結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2011−300364(T2011−300364/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4365698号商標(以下「本件商標」という。)は、「コレット」の片仮名と「KORET」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、平成11年3月1日に登録出願、第18類「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金,乗馬用具,愛玩動物用被服類」を指定商品として、同12年3月3日に設定登録、その後、同22年2月23日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
なお、本件審判の請求の登録は、平成23年4月26日にされたものである。
請求人は、本件商標の指定商品中「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」(以下「取消請求に係る指定商品」という。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証(枝番を含む。)を提出した。
本件商標の商標権者は、日本国内において、本件商標を継続して3年以上取消請求に係る指定商品について使用していない。また、商標登録原簿上は、本件商標に専用使用権あるいは通常使用権が設定・許諾されている事実も見当たらない。
よって、取消請求に係る指定商品についての登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
被請求人の主張及びその証拠は、商標法第50条第1項に規定する各要件を具備するものではない。
(1)使用者について
被請求人は、株式会社ルックについて本件商標の通常使用権者である旨主張しているが、その関係を示す証拠については何ら提出していない。
したがって、株式会社ルックは、本件商標についての通常使用権者ではないので、乙第1号証ないし乙第7号証によっては、本件審判の請求の登録前3年以内(以下「要証期間」という場合がある。)に、本件商標が通常使用権者により使用されたことを立証したことにならない。
(2)提出証拠(乙第1号証ないし乙第7号証)について
ア 乙第1号証は、株式会社ルックのウェブサイトの写しであり、その事業内容を示すものであるが、その日付は審判請求後の2011年6月23日であるため、本件商標の審理に影響を与えるものではない。
イ 乙第2号証について、被請求人は、「2011年春夏商品の展示会の様子を撮影したもの」である旨主張している。
しかしながら、主張のみで、当該展示会の開催日及び開催場所等の具体的な情報が明示されていないし、また、その証明も客観的にされていない。
したがって、乙第2号証は、要証期間に、その取消請求に係る指定商品のいずれかについて使用されたことを証明するに足るものではない。
ウ 乙第3号証のラベル(下げ札)について、被請求人は、表面には黒地に灰白色の欧文字で「KORET」と記載され、裏面には10桁の品番・カラー(C)・サイズ(S)・素材の組成・価格・生産国とともに、製造販売元である株式会社ルックの社名及び連絡先が記載されている旨主張している。
しかしながら、乙第3号証は、かかるラベルが存在することを示すにすぎず、当該ラベルが何の商品に付されるラベルであるのか全く明らかでなく、また、これらのラベルの撮影日、撮影場所等についても明らかでない。
したがって、乙第3号証は、要証期間に、その取消請求に係る指定商品のいずれかについて使用されたことを証明するに足るものではない。
エ 被請求人は、乙第3号証と乙第4号証ないし乙第7号証とを組み合わせることにより、品番「7312101029」の商品には「KORET」商標が付されていること(乙第3号証)、品番「7312101029」あるいは品番「73121/2−01029」に係る商品は「バッグ」であること(乙第4号証及び乙第5号証)、品番「7312101029」に係る商品は、2011年1月ないし3月の間に販売されたこと(乙第6号証の1、乙第6号証の2及び乙第7号証)を主張することを意図しているものと推測される。
しかしながら、乙第3号証は、黒地に灰白色の欧文字で「KORET」と記載されたラベルと、品番・価格等が記載されたラベルが存在することを証明するが、それが裏表の関係にあるかどうかは、乙第3号証からは明らかでなく、品番「7312101029」に係る商品に「KORET」商標が付されていることは証明されていない。
