Trademark Appeal Case
要部「FOREVER」の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2012−900205(T2012−900205/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5486274号商標(以下「本件商標」という。)は、「FOREVER10」の欧文字及び数字を表してなり、平成23年8月31日に登録出願、第14類「身飾品,宝玉及びその模造品並びに宝玉の原石」及び第35類「宝玉及びその模造品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務として、同24年1月17日に登録査定、同年4月13日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は商標法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号及び同第19号に該当するとして引用する各登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5263547号商標(以下「引用商標1」という。)は、「FOREVER 21」の欧文字及び数字を標準文字で表してなり、平成20年10月20日に登録出願、第35類「身飾品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、同21年9月4日に設定登録されたものである。
(2)登録第5356154号商標(以下「引用商標2」という。)は、「FOREVER 21」の欧文字及び数字を標準文字で表してなり、平成22年5月26日に登録出願、第14類「身飾品」を指定商品として、同22年9月24日に設定登録されたものである。
なお、引用商標1及び2をまとめていうときは、以下「引用商標」という。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号及び同第19号に該当するから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第27号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標及び引用商標の識別力を備える要部は「FOREVER」であって、外観はいうに及ばず、称呼も「フォーエバー」で同一であり、観念も「永久に」という同一の英単語の意味を共に備えている。それゆえに、本件商標及び引用商標は類似する。
また、いわゆる備考類似まで考慮すると、本件商標の指定商品・役務のうち、「宝玉の原石」以外の指定商品・役務は、引用商標の指定商品・役務と類似する。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
引用商標は、申立人の使用に係る商標(標章)として、本件商標の出願時から現在に至るまで、日本全国で周知著名である。
したがって、申立人の全国的に周知著名な商標(標章)と類似する本件商標は、商標法第4条第1項第10号にも該当するのみならず、たとえ商標法第4条第1項第10号、同項第11号に該当しない場合であっても、申立人の業務に係る商品と混同を来たすおそれがあることから、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第19号について
引用商標は、申立人の使用に係る商標(標章)として、本件商標の出願時から現在に至るまで、日本全国のみならず全世界で周知著名である。
したがって、申立人の全国的に周知著名な商標(標章)と類似する本件商標は、たとえ商標法第4条第1項第10号、同項第11号、又は同項第15号に該当しない場合であっても、商標法第4条第1項第19号に該当する。
4 当審の判断
(1)申立人が提出した甲各号証によれば、以下の事実が認められる。
(ア)甲第9号証は、「フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)」であるところ、「FOREVER 21(フォーエバー トゥエンティーワン)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルスに拠点を置く、ファストファッションストアチェーン。アメリカ合衆国内のほか、世界10ヶ国に460店舗(2009年現在)を置く。・・・1984年、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルスに設立。・・・2009年4月29日に東京都渋谷区に原宿店をオープンさせ、日本第1号店となる。・・・2010年4月29日、東京都中央区の松坂屋銀座店内に大型店舗『XXI Forever at GINZA by FOREVER 21』をオープンさせる。・・・」の記載がある。
(イ)甲第10号証及び甲第14号証ないし甲第17号証は、「ファッションラテ」のウェブサイトであるところ、甲第10号証には、「フォーエバー21原宿店・・・米国で急成長するカジュアル衣料チェーン『FOREVER21(フォーエバートゥエンティワン)』の日本での第1号店。2009年4月29日グランドオープン。・・・」の記載がある。
甲第14号証には、「フォーエバー21銀座店・・・2010年4月29日に、アジア初の旗艦店としてオープン。・・・」の記載がある。
甲第15号証には、「フォーエバー21船橋店・・・ららぽーと東京ベイ 南館1F、2F・・・2010年5月26日にオープン。・・・3番目の出店となる。・・・」の記載がある。
甲第16号証には、「フォーエバー21新宿店・・・2010年5月29日にオープン。・・・日本での4店舗目の出店となる。・・・」の記載がある。
甲第17号証には、「フォーエバー21渋谷店・・・2010年12月23日にオープン。・・・国内5店舗目となる。・・・」の記載がある。
(ウ)甲第12号証は、「Searchina.」のウェブサイトであるところ、「【日本の検索ワード】FOREVER21〜海外格安ブランド店に長蛇の列」の見出しのもと、「【経済ニュース】2009/04/30(木)12:03」及び「日本初上陸のファッションストア『FOREVER21』が29日原宿でオープンし、1000人以上の大行列を作ったことが報道された。Googleの『急上昇ワード』ランキングにも29日から2日連続で顔を見せた。FOREVER21は、アメリカ・ロサンゼルスで1984年に創業したファストファッションチェーン。ファストファッションとは、ファストフードのように低価格でありながら一定の質を持ったファッションのことである。同じチェーンは『ベストファッションを最小プライスで提供する』というコンセプトのもと、これまでに13カ国で430店舗を展開している。日本直営1号店は、若者のファッション発信地である原宿、しかも超人気ショップ『H&M』の隣でのオープンとなり、いきなり勝負に出たと言えよう。・・・原宿店のオープンと同時に、日本国内向けのオンラインショップも開設された。・・・」の記載がある。
