結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2011−300151(T2011−300151/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第5109979号商標(以下「本件商標」という。)は、「大銀杏」の漢字を太文字で縦書きし、その右側下方にこれより小さい文字で「おおいちょう」の平仮名を縦書きに配してなり、平成19年6月29日に登録出願、第30類「菓子,パン」を指定商品として、同20年2月8日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録は、同23年3月2日にされた。
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第17号証を提出した。
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(1)証拠の評価について
乙第1号証−1及び3においては、極めて解像度が低く、商標が十分に視認できないばかりか、商品がいかなるものかも十分に感得できない。また、他の乙号証との関係を考慮しても、これらを補完できない。
乙第2号証においては、被請求人に対して第三者(マルナミ又は柴田紙器工業株式会社)が発行した納品書であって、使用主体が被請求人ではない。
乙第3号証−1及び2においては、使用した日時が確認できない。また、他の乙号証との関係を考慮しても、これを補完できない。
乙第3号証−3及び5においては、本件商標の使用が確認できない。
乙第5号証は、乙第1号証−1及び2を補完するため提出しているが、判読不能な状態で写真が提供されたことを立証したことにはならない。また、使用時期、使用場所及び使用行為がいずれも不明である。さらに、乙各号証のうち、唯一、商品名「米菓」と裏書きされている乙第3号証−2の包装袋も見あたらないので、使用商品も不明である。
なお、写真に添えて「平成22年大相撲5月場所『1,580円せんべい』」の見出しが記載されているが、この見出しは、被請求人が乙第5号証の1頁を作成する際に印字したものと推察されるので、これをもって、「商品の詰め合わせ」の名称及び使用時期を立証したことにはならない。
乙第6号証は、乙第2号証を補完するためであるが、商標権者が本件商標を使用したことを立証したとはいえない。
乙第7号証及び乙第9号証は、商標権者が要証期間に、両国国技館のみやげ店に対して、包装袋に「大銀杏」のシールを貼付した菓子の詰め合わせの写真を展示若しくは頒布したか、又は、同菓子の詰め合わせを販売したかを立証する証拠たり得ない。
乙第8号証によっては、包装袋に「大銀杏」のシールを貼付した菓子の詰め合わせを販売した事実は認められない。乙第8号証の第4頁において、納品書の品名欄に記載された商品が、乙第5号証の「商品の詰め合わせ」(以下「使用物品」という。)であることは立証されていない。
大阪高判平成7年(う)228号(甲第9号証)によれば、「商標の付された商品が、部品として完成品に組み込まれた場合、その部品に付された商標を保護する必要性がなくなるか否かは・・・取引関係者や需要者に視認される可能性があるか否かの点を勘案すべきである。」と判示されている。これを本件についてみると、使用物品は、国技館サービス株式会社(以下「国技館サービス」という。)に対して、乙第3号証−3の包装紙に包んだ状態で販売されるものと推察されるので、本件商標が全く視認できない態様で販売されるものと考えられる。そして、相撲土産の販売が通常の小売販売とは異なる特殊性(乙第7号証等)を考慮すれば、使用物品は、乙第3号証−3の包装紙に包んだそのままの状態で需要者に販売されるものと考えられ、本件商標を付した商品を国技館サービスに販売する行為は、商標の使用には該当しないという疑義が生じるところ、この点について、本件商標が視認できる状態で販売された事実は、立証されていない。
乙第10号証−1及び2は、誰がいつでも作成できる書面であるので、その真正については裏付けが不十分である。