被請求人は、乙第4号証について、「株式会社ルックの商品企画書の一部」と主張し、また、乙第5号証について、品番「7312101029」の商品情報である旨述べている。そして、品番「73121/2−01029」あるいは品番「7312101029」がバッグについて使用されていると主張している。
しかしながら、当該証拠は、単なる社内資料であり、この種の資料は、後日の作成や情報の修正が容易に可能であることから、証拠としての客観性が担保されているとはいえない。
加えて、乙第4号証は「売約納期」について「1月」と、乙第5号証は「企画年度」として「2011」と記載されているが、それぞれ、具体的な時期については明記されていない。
被請求人が提出した全証拠によれば、品番「7312101029」及び品番「73121/2−01029」に係る商品が「バッグ」であることは、乙第4号証及び乙第5号証以外では確認できない。にもかかわらず、その唯一の拠りどころとなるべき資料が社内資料という著しく客観性に欠ける証拠であることは、本件商標が要証期間に使用されていないことを疑わせるのに十分である。
さらに、被請求人は、乙第6号証の1、乙第6号証の2及び乙第7号証を提出することにより、2011年1月ないし3月の間に、本件商標が使用されたことを証明することを試みている。
しかしながら、当該証拠は、品番「7312101029」の商品が送品されたことを示すにすぎず、本件商標が商品に付されている事実を証明するものではない。
なお、被請求人は、乙第7号証中に「“KC”はKORETのブランド略称になります。」と手書きしているが、これが何の意味も有さないことはいうまでもない。
(1)乙第8号証及び乙第9号証について
被請求人は、乙第8号証を提出し、本件商標の使用許諾を株式会社ルックが被請求人から得た経緯を陳述し、また、乙第9号証にて、乙第8号証に陳述した内容が、被請求人担当者の認識にも合致している旨言明している。
しかしながら、上記主張及び証拠が、被請求人と株式会社ルックとの間に通常使用権の許諾が行われていたか、又は少なくとも黙示の使用許諾が存在したことを証明しているとはいえないし、これらは陳述者にとって都合のよい内容が主観的に述べられたにすぎず、何ら客観性が担保されていない。
(2)乙第10号証ないし乙第14号証について
ア 乙第10号証の1及び2
被請求人の主張及び該証拠によれば、2011年2月2日ないし4日の3日間、東京と大阪において、「SUMMER & HIGH SUMMER」という催しが行われたと推認され、「KORET」の文字が確認できる。
しかしながら、この証拠は、上記以上の情報を与えるものではなく、本件商標の使用を何ら証明するものではない。
イ 乙第11号証の1ないし3
乙第11号証の1は、「KORET」と記したタグが付されたバッグが、同号証の2は、品番「7313101039」及び「株式会社ルック」の名が記載されたタグが付されたバッグが示されていることがわかる。
しかしながら、このバッグの撮影日、撮影場所等については明らかではないし、上述の展示会において「KORET」商標を婦人用バッグに付して使用したことは、何ら立証されていない。
乙第11号証の3は、上記の展示会において来場者に配布された商品カタログの抜粋であるとのことである。該証拠の3頁目の左側最下段に、乙第11号証の1及び2と近似した形状のバッグがあることで、乙第11号証の1及び2に写されたバッグが、上記の展示会に出品されたことを、被請求人は訴えたかったものと思料する。
しかしながら、被請求人の主張及び該証拠は、不自然な点が多く、その信憑性に疑問を抱かざるを得ない。
ウ 乙第12号証の1ないし3
被請求人は、「この展示会に展示された品番『7313101039』の婦人用バッグが実際に小売店の店頭に展示されたという事実は、乙第12号証の1ないし3によって立証される。」旨主張する。
しかしながら、被請求人が主張するように、該証拠によって、品番「7313101039」が注文され、納品され、返品されたことは証明されるが、これがすなわち、要証期間において「KORET」商標が使用されたことを証明するわけではない。
エ 乙第13号証の1ないし3
乙第13号証の1は、「988003」という数字と、左側にバッグが一つ、右側にバッグが二つ示され、その下部に「H295 W310 D160」という英数字が記載されたにすぎず、何をもって「『KORET』ブランドのいまひとつのバッグ(品番 7313106111)を示す」のか理解できない。また、撮影日時等についても明らかでない。
