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Trademark Appeal Case

要部抽出と称呼観念の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2011−7461(T2011−7461/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣装,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品とし、平成18年2月21日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、次のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第4751422号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成6年9月21日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着」を指定商品として、同16年2月27日に設定登録されたものである。

(2)登録第4751423号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲3のとおりの構成よりなり、平成6年9月21日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着」を指定商品として、同16年2月27日に設定登録されたものである。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、別掲1のとおり、「Indian」の欧文字を特徴のある書体で表してなるところ、「Indian」の文字は、「インディアン(アメリカの先住民)」等を意味するものであって、その構成文字に相応して「インディアン」の称呼及び「インディアン(アメリカの先住民)」の観念を生ずるものである。

(2)引用商標1について

引用商標1は、別掲2のとおり、羽根飾りを冠した右向きのインディアンの図形及び該図形中に「Indian」の欧文字を白抜きで特徴のある書体で表してなる部分(以下「引用1ヘッドドレスロゴ」という。)と、さらにその下部に「MOTOCYCLE」の欧文字を表した構成よりなるものである。

そして、「引用1ヘッドドレスロゴ」と下段の「MOTOCYCLE」の文字とは、その構成から視覚上、明確に分離して看取されるものであり、また、これらを常に一体不可分のものとして認識しなければならない格別の事情も見当たらない。

さらに、インディアンの図形及び「Indian」の文字は、いずれも「インディアン(アメリカの先住民)」の観念を生ずることからすれば、引用商標1に接した取引者、需要者は、一般によく知られているインディアン(アメリカの先住民)を表した商標という強い印象を受けるものというべきである。

してみれば、「引用1ヘッドドレスロゴ」は、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものというのが相当であって、引用商標1からは、「インディアン」の称呼を生ずるものであり、また、「インディアン(アメリカの先住民)」の観念を生ずるものといわなければならない。

(3)引用商標2について

引用商標2は、別掲3のとおり、黒塗りの円形図形を背景として、その内側中央に、頭部の羽根飾りを前方に突き出させた左向きのインディアンの図形(以下「引用2インディアン図形」という。)を配し、該図形の外側に配した白抜きの三重の円弧図形外周に沿って、「WORLDS FINEST MOTORCYCLE」の欧文字を表し、その下方に、黒塗りの長方形図形を背景として、「Indian」の欧文字を特徴のある書体で表し、さらに、その下に白抜きで「MOTOCYCLE」の欧文字を配した構成からなるものである。

そして、その構成において「Indian」の文宇と「MOTOCYCLE」の文字とは、常に一体不可分のものとして認識しなければならない格別の事情も見当たらない。

また、引用商標2中、特徴ある書体の「Indian」の文字は、「MOTOCYCLE」の文字と比して、その書体が大きく異なること、また、文字の大きさも「Indian」の方がかなり大きいこと、さらに、「Indian」の文字は、その上部にあって、共に看者の注意を引く「引用2インディアン図形」とは、「インディアン(アメリカの先住民)」の観念を共通にするものであって、引用商標2に接した取引者、需要者は、一般によく知られているインディアン(アメリカの先住民)を表した商標という強い印象を受けるものというべきである。

そうすると、引用商標2中の「Indian」の文字部分も独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものとみるのが相当であるから、該文字部分に相応して「インディアン」の称呼を生ずるものであり、また、「インディアン(アメリカの先住民)」の観念を生ずるものといわなければならない。

(4)本願商標と引用各商標との類否について

本願商標と引用各商標との類否について検討するに、前記のとおり、外観において、両者は、その構成中の欧文字「Indian」の文字部分について、ともに共通の特徴のある書体で表された態様であって、看者に強く印象を与える文字部分を共通にするものであるから、外観上近似性を有するものである。

また、称呼において、両者は、ともに「インディアン」の称呼を生ずるものであるから、その称呼を共通にするものである。

そして、観念において、両者は、ともに「インディアン(アメリカの先住民)」の観念を生ずるものであるから、その観念を共通にするものである。

さらに、本願商標の指定商品と引用各商標の指定商品とは、同一又は類似の商品と認められるものである。

してみれば、本願商標と引用各商標とは、外観上の図形の有無という差異を考慮したとしても、特徴のある書体の欧文字「Indian」の文字部分において共通するといえるほどの近似性を有するものであり、また、称呼及び観念を共通にするものであるから、互いに相紛らわしい類似の商標というのが相当である。

(5)請求人の主張について

ア 請求人は、本願商標は、請求人が衣類等の商品に使用する商標として需要者間に周知であること、また、「Indian Motocycle」「インディアンモトサイクル」は、請求人の略称として需要者間に周知であることなどを縷々主張する。

しかしながら、請求人の提出に係る証拠(甲1ないし甲400)は、ほとんどが雑誌等の記事や広告であり、その中には本願商標の記載のないものや不明瞭なもの又は本願の指定商品と関係のないものも含まれていること、さらに、本願商標を付した商品の販売数量、売上高、市場占有率、広告費等が明らかではないことから、本願商標が、その指定商品「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣装,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」について、請求人の商標あるいは略称として周知であると認めることはできない。