乙第11号証は、送信済みメールのキャプチャ画像であるが、電子メールは、相手先に必ず到達することを保証するものでないこと(甲第10号証)、メールソフトでは、ユーザーが調整可能なPCの内蔵タイマに基づいて送信日時が記録されること、メールの送信日時等を編集するソフトが存在し容易に入手・利用できる環境にあること(甲第11号証)、乙第11号証のキャプチャ画像では、相手先のメールアドレスの一部が不明であること、同メールアドレスが送信時において存在していたか不明であること、添付されている画像がいかなる内容か不明であることを考慮すれば、その真正については裏付けが不十分であり、これによっては、何ら立証されていない。
乙第12号証は、本件の審判請求後の平成23年12月16日に作成されている。
請求人は、平成23年4月26日より、被請求人に対して和解交渉を始めたが、不調に終わり、その後も再開した(甲第13号証ないし甲第17号証)が、和解交渉は、互いの条件が折り合わず、平成24年2月に打ち切りとなった経緯に照らし、乙第12号証は、被請求人から申し入れた和解交渉の過程において作成されている。和解交渉の申し入れのタイミング等から、被請求人において、乙第12号証の作成と和解交渉には何らかの関係があったものと疑いを差し挟まざるを得ない。
したがって、上記乙各号証のいずれも、本件商標の使用を立証する証拠たり得ない。
(2)登録商標の社会通念上同一性について
本件商標は、甲第1号証に示すように、「おおいちょう」の文字と「大銀杏」の文字を縦書きで左右2行に書してなるものである。したがって、本件商標からは、「オオイチョウ」の称呼が生じ、「イチョウの大木」(甲第2号証)、「武士の髪形で、髷の先をイチョウの葉の形に広げて結うもの。相撲では十両以上の力士が結う。」(甲第2号証)、「福井県南西部の町」(甲第3号証)の観念が生じる。
乙第3号証−4及び乙第4号証−2には、「雅駒」の文字を縦書きに書し、その左隣に1字下げて「大銀杏」の文字を縦書きに書し、さらに、その下方に関取が相撲を取っている図形を表し、これらを矩形の紫地上又は橙地上に配置してなる(以下「使用標章」という。)ものである。そこで、使用標章の構成を検討すると、「雅駒」と「大銀杏」の各文字が左右2行に近接して表されていること、「大銀杏」の文字が1字下げて「雅駒」の文字から続けて読まれるように表されていること、「雅駒」と「大銀杏」の各文字が漢字のみで構成され全体としての一体感が強いこと、「雅駒」と「大銀杏」の各文字が小さな矩形の紫地上又は橙地上に配置されて一体的にまとめられていること、「雅駒」と「大銀杏」の各文字が指定商品「菓子」との関係において、自他商品の識別標識としての機能に格別軽重の差があるものとは認められないこと、指定商品「菓子」を取り扱う業界において、書体、大きさ、色彩を異にした文字からなる標章が普通に使用されていること(例えば、甲第4号証ないし甲第6号証)から、これらの「雅駒大銀杏」の文字は、いずれも外観上一連一体のものとして認識、把握されるとみるのが自然である。
さらに、使用標章の構成全体から生ずる「ミヤビコマオオイチョウ」の称呼は、無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、使用標章の構成中「雅駒」が造語であることから、使用標章からは、特定の観念が生じない。
このように、本件商標と使用標章とは、「雅駒」の文字の有無及び「おおいちょう」の文字の有無の顕著な相違からして、自ずと両者は、全体の外観、称呼及び観念が異なるといわなければならない。したがって、使用標章は、本件商標とは、別異の商標というべきであり、社会通念上同一の商標ということはできない。
なお、使用標章には、関取が相撲を取っている図形が表されていること、使用標章を使用した使用物品が「相撲みやげ」であることから、使用標章の構成中「大銀杏」の文字からは、当該図形及び使用物品の特異な属性と相まって「武士の髪形で、髷の先をイチョウの葉の形に広げて結うもの。相撲では十両以上の力士が結う。」の観念のみが生じるとするのが自然である。そうすると、仮にこの文字部分のみを本件商標と対比したとしても、本件商標の構成中に「おおいちょう」の文字が存在しないことから外観が相違し、「イチョウの大木」及び特に「福井県南西部の町」の観念が生じないことから観念も相違するので、やはり本件商標とは、別異の商標というべきであり、社会通念上同一の商標ということはできない。
(3)商標法上の商品の該当性について
被請求人は、使用標章を使用した使用物品を「相撲みやげ」と称しているが、相撲みやげは、商標法上の商品に該当するかどうかについて疑義が生じるところ(甲第7号証)、答弁の理由及び乙各号証のいずれからも、使用物品が商標法上の商品に該当することの立証がなされていない。
