。
そうとすると、商標権者が本件商標をその指定役務に使用した場合に、これに接する需要者をして、申立人又は引用商標2及び3を想起させるものとは認められず、本件商標は、当該役務を申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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