Trademark Appeal Case
T-RAYの記述的商標性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−650068(T2009−650068/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「T−RAY」の欧文字を横書きしてなり、第9類「Instrumentation for imaging and spectroscopy applications,namely radiation transmitters and receivers.」を指定商品として、2007年2月20日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年(平成19年)8月20日に国際商標登録出願されたものである。
なお、原審において、平成20年8月21日付けで手続補正書が提出されたが、当該補正については、同22年3月12日付けをもって、日本国を指定する国際登録において指定された商品の要旨を変更するとの理由により補正却下の決定がなされ、当該決定は、既に確定している。
2 原査定における拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は『T−RAY』の文字を横書きしてなるところ、『T−RAY』は”terahertz radiation(テラヘルツ放射線)”の略語であり、X線の代わりに不透明な対象物内部を検出するために用いられる電磁放射線を意味する。したがって、本願商標は全体として、テラヘルツ周波数で送信されるテラヘルツ放射線に関連する商品を意味し、これを本願指定商品に使用するときは、単に上記商品の品質を表すものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号の該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「T−RAY」の文字よりなるところ、該文字とつづり字を同じくする「T−Ray」が、「terahertz radiation(テラヘルツ放射,テラヘルツ電磁波)」の同義語(異表記)であることが、「weblio辞書」のサイト中、「JST科学技術用語日英対訳辞書」及び「ライフサイエンス辞書」(http://ejje.weblio.jp/content/terahertz+radiation)の記載から、認められる。
そして、「T−RAY(T−Ray)」の文字、及び、該語を意味する「テラヘルツ電磁波」等の文字は、「X線に代わって不透明な物体の中を調べる手段に使うことができる電磁波」を表す語として、本願指定商品を取り扱う業界において一般に使用され、また、「テラヘルツ電磁波を用いた非破壊検査装置」等様々な用途の商品が開発、販売されていることが、別掲のインターネット情報及び新聞記事情報から裏付けられるところである。
そうすると、本願商標は、本願指定商品との関係において、その取引者、需要者が「テラヘルツ電磁波の発信機及び受信機」を表示したもの、すなわち商品の品質を表すものであると理解するにとどまるというべきであり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものと認められる。
(2)請求人の主張(要旨)について
請求人は、本願商標は、アメリカ合衆国及びカナダ国において登録され、国際的に使用されており、また、我が国においても、インターオプトに出展される等の使用がされているから、我が国の需要者にとって、請求人製品の出所を表す商標として、十分に自他商品識別標識として機能する旨主張する。
しかしながら、登録出願された商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かは、その商標が使用される商品等の取引の実情を考慮し、需要者がどのように認識するかにより個別具体的に判断すべきであり、諸外国で登録され、使用されている等の事例によりこれが左右されるものではない。
また、我が国においては、前記(1)で認定したとおり、インターネット情報及び新聞記事情報から、本願指定商品を取り扱う業界において、「テラヘルツ波」、「テラヘルツ電磁波」等を表す表示として、「T−Ray」の語が一般に使用されている事実が見受けられることからすれば、本願商標は、上記したとおり、品質表示として理解されるものであって、かつ、本願商標をその指定商品について、請求人に独占的に使用させることが適当ではないと認定し得るものである。
したがって、請求人の主張は採用することができない。
その他の請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。
(3)まとめ
以上によれば、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するものとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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