乙第13号証の2は、極めて不鮮明であり、また、撮影日時等が明らかでなく、そもそも証拠として採用されるものではない。
乙第13号証の3からは、品番「7313106111」のバッグに本件商標が使用されていることは何も証明されていない。
オ 乙第14号証の1及び2
該証拠からは、2011年3月23日に、株式会社ルックから株式会社ウシキに対して、品番「7313106111」のバッグが注文され、また、同年4月18日及び同月19日にわたって、株式会社ルックに納品されたことがうかがえる。
しかしながら、該証拠は、品番「7313106111」の発注及び納品の事実を示すのみであり、本件商標の使用を証明するものではない。
以上述べたとおり、被請求人は、本件商標を本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、その取消請求に係る指定商品について使用したことを証明したということはできない。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第14号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)本件商標と社会通念上同一と認められる商標は、「かばん類」について、本件商標の通常使用権者により使用されており、本件商標の登録は維持されるべきである。
(2)本件商標の通常使用権者である株式会社ルック(東京都目黒区中目黒二丁目7番7号)は、アパレルの企画・製造・販売を事業内容とし、同社ウェブサイトに掲載された「ブランドインデックス」(乙第1号証)に示すように、複数のファッションブランドを展開している。
そのひとつである「KORET」、「コレット」は、1973年に株式会社レナウンルック(株式会社ルックの旧社名)がサンフランシスコのコレット・オブ・カリフォルニア社と提携して日本市場に展開し、以来長年にわたり女性のライフスタイルにあわせた着こなしを提案し続けているトータルコーディネートブランドである。
現在は、小田急百貨店町田店や高島屋大阪店を始めとする百貨店等の婦人服売り場にて展示・販売されている。
乙第2号証は、2011年春夏商品の展示会の様子を撮影したもので、パネルやハンガーに記載された欧文字「KORET」とともに、婦人服、バッグ、ストール、アクセサリー等が店舗販売を模してディスプレーされている。
乙第3号証は、ラベル(下げ札)であり、表面には黒地に灰白色の欧文字で「KORET」と記載され、裏面には10桁の品番・カラー(c)・サイズ(s)・素材の組成・価格・生産国とともに、製造販売元である株式会社ルックの社名及び連絡先が記載されている。
このことから、本件商標と社会通念上同一の商標が、株式会社ルックによって使用されていることがわかる。
(3)乙第4号証ないし乙第7号証は、乙第3号証のラベルに表示された品番「7312101029」に係る商品の取引書類等である。
乙第4号証は、株式会社ルックの商品企画書の一部であり、乙第5号証は、品番「7312101029」の商品情報である。いずれの証拠資料にも同一の婦人用クラッチバッグの図案が描かれており、乙第4号証には、「バッグ」、品番「73121/2−01029」、売約納期「1月」の記載があり、乙第5号証には、品番「7312101029」のほかに、企画年度として「2011」の記載がある。なお、乙第4号証に記載された品番のうち「/2−」部分は乙第5号証記載の季別番号を示しており、株式会社ルック内では品番「73121/2−01029」と品番「7312101029」とは同一商品について使用されている。
商品の出荷状況を示す「消化送品伝票」(乙第6号証)によれば、品番「7312101029」の婦人用クラッチバッグは、2011年1月11日付けで小田急百貨店町田店に、同年2月18日付けで高島屋大阪店に、それぞれ出荷されたことがわかる。
乙第7号証は、販売店別の商品消化状況(在庫状況)を表す資料であり、これは、各店舗に出荷された品番「7312101029」が2011年1月から3月の期間指定にて展示・販売されていたことを示している。
(4)これらの証拠資料により、乙第3号証のラベルを付した婦人用クラッチバッグ(品番「7312101029」)が、2011年1月から3月の間に、株式会社ルックによって展示・販売されていたことが証明される。
すなわち、本件商標と社会通念上同一の商標が、本件審判の請求の登録前3年以内に、通常使用権者により使用されていた事実は明らかである。
(1)請求人は、株式会社ルックが本件商標の通常使用権者であるとの被請求人の答弁を否定して、「商標権者と使用権者とが何らかの資本関係にあるような場合には、商標の使用に関して黙示の許諾があったと考える余地もあるが、両者は、そのような関係になく、東証一部上場の企業同士が商標権の使用許諾契約を書面で交わさないことは考え難い。」旨主張している。