大阪地判昭和61(ワ)7518号(甲第8号証)によれば、「ある物品がそれ自体独立の商品であるかそれとも他の商品の包装物又は広告媒体等であるにすぎないか否かは、その物品がそれ自体交換価値を有し独立の商取引の目的物とされているものであるか否かによって判定すべきものである。」と判示されており、これを本件についてみると、使用標章を使用した使用物品は、相撲の興行の入場券に比すれば比較的低価格のものを相撲の興行の宣伝広告及び販売促進用の物品(ノベルティ)として相撲の興行の観覧者に限り一定の条件で配付をしているにすぎず、使用物品それ自体を取引の目的としているものではない。また、使用物品は、これを入手する者が限定されており、将来市場で流通する蓋然性も認められない。
そうすると、使用物品は、それ自体が独立の商取引の目的物たる商品ではなく、相撲の興行の単なる広告媒体にすぎないものと認めるのが相当であるところ、本件商標の指定商品が「菓子」であり、相撲の興行が当該指定商品とはいえないことは明らかであるから、被請求人の行為は、指定商品についての使用とはいえない。
(4)指定商品の使用について
被請求人は、乙第1号証−1ないし3、乙第3号証−1及び2、乙第3号証−4及び乙第4号証−1及び2を挙げ、指定商品「菓子」について使用していることを主張するが、これら乙号証のうち上記(1)のとおり証拠適格性を有しない乙第1号証−1、3及び乙第3号証−1及び2以外のものを参照しても、使用標章を使用した使用物品が「菓子」であることの確証は得られない。
(5)結語
以上のとおり、答弁の理由及び乙各号証をもってしては、本件審判の請求登録日前3年以内に日本国内において、被請求人が指定商品について本件商標の使用をしていたものということはできない。その他、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、指定商品について本件商標の使用をしていたことを確証させるものは見いだせない。また、被講求人は、指定商品について本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第12号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)乙第1号証−1ないし3、乙第2号証、乙第3号証−2及び3、乙第3号証−5、乙第4号証−1及び2には、「株式会社金時米菓」が記載されている。
(2)乙第1号証−1ないし3、乙第3号証−1及び2、乙第3号証−4、乙第4号証1及び2には、「菓子」に該当する製品の箱・袋・シールに本件商標が付され、乙第2号証には、本件商標及びその金額が記載されている。
(3)乙第1号証−1ないし3、乙第3号証−1ないし5、乙第4号証−1及び2には、本件商標が付された箱、袋、シールが表示され、乙第2号証には、本件商標が記載されている。
(4)乙第1号証−1ないし3の表紙には、両国国技館における大相撲開催時期を示す「平成22年5月場所」、「平成22年9月場所」、「平成23年1月場所」と記載、乙第2号証の発行日欄には、「平成21年4月16日」、「平成22年12月22日」、「平成23年1月12日」、「平成23年1月17日」、「平成23年1月19日」と記載、乙第4号証−1には、「平成11年5月場所」から「平成23年初場所(1月場所)」までの大相撲開催時期別の製品写真を添付している。
また、「平成22年9月場所」の二、六三〇円の製品には、本件商標を付したシールとともに「平成二十二年九月場所 相撲みやげ 両国国技館」と記載されたシールを使用している(乙第4号証−2)。
(5)本件商標が付されたシール(乙第3号証−4)が、「菓子」に使用されていることを証明するため、本件商標が視認可能な拡大写真にしたものを提出する(乙第5号証)。
(6)乙第2号証の納品書中で「大銀杏」と記載された物品が、それぞれいかなるものを表すかを、各納品書と該当物品を説明した乙第6号証−1及び2を提出する。
(7)本件商標が付されたシール及び箱は、「大銀杏」の太文字が本件商標と同じ書体で顕著に大きく表され、取引者及び需要者の注意を引くものである。乙第2号証の納品書においても、「大銀杏」と表されているとおり、要証期間を含め、長年「大銀杏」の名称で取り扱われていたものである。