(エ)甲第18号証及び甲第23号証は、申立人のウェブサイトであるところ、甲第18号証には、「FOREVER21各店舗案内」として、「『原宿店』、『銀座店』、『ららぽーと/TOKYO−BAY店』、『新宿店』及び『渋谷店』」の記載がある。
甲第23号証には、「事業概要」として、「−世界10カ国(ドバイ、カナダ・・・中国、米国、韓国)、米国42州に約460店舗を展開」、「−スタッフ数15,000人(2006年基準)」及び「−売上金10億ドル(2006年)」の記載がある。
以上を総合すれば、引用商標は、「ファストファッションストアチェーンの名称」を表したものであり、「フォーエバートゥエンティーワン」のように称呼されていることが伺えるとしても、本件商標の登録出願時及び査定時において、「FOREVER」のみの標章が、申立人の取扱いに係る商品及び役務を表示するものとして使用されている事実は認められない。
そして、申立人の店舗が、東京都及びその隣接県の数店舗にすぎないこと、申立人が、日本第2号店の銀座店をオープンさせてから、本件商標の出願までは1年程しか経過しておらず、また、日本第5号店の渋谷店をオープンさせてから、本件商標の出願までは8か月程しか経過していないこと、申立人は、本件商標の登録出願時及び査定時における、引用商標を使用した商品(役務)の取扱い数、販売高等(オンラインショップによるものを含む。)を明らかにしていないことを考慮すると、引用商標は、上記甲各号証によっては、本件商標の登録出願時及び査定時において、我が国における需要者の間に広く認識され、周知、著名性を獲得するに至っていたとは認められないものである。
しかしながら、申立人は、アメリカ合衆国内のほか世界に400以上の店舗を展開しており、外国における売上金も少なくないことを考慮すると、引用商標は、申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして外国における需要者の間に広く認識されている商標と認めることができる。
(2)商標の類否について
(ア)本件商標について
本件商標は、「FOREVER10」の文字を同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔でまとまりよく一体的に表してなるものであるから、その構成文字に相応して、「フォーエバーテン」の称呼を生じ、特定の観念を生じない造語よりなるものといわなければならない。
(イ)引用商標について
引用商標は、いずれも「FOREVER 21」の文字を表してなるところ、これらの商標は、申立人がアメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルスに拠点を置く、ファストファッションストアチェーンの名称と同じであり、申立人は、我が国においても、2009年4月29日に原宿に第1号店をオープンさせていることよりすれば、引用商標から「FOREVER」の文字部分のみが分離して把握されるとみるのは不自然というべきである。
したがって、引用商標は、いずれも「ファストファッションストアチェーンの名称」としての観念を生じ、「フォーエバートゥエンティーワン」の称呼のみを生ずるものとみるのが相当である。
(ウ)本件商標と引用商標との類否について
以上のとおり、引用商標は、「FOREVER 21」の文字からなるものであるから、構成文字に相応して、「フォーエバートゥエンティーワン」の称呼のみを生じ、「ファストファッションストアチェーンの名称」としての観念を生じるものである。
してみれば、引用商標から単に「フォーエバー」の称呼及び「永久に」の観念をも生ずるものとし、そのうえで、本件商標と引用商標とが称呼及び観念において類似するものとする申立人の主張は採用できない。
そうとすれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(3)商標法第4条第1項第11号及び同第10号について
本件商標と引用商標は、上記2のとおり、非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第10号に違反して登録されたものではない。
(4)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、上記2のとおり、引用商標とは類似しない商標であり、また、その構成の一部に引用商標を有する商標でもないから、両商標は、別異の商標というべきである。
そして、引用商標は、上記1のとおり、本件商標の登録出願時及び査定時において、我が国における需要者の間に広く認識され、周知、著名性を獲得するに至っていたとは認められないものであるから、本件商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、これが申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その出所について混同を生ずるおそれがあるとすることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない。
(5)商標法第4条第1項第19号について
引用商標は、申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして外国における需要者の間に広く認識されている商標であるとしても、本件商標と引用商標は、上記2のとおり、非類似の商標である。
さらに、申立人が提出した証拠方法によっては、本件商標が不正の目的をもって使用をするものであると認めるに足る書証の提出も見あたらない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものではない。
(6)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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