しかしながら、本件商標には、本件と同じ商標について、第25類の商品に関して以前から使用許諾契約が結ばれており、本件商標の使用はその契約締結の後に付随的に生じたことなどから、本件商標の使用許諾契約は、それ自体のビジネスを考えれば、商標権者にとっても被許諾者にとっても、実質を伴わない軽微なものであって、契約書を作成するまでもなく、担当者で相互に了解があれば足りると考えたという特別な事情があった。このことは、株式会社ルックの経営企画室課長田渕雅生が同社総務課長水野信之の問い合わせに対して、かつて業務室企画室課長として担当した、本件商標の使用許諾を株式会社クラレから得た経緯を説明した報告書(乙第8号証)と、株式会社クラレの子会社であるクラレトレーディング株式会社の衣料・クラベラ事業部テキスタイル部長古橋則昭の申述書(乙第9号証)とによって立証される。
(2)乙第2号証を挙げて述べた「2011年春夏商品の展示会」が要証期間内に実施されたことは、乙第10号証の1(東京における展示会の招待状)及び2(大阪における展示会の招待状)により立証される。
乙第10号証の1には、開催日時が2011年2月2日〜4日、開催場所が東京都目黒区中目黒2−7−7にある株式会社ルックの東京ショールームであることが記載されており、展示するブランドとして、「KORET」も挙げられている。
乙第10号証の2には、開催日時が2011年2月2日〜4日、開催場所が大阪市西区川口2−2−17にある株式会社ルックの大阪支店のショールームであることが記載されており、展示するブランドとして、「KORET」も挙げられている。
(3)上述の展示会において、「KORET」商標を婦人用バッグに付して使用したことは、乙第11号証の1及び2により明らかになる。
乙第11号証の1は「KORET」と記したタグの表面を、同号証の2は品番「7313101039」及び「株式会社ルック」の名称が記載されたタグの裏面を、それぞれ示している。
乙第11号証の3は、上記展示会に来場した取引先・顧客に対して株式会社ルックが配布した商品カタログの抜粋であって、上記の婦人用バッグのイラストが品番「7313101039」と共に描かれている。
(4)上述の展示会に展示された品番「7313101039」の婦人用バッグが実際に小売店の店頭に展示された事実は、乙第12号証の1ないし3により立証される。
乙第12号証の1は、石川県鳳珠郡門前町門前1990所在の下口呉服店から株式会社ルックあての注文書である。下口呉服店は、大阪の展示会に出席し、上記品番の婦人用バッグ1個を株式会社ルックの大阪支店に注文した。乙第12号証の2は、この注文に応えて株式会社ルックから下口呉服店に該婦人用バッグを納品した際の納品伝票である。残念ながらこの商品は売れなかったので、最近になって返品された。乙第12号証の3は、シモグチ(下口呉服店)から株式会社ルックあての返品伝票である。
(5)「KORET」商標は、商品「かばん類」、とりわけ婦人用バッグに関して、複数種の商品に付されて、要証期間に盛んに使用された実績を持つ。上記の品番「7313101039」の婦人用バッグ以外に品番「7313106111」の婦人用バッグに付された「KORET」商標の使用は、乙第13号証及び乙第14号証により立証される。
乙第13号証の1は、品番「7313106111」の婦人用バッグの写真である。同号証の2は、該バッグにつけるラベル(下げ札)の表と裏とを同時に見せた写真である。同号証の3は、該バッグを構成する材料の品質を確認するための検査結果を報告した株式会社レナウンアパレル科学研究所による「品質判定証明書」である。
乙第14号証の1は、上記バッグ60個の製造を株式会社ウシキに対して行った注文書である。同号証の2は、該バッグが株式会社ルックに対して納品されたことを裏付ける仕入伝票である。
(6)以上のとおり、株式会社ルックは、株式会社クラレから本件商標の使用を許諾された通常使用権者であり、要証期間において行った展示会において本件商標を商品バッグに付して展示し、かつ、その展示した商品を要証期間内において販売したことが明らかである。
以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求に係る商品のうち「かばん類」について使用されていることが明らかであるから、その取消請求に係る指定商品についての登録は維持されるべきである。
(1)被請求人の提出に係る証拠によれば、以下の事実を認めることができる。
