結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第30013号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2611690号商標(以下「本件商標」という。)は、「プラリール」の文字を横書きしてなり、第19類「台所用品(電気機械器具、手動利器および手動工具に属するものを除く)日用品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として、平成4年1月31日に登録出願、同5年12月24日に設定の登録がなされたものである。
請求人は、「商標法第50条の規定により登録第2611690号、第19類全指定商品について、商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
請求の理由
商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれもが本件商標を各指定商品について、日本国内において継続して3年以上使用している事実がない。
また、商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれもが正当な理由がなく本件商標を使用していない。
したがって、商標法第50条第2項の規定により、商標登録第2611690号はその取消を免れない。
答弁に対する弁駁
被請求人は平成11年3月16日付審判事件答弁書で乙第1号証として「セキスイ園芸用品シリーズカタログ」を提出し、審判請求の登録(予告登録)前3年以内に登録商標を使用しているとするが、請求人は、これを証拠力あるものと認めることができない。
即ち、乙第1号証にはその使用時期が全く記載されておらず、しかもかなり変色したカタログであり、被請求人が予告登録前3年以内に登録商標を使用していたことの証明書類としては認め難いものである。
また、同カタログの裏面には被請求人の本店及び支店の所在地と電話番号が記載されているが、そのうち東京支店の市内局番は3ケタの(553)となっている。請求人が東京23区の市内局番が全て4ケタとなった時期をNTTに照会したところ、平成3年1月1日から全て4ケタに統一されたことが判明したので甲第3号証としてNTTによるNEWSRELEASE(平成元年7月4日発行)を提出する。
このことからしても、被請求人が提出した乙第1号証のカタログは相当昔のものであることが推測できる。
したがって、被請求人が提出されたカタログをもって予告登録前3年以内に登録商標を使用していることの証明には足りない。
また、被請求人は上記答弁書において、請求人の利害関係を主張しているが、改正商標法では、不使用取消審判の請求人適格について「何人」にも認めることとし、その旨を条文上明示している。(商標法第50条第1項)。
被請求人は平成11年8月 31日付審判事件答弁書において、被請求人が先に提出した乙第1号証に代えて乙第2号証ないし乙第4号証を新たに提出しているが、これらの乙第2、3、4号証にはいずれにも登録商標「プラリール」ではなく、別商標である「ニュープラリール」なる商標が付されたホース巻き取り用リールが掲載されている。
そして、被請求人は乙第2、3号証に掲載された商標「ニュープラリール」は、本件商標「プラリール」の使用態様の一つであり、「プラリール」の使用証明能力があると主張している。
しかしながら、特許庁発行の平成8年改正商標法等の概要〔基本・運用編〕によれば、不使用取消審判における登録商標の使用と認める範囲の拡大として、登録商標の使用と認められる事例として、次のような事例を列挙している。
書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標
平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標
外観において同視される図形からなる商標
その他社会通念上同一と認められる商標
このように今回の商標法の改正においては、不使用取消審判における登録商標の使用と認める範囲を明確にすると共に一層弾力的なものとされた。本件のように商標の付記的部分であろうと何であろうと、登録商標に新たな文字を付加した商標の使用まで、登録商標の使用とは認めておらず、またそこまで登録商標の使用を拡大解釈することは、商標登録出願における商標の要旨変更、その他の規定との関係からしても認められるべきではない。
したがって、被請求人が提出された乙第2号証ないし乙第4号証のカタログには、登録商標でなく別商標「ニュープラリール」が指定商品との関係で掲載されており、これらの証拠物件は予告登録前3年以内に登録商標を使用していることの証明に足りない。
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由及び請求人の弁駁に対する答弁を以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。
答弁の理由
被請求人は別紙カタログのごとく本件商標を「通水式ホース巻き取り器」に使用している。
当該「通水式ホース巻き取り器」なる商品は家庭用の散水に使用されるものであり、商品区分第19類に属するものと確信する。
したがって、本件商標は商標法第50条第1項の規定に該当することなく、取消されるべきでない。
なお、請求人は本件審判を請求する上でどの様な利害関係を有しているのか明らかではない。
弁駁に対する答弁
被請求人は別紙乙第2〜4号証をここに提出する。
乙第2号証は、本件審判の請求日前の1998年(平成10年)4月に被請求人が作成したカタログで、被請求人会社の各支店に配付使用に供したものである。
その後、1999年(平成11年)3月には乙第3号証のカタログを作成している。
乙第2、3号証にはいずれにも「ニュープラリール」なる商標が付されたホース巻き取り用リールが掲載されている。
上記乙第2、3号証に掲載の商標は、いずれも「ニュープラリール」であって、本件商標「プラリール」とは「ニュー」の文字の有無といった相違点があるが、かかる「ニュー」の文字は英語の「NEW」に通じ、日本語の「新しい」とか、「新型の」といった意の形容詞であって、「ニュープラリール」からは「新しいタイプのプラリール」といった意を奏している。
すなわち乙第1号証に掲載されていた商標「プラリール」が付された商品「ホース巻き取り器」を改良した新製品として発売するにあたり、「斬新な改良タイプ」としてのイメージを込めて商標に「ニュープラリール」を採用した。換言すれば、基本的な構造、機能は商標「プラリール」のホース巻き取り器と共通し、さらに新たな機能を付加し、デザインも一新した新しいホース巻き取り器を「ニュープラリール」と名付けた。
したがって「ニュープラリール」は本件商標「プラリール」の使用態様の一つであり、「プラリール」の使用証明能力があるものと思料する。
なお「ニュープラリール」なる商標は少なくとも1995年(平成7年)5月作成のカタログ(乙第4号証)に既に掲載されており、したがって「ニュープラリール」なる商標は継続して3年以上使用していることは明らかである。
以上詳述したごとく、商標「ニュープラリール」は継続して3年以上使用していることは明らかであり、したがって本件商標「プラリール」は商標法第50条第1項の規定に該当することなく、取り消しされるべきでない
被請求人は、本件審判を請求するについての請求人の利害関係が明らかでない旨述べているが、商標法第50条は、請求人適格に関し何人も請求できると規定しているところであるから、本案に入って判断する。
被請求人提出の証拠によれば、被請求人は、1995年5月作成の商品カタログ、1998年4月作成の商品カタログ、1999年3月作成の商品カタログに「セキスイ」「ニュープラリール」の表示及び「セキスイ」「ニュープラリール〈デラックス〉」の表示のもとに「(家庭用)ホース巻き取り器」を掲載していることが認められる。
そして、市場においては、一般に新商品を表示する場合「ニュー(NEW)」の語、特別製の商品を表示する場合「スーパー(SUPER)」、豪華な商品の場合「デラックス(DELUXE)」の語を商標と結合し、又は付加して表示することが行われていることは良く知られているところである。
そうすると、被請求人が「(家庭用)ホース巻き取り器」について使用の「ニュープラリール」の文字からなる商標(以下「使用商標」という。)は、その構成中の「ニュー」の文字部分が、「新商品、新製品」であることを表示し、自他商品の識別機能を果たす主要な部分は「プラリール」の文字部分であるものと取引者・需要者に理解、認識されるといえるから、「プラリール」の文字からなる本件商標と社会通念上同一と認めるのが相当である。
してみれば、被請求人(商標権者)は、日本国内において本件商標と社会通念上同一といえる使用商標を取消請求に係る指定商品中に包含される「(家庭用)ホース巻き取り器」について、本件審判請求の登録前3年以内に使用していたもの認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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