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Trademark Appeal Case

立体商標の類似と不正目的

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2012−900292(T2012−900292/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5506171号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

登録第5506171号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1に示したとおりの構成からなり、平成23年10月20日に登録出願、第32類「ビール,ミネラルウォーター,炭酸水及びその他のアルコールを含有しない飲料,果実飲料及び果汁,シロップその他の飲料製造用調製品」を指定商品として、同24年5月24日に登録査定、同年7月6日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由の要点

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、登録異議の申立ての理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第12号証を提出している。

(1)商標法第4条第1項第10号について

本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されている商標に類似する商標であって、その商品若しくはその商品に類似する商品について使用するものである。

申立人の1人であるナイン エムエム アメリカン ビバレッジ カンパニー リミテッド ライアビリティー カンパニーは、甲第1号証及び甲第2号証に示す欧州共同体商標(商標登録第8454688号、以下「引用標章1」という。)並びに甲第3号証及び甲第4号証に示す国際商標登録(国際商標登録第1112504号、以下「引用標章2」という。)を有している。

なお、引用標章1及び引用標章2を併せていうときは、「引用標章」という。

引用標章1は、本件商標に係る商標登録出願の出願日である平成23年(2011年)10月20日より前の出願日を有する。また、引用標章2は、本件商標に係る商標登録出願の出願日である平成23年(2011年)10月20日より前の基礎出願日を有する。

申立人は、遅くとも2010年から、引用標章1及び引用標章2に係る立体商標と同じ形状を有する商品を、欧州において販売しており、外国(すなわち、欧州)において申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標である(甲第5号証ないし甲第8号証)。

また、本件商標は、引用標章1及び引用標章2に類似する商標であって、その指定商品またはその商品に類似する商品を指定商品に含むものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第19号について

本件商標は、申立人の業務に係る商品(甲第1号証ないし甲第6号証)を表示するものとして外国における需要者の間に広く認識されている商標と類似の商標であって、不正の目的をもって使用するものである。

(1)のように、引用標章1は、本件商標登録に係る商標登録出願の出願日である平成23年(2011年)10月20日より前の出願日を有する。また、引用標章2は、本件商標登録に係る商標登録出願の出願日である平成23年(2011年)10月20日より前の基礎出願日を有する。

また、本件商標と、引用標章1及び引用標章2は、立体商標の形状、構成、文字等のレイアウト等がほぼ一致している。本件商標と立体商標とが偶然にここまで一致する可能性は、合理的に考えてほぼ皆無である。したがって、本件商標の商標権者が、申立人の立体商標(すなわち、商品形状)を模倣して、我が国に商標登録出願したことは明白である。

さらに、本件商標の商標権者は、本件商標の出願日である平成23年(2011年)10月20日より前に、申立人の事業を熟知していた(甲第9号証ないし甲第12号証)。

以上のことから、本件商標は、引用標章1及び引用標章2に係る立体商標が、我が国で登録されていないことを奇貨として、高額で買い取らせるために先取り的に出願した商標登録出願、又は申立人の我が国への国内参入を阻止し若しくは代理店契約終結を強制する目的で出願した商標登録出願に基づく登録商標である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。

3 当審の判断

(1)本件商標と引用標章の類否について

本件商標は、別掲1のとおりの構成からなるところ、その構成中、「9MM」の文字から「ナインエムエム」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。

他方、引用標章1は、別掲2のとおりの構成からなるところ、その構成中、「9MM」の文字から「ナインエムエム」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。

引用標章2は、別掲3のとおりの構成からなるところ、その構成中、「9MM」の文字から「ナインエムエム」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。

したがって、本件商標と引用標章とは、観念において比較することができないとしても、外観において近似した印象を与え、称呼を共通にすることから類似するものである。

なお、引用標章は、いずれも我が国を指定していないものである。

(2)引用標章の周知、著名性について

申立人は、「引用標章が、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標である。」旨の主張をしているので、この点について判断する。

甲第1号証は、欧州共同体商標登録第8454688号の詳細情報であり、甲第2号証は、甲第1号証の翻訳文である。

甲第3号証は、国際商標登録第1112504号の詳細情報であり、甲第4号証は、甲第3号証の翻訳文である。

甲第5号証は、申立人自身のホームページ内に設けられた申立人の紹介ページであり、甲第6号証は、甲第5号証の翻訳文であるところ、甲第6号証には、「2010年には、1年の調査と開発を経て、我々の製品が販売された。それ以来、我々の製品は世界中を席巻し、既に3大陸の22か国において我々の商品は既に提供されている。」の記載がある。

甲第7号証は、申立人からボスニア・ヘルツェゴビナの事業者へ発行した2011年6月20日付の請求書である。

甲第8号証は、申立人からモルディブ共和国の事業者へ発行した2011年7月25日付の請求書である。

甲第9号証は、本件商標に係る商標権者の委任状であり、甲第10号証は、甲第9号証の翻訳文であるところ、甲第10号証には、「氏名:アルバロ ベルモーデス カコン」及び「役職:正式代表人」の記載がある。

甲第11号証は、申立人が「アルバロ ベルモーデスから申立人への2011年9月6日付の電子メール」とする書類であり、甲第12号証は、甲第11号証の翻訳文とする書類であるところ、甲第12号証には、「アルバロ ベルモーデス」の記載があるものの、申立人の記載はない。

以上を総合すれば、引用標章は、申立人の業務に係る商品を表す商標として、日本国内において使用されている事実は認められない。

また、引用標章は、申立人の業務に係る商品を表す商標として、2010年から外国において使用されていることは伺えるとしても、引用標章の使用開始から本件商標の登録出願までは1年程しか経過していないこと、申立人は、本件商標の登録出願時及び査定時における、引用標章を使用した商品の取扱い数、販売高等を明らかにしていないことを考慮すると、引用標章は、上記甲各号証によっては、本件商標の登録出願時及び査定時において、外国における需要者の間に広く認識され、周知性を獲得するに至っていたとは認められないものである。

(3)不正の目的について

提出された証拠によれば、商標権者と申立人の関係が明らかではないことから、本件商標が、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。)をもって使用するものであることを認めるに足るものとは認められない。

(4)商標法第4条第1項第10号について

本件商標と引用標章とは、上記3(1)のとおり、類似する商標というべきである。

しかしながら、引用標章は、上記3(2)のとおり、申立人の業務に係る商品等を表す商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、日本国内の需要者間に広く認識されるに至っているということはできないものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものとはいえない。

(5)商標法第4条第1項第19号について

本件商標と引用標章とは、上記3(1)のとおり、類似する商標というべきである。

しかしながら、引用標章は、上記3(2)のとおり、申立人の業務に係る商品等を表す商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、外国の需要者間に広く認識されるに至っているということはできないものである。

さらに、本件商標は、上記3(3)のとおり、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。)をもって使用するものとは認められない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものとはいえない。

(6)まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同19号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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