イ 請求人は、引用各商標は、請求人の企業努力の成果を収奪し、業務を妨害する意図に基づいて登録を得たものであること、引用各商標に係る商標権者の行為は、本願商標等のIndian商標の周知性・顧客吸引力に只乗りする便乗商法であって、請求人の事業を妨害するものであり、健全な商標秩序を尊重し正当に商標を使用する意思がないこと、当該商標権者の反社会的な行為は当然のことながら禁圧しなければならないことなどを縷々主張する。

また、請求人は、日本市場における正当な「Indian」商標の出所であることを主張する。

さらに、請求人は、永年の企業努力で築き上げた「Indian」ブランドに傷がつくことは、請求人にとって死活問題である旨主張する。

しかしながら、請求人の主張は、提出された全証拠を徴するに、明確に裏付けることはできない。

すなわち、提出された証拠からは、請求人が、本来的な本願商標の所有者であった米国にかつて存在したオートバイメーカーである「Indian Motocycle Company,Inc」(以下「旧インディアン社」という。)と法的に何ら連続性があるものとは認められず、正当な関係や関連のない第三者というべきものである。

そうすると、その意味において同様に第三者である引用各商標に係る商標権者が、旧インディアン社の「Indian」商標に類似する商標を採択、使用し、出願登録する行為を、反社会的な商法であるなどと論難することはできない。

また、旧インディアン社と何ら関係のない請求人が、旧インディアン社の商標に基づく表示を採択し、旧インディアン社の復活を標榜した宣伝広告をなしたとしても、請求人を出所とする請求人の商標又は略称として周知性や顧客吸引力を獲得するものではない。

さらに、引用各商標に係る商標権者が、引用各商標をはじめとする「Indian」商標を出願登録したことにより、請求人の業務が支障を来すとしても、それは、請求人が、旧インディアン社と何ら関係がないにも関わらず、あえて旧インディアン社の復活をいうなどして旧インディアン社に依拠したビジネス展開を行ったことが招いた当然の結果であるといわざるを得ないものであって、引用各商標に係る商標権者の行為は、自由競争の範囲内のものであるから、請求人のビジネス展開を妨害するものということはできない。

ウ 請求人は、「本願商標を付した商品や引用各商標を付した商品に接した需要者、取引者は、等しく請求人を出所として認識するものであり、引用各商標の商標権者を出所として認識することはないから、引用各商標の出所表示機能は害されることはなく、本願商標と引用各商標は非類似であり、本願商標を商標法4条第1項第11号の規定により拒絶すべき理由は一切存しない。そして、その理由については、引用各商標に係る商標権者が請求人の企業努力の成果を違法に収奪し、業務を妨害する目的で出願したものであるから当然である。」旨主張する。

しかしながら、商標法第4条第1項第11号は、他人の先願に係る登録商標と同一又は類似の商標であって、その登録商標に係る指定商品又は指定役務と同一又は類似の商品又は役務について使用をする商標は登録を受けることができない旨定めているのであるから、上記(4)のとおり、本願商標が引用各商標に類似するものであり、その指定商品も同一又は類似するものである以上、同条項により、後願である本願商標については、商標登録の余地がないというべきである。

また、請求人の主張の理由である、引用各商標に係る商標権者の登録出願の目的については、上記イのとおり、請求人主張のような企業努力の成果を違法に収奪し、業務を妨害する目的と認めることはできず、その他、請求人の主張を裏付けるに足りる証拠はない。

エ また、請求人は、引用各商標に係る商標権者は、商標の冒認出願登録を行い、正規のライセンスビジネスを妨害している、すなわち、日本において、日本に上陸が予想される商標と類似する商標を片仮名でまず登録出願し、その後、欧文字で該商標と同一又は類似する商標を多数登録出願するものであり、引用各商標に係る商標権者が出願、登録した商標の中には、「ベアーサーフボード」及び「BEAR SURF BOARDS+図形」やその他の商標について、国際信義に反し公序良俗に反すると解すべき商標を多数出願登録している、と主張する。

しかしながら、たとえ上記の点を指摘したとしても、前記イのとおり、請求人が、旧インディアン社と何ら関係がないのにあえて旧インディアン社に依拠したビジネス展開を行ったことに変わりはなく、請求人のビジネス展開を引用各商標に係る商標権者が妨害したものということはできないという前記イの判断が左右されるものではないから、請求人の上記主張は失当である。

よって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。

なお、請求人は、「インディアンモーターサイクル」の片仮名を書してなる登録第2634277号商標について、商標登録無効審判請求を行ったので、本件の審理の猶予を申し出ている。

しかしながら、当該商標は、本願商標を拒絶するために引用した登録商標ではない。また、当該商標については、その登録の無効が争われ、請求人(請求人)の請求が棄却された事件(無効2005−89065号(平成19年(行ケ)第10388号))が確定し、その商標権は現に有効に存続しているものである。

さらに、当該商標については、上記のほか、平成6年審判第13787号及び無効2003−35031号(平成16年(行ケ)第108号)において、その登録の無効が争われたが、いずれも、請求人の主張が認められていないという事情も存する。

以上からすれば、本件の審理を猶予する合理的な理由は認められないことから、審理を進めたものである。

(6)むすび

以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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