(8)請求人は弁駁書で、相撲土産は、独立した商取引の目的物たる商品ではなく相撲興行の単なる広告媒体にすぎないとしているが、この推察は事実と異なる。
相撲土産は、国技館サービスが、各納入業者から商品を仕入れ、観戦者へ販売しているものである。国技館サービスは、両国国技館における大相撲1月場所、5月場所、9月場所(乙第7号証−1)の案内所、チケット並びに相撲土産の販売業務等を行う会社(乙第7号証−2ないし5)である。
商標権者は、国技館サービスへ本件商標を付した菓子である使用物品を納品し、その対価を受け取り、両社間での商取引が成立している。相撲土産は、観戦チケットの代金には含まれず、別売りにて販売される(乙第7号証−4及び5)。このうち、国技館サービスにより「煎餅詰め合わせ」として紹介され、販売される使用物品は、要証期間中から現在まで、商標権者を含め計4社の商品が採用されている。乙第7号証−5の下方「お土産一覧」に表されている「煎餅詰め合わせ1,050円〜2,630円」がこれに該当する。
(9)乙第8号証は、商標権者が国技館サービス指定の伝票用紙を購入し、国技館サービスあてに発行した「納品書」、「請求書」控えの現物である。2枚複写からなり、一枚目の白い用紙が発行者である商標権者の控えとなり、二枚目の黄色い用紙が国技館サービスの保管分となる。国技館サービス、商標権者双方の名称のほか、品名欄に「1,050せんべい」、「1,580せんべい」、「2,100せんべい」、「2,630せんべい」と記載されている点については、両国国技館の相撲土産としての使用物品が、総じて「煎餅詰め合わせ」として表現されることに準じたものである。
(10)請求人の提出した甲第7号証は、大相撲3月場所(大阪場所)の相撲土産に関する案内であり、本件の証拠物として不適当である。
(11)乙第10号証−1は、国技館サービスから商標権者を含む各納入業者へ配布された「平成22年9月場所『商品選定』業務予定表」である。この中に「7月16日(金)見本帳の写真提出締め切り」の記載があり、この期日までに商標権者は、選定会で決定された商品の写真を各自で用意し、手渡しにより国技館サービスへ提出している。写真サイズは「サービス版」、写真内に「商品」、「会社名」、「金額」を表示する規定となっている。提出した写真は、乙第1号証−2の「平成22年9月場所 商品見本帳」に添付され使用された。この中に、乙第5号証の平成22年9月場所二,六三〇円の写真も含まれている。
なお、平成23年1月場所分より、写真に関する上記規定が変更となり、新たに国技館サービスより指示書(乙第10号証−2)が配布されている。指示書には、画像解像度の指定のほか、ファイル名についての指示等が記載されている。指示書内の商品写真、金額及び商品名は、カタログの完成サンプルであり、上段右に、商標権者が平成22年9月場所で納品した「2,630円」の米菓詰め合わせの写真が使用され、枠内に「3150 チムニー ちゃんこ」との記載があるが、これはカタログ完成サンプルとしての仮の表記である。
(12)乙第11号証は、商標権者が平成23年1月場所所用の商品写真3点を国技館サービスへメールにて提出した送信済みメールのキャプチャ画像である。
(13)上記のとおり、本件商標を付した菓子である使用物品が、国技館サービスと商標権者の間で商取引のあったこと、商品見本帳用写真が商標権者から国技館サービスへ要証期間内に頒布され使用されたことを証明(乙第12号証)する。
被請求人の提出に係る乙各号証を徴するに、乙第1号証−2が平成22年9月場所の商品見本帳であるところ、その一枚目左上段の「金時米菓」「二、六三〇」として示された商品(以下「本件商品」という。)は、やや不鮮明ではあるが、乙第4号証−2及び乙第5号証の7枚目と8枚目の製品拡大写真と荷姿が符合しており、また、乙第4号証−1の4枚目左上段に「22年9月場所」の手書きの記載があり、右上段には、「金時米菓」「二、六三〇」として示された商品も同様であり、さらに、乙第4号証−2及び乙第5号証の7枚目と8枚目の製品拡大写真には、「平成二十二年九月場所」、「相撲みやげ」、「両国国技館」と記載されたシールを使用していることが確認できる。
また、商標権者は、あられ製造・販売を事業内容(乙第11号証−2)とするものであり、乙第4号証−2及び乙第5号証の7枚目と8枚目の製品拡大写真の左下の透明の小袋に入ったあられは、商標権者の製造に係る商品であるといえ、商標権者にあてたマルナミ発行の平成21年4月16日付け納品書(乙第6号証−1)には、「品名」欄の冒頭にいずれも「ス」(○の中に記載されている。)が記載され、その最下段に「大銀杏シール 橙」との記載がある。