ア 乙第1号証、乙第8号証及び乙第9号証について
乙第1号証は、株式会社ルックのウェブサイト中の「ブランドインデックス」と題するページであり、同社が扱っている多くのファッションブランドが掲載されており、その中の一つとして「KORET」ブランドが掲載されていることを認めることができる。
乙第8号証は、株式会社ルックの「経営企画室課長 田渕雅生」から同社「総務課長 水野信之」あての本件商標の使用許諾を株式会社クラレから得た経緯を説明した報告書とするものであるところ、平成24年3月19日付けの「商標『KORET/コレット』に関する件(報告)」と題する書面であると認められ、そこには「当社が株式会社クラレから許諾を得て使用している商標『コレット/KORET』(以下「本件商標」とします)に関するお問合せに対し、かつて業務企画室課長として担当した当職から、つぎのとおり回答します。・・・カバン等について本件商標の使用を開始したのは、婦人服より遅く、近年のトータル・コーディネート・ファッションの風潮にのって、2002年4月ごろからです。・・・登録第1515574号『KORET』旧第17類に属する商品のうち『婦人服、スカーフ、ネッカチーフ、マフラー、帽子』に関して、2001年1月に期間5年の使用許諾契約を結びました。・・・2006年1月にクラレトレーディング(株)の古橋則昭氏が来社され、当社が本件商標の使用継続を希望するならば、使用許諾契約を継続してもらいたい、との申出がありました。そこで、登録第4599237号『コレット/KORET』第25類に属する商品のうち、前記と同じ商品に関する使用許諾契約を期間5年で締結しました。その際、当社の『KORET』ブランドの使用状況につき、デパート及び専門店への卸売の形で、衣類だけでなくファッションアクセサリー類(バッグ、ネックレス等)の販売も始めたことも説明しました。それらの商品への使用に関しては、使用許諾契約に追加するとか、別途契約書を作成するとかいうことについて、古橋氏から別段の申出がなかったので、現在の契約をそれら商品に拡張することを承認してくれたものと理解しました。上記の契約期間満了を迎えた2011年1月に、上記の登録商標に関して再度の使用許諾契約を結んだこと、また、今回も第18類の商品に関して契約書に追記しなかったことは、ご承知と思います。」旨の記載がある。
乙第9号証は、「クラレトレーディング株式会社 衣料・クラベル事業部 テキスタイル部長 古橋則昭」から「株式会社クラレ 知的財産部長 江端 巌」あての平成24年3月22日付けの「申述書」と題する書面であると認められ、そこには「株式会社クラレが株式会社ルックに対して使用を許諾している商標『コレット/KORET』に関連して、株式会社ルックの田渕雅生氏がその社内報告で述べていることは、事実であると認めます。」との記載がある。
イ 乙第2号証及び乙第10号証の1及び2について
乙第2号証は、被請求人の主張によれば、2011年春夏商品の展示会の様子を撮影したものとのことであるところ、パネル等には「KORET」の標章が表示されており、数多くの婦人服が店舗販売を模してディスプレーされていることが認められるが、乙第2号証の写真は、「KORET」ブランドに係る展示会であることは認められるとしても、該展示会の開催日や開催場所等の具体的な情報を確認することができない。
乙第10号証の1は、東京における展示会の招待状であるとするものであるところ、そこには、「invitation」、「SUMMER & HIGH SUMMER」、「2011」、「DATE 2011.2.2.WED.−4.FRI. 10:00A.M.−06:00P.M.」及びPLACE LOOK INC. TOKYO SHOWROOM 2−7−7 NAKAMEGURO MEGURO−KU TOKYO」の記載があり、「KORET」の文字も表示されている。
乙第10号証の2は、大阪における展示会の招待状であるとするものであるところ、そこには、「invitation」、「SUMMER & HIGH SUMMER」、「2011」、「DATE 2011.2.2.WED.−4.FRI. 10:00A.M.−06:00P.M.」及びPLACE LOOK INC. OSAKA SHOWROOM 2−2−17 KAWAGUCHI NISHI−KU OSAKA」の記載があり、「KORET」の文字も表示されている。
ウ 乙第11号証の1ないし3について
乙第11号証の1及び2は、婦人用バッグが撮影された写真であると認められ、同号証の1には、「KORET」と表示されたタグが該バッグに付されており、同号証の2には、「7313101039」、「ポリエステル100%」、「¥7,245」、「(6,900)」及び「株式会社ルック」等が表示されたタグが該バッグに付されている。
