Trademark Appeal Case
品質表示と識別力の欠如
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2012−7866(T2012−7866/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「パネルタックテープ」の文字を標準文字で表してなり、第17類「両面粘着テープ(文房具類及び家庭用及び医療用のものを除く),文房具以外の粘着テープ(医療用のもの及び家庭用のものを除く。),文房具以外の接着テープ(医療用のもの及び家庭用のものを除く。)」及び第19類「建築用両面テープ,建築用粘着テープ」を指定商品として、平成23年6月1日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、『パネルタックテープ』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中『パネル』の文字は、『壁。鏡板。羽目板。』の意味を有する外来語として広く親しまれており、『タック』の文字は、本願指定商品との関係において『(ガムテープなどの)粘着性。』の意味を有する語である。また、市場において、『パネルの接着に使用する粘着性を有するテープ』を『パネルテープ』と、『粘着性を有するテープ』を『タックテープ』と、それぞれ一般に称している実情があることを勘案すると、本願商標は、その構成文字より、「壁・鏡板・羽目板用の粘着テープ」程の意味合いを容易に認識させるものであり、これを本願指定商品に使用するときは、需要者は、商品の品質を表示したものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識とは認識しないと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について
本願商標は、「パネルタックテープ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「パネル」の文字は、「鏡板。羽目板。」等の意味を有し、「タック」の文字は、本願指定商品との関係において、「粘着剤の主要性質の一つで、軽い力で短時間に被着体に粘着する力」(JIS工業用語大辞典【第5版】:財団法人日本規格協会発行)等の意味を有する語であり、「テープ」の文字は、本願指定商品との関係において、「粘着テープ」、「接着テープ」等を指称するものと認められるものであるから、これよりは、全体として「羽目板等、パネル状の商品に使用する、軽い力で短時間に粘着する力を有する粘着テープ」程の意味合いを有するものとして、取引者、需要者に認識されるものとみるのが相当である。
また、原審の拒絶理由通知及び拒絶査定において示したインターネット情報に加えて、当審における職権調査によれば、「パネル用」であることを謳った「粘着テープ」が市場に流通していることが、別掲1よりうかがえるものである。
さらに、原審の拒絶理由通知及び拒絶査定において示したインターネット情報に加えて、当審における職権調査によれば、「タック」の語は、「粘着テープ・粘着シート用語」であり、「粘着テープ」の特長を表す語として、「強タック」、「高初期タック」、「高タック」であることを謳った商品が販売されていること、また、「タックテープ」の文字を付した「粘着テープ」が少なからず販売されていることが、別掲2よりうかがえるものである。
加えて、「最新紙加工便覧」(テックタイムス:1988年8月発行)においても、「3.接着剤」の見出しの下、「3.4.2 ブロックゴム系ホットメルト」の項において、「(4)用途 タックラベル,タックテープなど。」の記載がある(537頁)。
してみれば、本願商標をその指定商品について使用しても、上記意味合いからして、「パネル状の商品に使用する、軽い力で短時間に粘着する力を有する粘着テープ」であることを理解、認識させるものであって、その商品の品質、用途を表示してなるにすぎないものであるから、自他商品の識別標識としての機能を有しないものであり、かつ、前記商品以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の「テープ」について使用するときは、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は、商品の特定の品質等を表すものであると理解されることのない商標であり、十分に自他商品識別力を有するものである旨主張する。
しかしながら、本願商標は、前述のとおり、全体として「パネル状の商品に使用する、軽い力で短時間に粘着する力を有する粘着テープ」程の意味合いを生じる文字を記述的に表したものと認められるものであるから、特定の品質等を理解することのできない商標を表しているとはいえない。
イ 請求人は、「パネルタックテープ」の語が、本願出願人以外に広く一般に使用されている事実は存在しない旨主張する。
しかしながら、当該商標が商品の品質を表すものであるか否かの判断に当たっては、その語の意味合い及び指定商品を取り扱う業界における取引の実情等よりみて、その語を当該商品に表示した場合における、取引者、需要者の理解、認識の度合いをもって、その語が品質を表示するものであるか否かを判断すべきものである。
してみれば、たとえ、実際の商取引において「パネルタックテープ」の語が一般に使用されていないとしても、原審及び当審において示した使用事実によれば、市場において、「パネル用」であることを謳った「粘着テープ」が流通しており、また、「タック」の語が商品の特長として用いられ、「タックテープ」の文字を付した「粘着テープ」が少なからず販売されている実情が認められることからすると、本願商標に接する取引者、需要者は、これが「パネル状の商品に使用する、軽い力で短時間に粘着する力を有する粘着テープ」であることを認識するものといい得るものであるから、請求人の上記主張は採用することができない。
ウ 請求人は、審決例を挙示して、本願商標もこれと同様に判断されて然るべきものである旨主張する。
しかしながら、それらの審決例は、商標の構成や指定商品において本願商標とは事案を異にするものであり、しかも、登録出願に係る商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるかどうかの判断は、当該商標の構成態様に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであるから、その審決例に拘束されるべき理由はない。
よって、上記請求人の主張は、採用することができない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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