そうすると、乙第4号証−2及び乙第5号証の7枚目と8枚目の製品拡大写真の左下のあられが入った透明の小袋に付されている橙色で大きく「大銀杏」と記載されているシールは、マルナミから納品のあったシールであると推認できるものである。
そして、このシールには、右側上に小さく「雅駒」の漢字を縦書きし、その左側中央に「大銀杏」の漢字を縦書きし、及び該漢字の下に図形が配されているところ、「雅駒」と「大銀杏」の漢字は、2列に表し、その書体、大きさ、色とを異にし、「大銀杏」の漢字は、本件商標と同一の太字で表されているものである。
さらに、乙第8号証は、国技館サービスへあてた商標権者発行の納品書(控)であり、例えば、平成22年9月12日付けの伝票番号「013717」には、品名欄に「2630せんべい」、摘要欄に「九月場所 初日」との記載があり、平成22年9月17日付けの伝票番号「013723」及び平成22年9月18日付けの伝票番号「013725」の品名欄に「2630せんべい」の記載がある。
以上より、商標権者の製造に係る2,630円の本件商品は、「平成二十二年九月場所」に、国技館サービスと取引され、「相撲みやげ」として「両国国技館」において、需要者へ販売されているといえ、該「相撲みやげ」は、相撲の興行の際に独立した商品として販売(乙第7号証−4及び5)されているものである。
そして、本件商品には、菓子「あられ」が透明の小袋に入っており、該小袋には、本件商標と社会通念上同一と認められる「大銀杏」の漢字を縦書きした商標が付されている。
してみれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者によって本件審判の請求に係る指定商品中「菓子」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したものと認めることができる。
なお、請求人は、「雅駒」の文字の有無及び「おおいちょう」の文字の有無の顕著な相違からして、使用標章は、本件商標とは、別異の商標というべ
きであり、社会通念上同一の商標ということはできない旨述べ、また、相撲の興行の宣伝広告及び販売促進用の物品(ノベルティ)として相撲の興行の観覧者に限り一定の条件で配付をしているにすぎず、それ自体を取引の目的としているものではないから、指定商品についての使用とはいえないし、また、本件商品を含む使用物品は、煎餅の詰め合わせ商品であって、その中身を視認できないから、完成品と部品との関係と同様である旨述べている。
しかしながら、小さく表された「雅駒」の文字と太文字で表された「大銀杏」の文字は、その書体、大きさ、色とを異にしており、一連一体のものと看取される事情も見いだせなく、また、「おおいちょう」の平仮名は、「大銀杏」の読みを表したと容易に認識されるものといえるから、該平仮名が付されていないとしても、本件商標とはその称呼、観念を同一にするものであり、「大銀杏」の部分において、外観も同一であり、「大銀杏」の漢字を縦書きにした商標が使用されている以上、「雅駒」の文字の有無及び「おおいちょう」の文字の有無が本件商標と社会通念上同一の商標の使用であると認定するのに障害となるものでもなく、また、本件商品が販売促進用の物品であるにすぎないとする証左はない。
そして、本件商品は、商標権者が国技館サービスへ納品する際に先立ち、選定業務があり、商品見本の提出や商品見本帳の写真提出(乙第10号証−1及び2、乙第11号証−1)されているとする被請求人の主張を否定することも見いだせなく、本件商品の中身についての確認は、国技館サービスにおいて行われていると推認でき、小袋に入っている状態で商品及び「大銀杏」の文字を国技館サービスが視認できるものといえることからすれば、請求人主張の完成品と部品とは、事情を異にするものである。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すべきでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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