乙第11号証の3は、上記の展示会に来場した取引先・顧客に対して株式会社ルックが配布した商品カタログ(抜粋)であるとするものであるところ、1葉目に「KORET」、「2011 SUMMER & HIGH SUMMER」及び「LOOK」の記載、2葉目に「KORET 2011SUMMER & HIGH SUMMER」の記載があり、乙第10号証の1及び2の記載と符合する。そして、3葉目には、下段の1番左にバッグのイラストと共に、品番「7313101039」、「6,900」及び「ポリエステル100%」が記載されており、乙第11号証の2の記載と符合する。
エ 乙第12号証の1ないし3について
乙第12号証の1は、石川県鳳珠郡門前町門前1990所在の下口呉服店から株式会社ルックあての注文書であるとするものであり、「発行日 11年02月09日」及び「展示会名 S/HS」の記載のほか、「ブランド」欄に「K.C」及び「品番」欄に「7313101039」の記載があり、それに対応する「カラー」欄に「98」及び「99」の記載、そして、「合計数量」欄に「1」、「参考上代」欄に「6,900」がそれぞれ記載されている。
乙第12号証の2は、同号証の1に係る注文に応えて株式会社ルックから下口呉服店に婦人用バッグを納品した際の納品伝票であるとするものであり、納品伝票(お得意先)の表題の下に「2011年4月18日」の記載がある。そして、「品番」欄に「7313101039」の記載があり、それに対応する「色」欄に「98」及び「99」の記載、そして、「数量」欄に「1」、「小売上代」欄に「6,900」がそれぞれ記載されている。
乙第12号証の3は、シモグチ(下口呉服店)から株式会社ルックあての返品伝票であるとするものであり、「返品」の表題の下、「24年3月9日」、「7313101039−99−09」の記載がある。
(2)上記(1)で認定した事実によれば、株式会社ルックにより、2011年(平成23年)2月2日ないし同月4日に同社の大阪支店ショールーム及び東京ショールームにおいて、「2011年春夏商品の展示会」が開催され、品番が「7313101039」である婦人用バッグのイラストが掲載された「KORET」の文字の記載のある商品カタログが来場者に配布されたこと、また、該展示会に展示された品番が「7313101039」であって、「KORET」の文字が記載されたタグが付された婦人用バッグが、同年2月9日付けの下口呉服店から株式会社ルックへの注文書に基づき、株式会社ルックから下口呉服店に同年4月18日納品されたことが推認され、上記「商品カタログ」を配布した行為は、商標法第2条第3項第8号に、また、「KORET」の文字が記載されたタグが婦人用バッグに付され、該バッグが納品された行為は、同項第1号及び第2号に掲げられる行為にそれぞれ含まれるものである。
そして、上記の「商品カタログ」(乙第11号証の3)及び婦人用バッグのタグ(乙第11号証の1)に記載された「KORET」の文字は、本件商標と社会通念上同一の商標であるということができる。
また、上記の「2011年春夏商品の展示会」が開催された2011年(平成23年)2月2日ないし同月4日及び株式会社ルックと下口呉服店とにおける婦人用バッグの取引が行われた同年2月9日ないし同年4月18日は、本件審判の請求の登録前3年以内に該当するものである。
さらに、被請求人は、本件商標の通常使用権者が株式会社ルックである旨主張し、乙第8号証及び乙第9号証を提出しており、その内容は、上記(1)アのとおりである。もとより、通常使用権の許諾は、明文の契約に限らず、黙示の契約によっても可能であるところ、本件商標が株式会社ルックにより婦人用バッグに使用されていた経緯は、上記認定のとおりであり、その経緯からすれば、乙第8号証及び乙第9号証における陳述の内容に不自然なところはなく、株式会社ルックが本件商標の通常使用権者であるとみて差し支えない。
以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者によって、その請求に係る指定商品である「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」中の「婦人用バッグ」について使用されていたものというべきであるから、商標法第50条第1項の規定に基づき、その登録を取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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