Trademark Appeal Case
品質表示語の要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2012−900225(T2012−900225/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5491888号商標(以下「本件商標」という。)は、「粋」の漢字を標準文字で表してなり、平成22年12月16日に登録出願、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同24年3月15日に登録査定、同年5月11日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録第1652530号商標は、別掲のとおりの構成からなり、昭和52年3月31日に登録出願、第28類「焼酎」を指定商品として、同59年1月26日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、指定商品については、平成16年1月7日に第33類「焼酎」に書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由の要旨
本件商標は、「粋」の文字に照応して、「スイ」又は「イキ」の称呼と「粋」の観念を生ずる。
これに対し、引用商標は、その構成中、独立して看取される「粋」の文字から「スイ」又は「イキ」の称呼と「粋」の観念を生ずる。
してみれば、両商標は、「スイ」又は「イキ」の称呼及び「粋」の観念を共通にする類似の商標であり、かつ、その指定商品も互いに抵触する。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は、「粋」の漢字1文字を標準文字で表してなるところ、該文字に相応して、「スイ」又は「イキ」の称呼を生じ、「粋」の観念を生ずるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲のとおり、上段に「宝 焼 酎」の文字を、下段中央に「粋」の文字を書してなるところ、その構成中、上段の「宝 焼 酎」の文字部分は、焼酎を取り扱う業界において、申立人の業務に係る商品「焼酎」の出所を表示する商標として相当程度広く知られているものである。
また、その構成中の「粋」の文字部分は、これを「いき」と読んだときは、「気持や身なりのさっぱりとあかぬけしていて、しかも色気をもっていること。」又は「人情の表裏に通じ、特に遊里・遊興に関して精通していること。」等の意味を有し、これを「すい」と読んだときは、「すぐれたもの。人情に通じ、ものわかりのよいこと。」等の意味を有する語である(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)。
そして、引用商標中の「粋」の文字部分は、その指定商品「焼酎」について、以下のアないしエのように使用され、例えば、「さっぱりとあかぬけしている」という程の意味合いを看取させる品質表示語的なものとして理解される類の語であるから、その指定商品「焼酎」についての商品の出所識別標識としての機能は、それほど強いものとは認められないものである。
ア 「麦焼酎・・・この旨みこそ『麦の粋を知り尽くした』八鹿の誇りです。価格1,900円(税込1,995円)送料別」
(http://item.rakuten.co.jp/sakashodouraku/10000095/)
イ 「中々粋な黒糖焼酎 有泉25°1800ml【鹿児島県産・有村酒造】」
(http://item.rakuten.co.jp/auc-yumeikan/113/)
ウ 「【麦焼酎発祥の地★壱岐の粋な焼酎ッ!】・・・価格2,793円(税込)送料別」
(http://item.rakuten.co.jp/shudoujyuku-kanzakeya/10001096/)
エ 「竹炭焼酎 麦焼酎 粋な倅 たくみ 720ml」
(http://nishikori.jp/item/722/)
してみれば、引用商標は、その構成中「粋」の文字部分を分離・抽出し、他の商標と比較すべきものではないというべきである。
そうとすると、引用商標は、その構成全体から「タカラショーチュースイ」又は「タカラショーチューイキ」の称呼を生ずるとともに、「宝 焼 酎」の文字部分から、「タカラショーチュー」の称呼及び「申立人の商標としての宝焼酎」の観念をも生ずるものである。
(3)両商標の類否について
両商標の外観を比較すると、両者は、「宝 焼 酎」の文字の有無において顕著な差異を有するから、時と所を異にして観察しても十分区別することができ、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標である。
本件商標から生ずる「スイ」又は「イキ」の称呼と引用商標から生ずる「タカラショーチュースイ」、「タカラショーチューイキ」又は「タカラショーチュー」の称呼を比較すると、両者は、その構成音数及び音構成において顕著な差異を有するから、時と所を異にして観察しても十分聴別することができ、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標である。
本件商標から生ずる「粋」の観念と引用商標から生ずる「申立人の商標としての宝焼酎」の観念を比較すると、両者は、観念上において、別異のものであるから、時と所を異にして観察しても十分区別することができ、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標である。
してみれば、本件商標は、引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても類似するものではなく、非類似の商標というべきものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しないものである。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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