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Trademark Appeal Case

類似商標と混同のおそれ

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2012−685014(T2012−685014/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

国際登録第1075714号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件国際登録第1075714号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、2011年3月3日にスイス国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、同年(平成23年)3月15日に国際商標登録出願、第30類「Flours and cereal preparations;cereal−based cooked dishes;bread,pastry and confectionery;upside−down tart,spices.」、第41類「Cooks’ education;organizing and carrying out events in the field of culinary art;training;education in general;entertainment;sporting activities;organization of exhibitions for cultural or educational purposes;reference libraries of literature and documentary records;art exhibitions;gardens for public admission;publications and electronic publications in the field of culinary art.」及び第43類「Services for providing food;services provided by restaurants,bars and snack bars.」を指定商品及び指定役務として、同24年3月27日に登録査定、同年5月18日に設定登録されたものである。

2 引用商標

本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するとして引用する登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第3251560号商標(以下「引用商標1」という。)は、「KRISPY KREME」の欧文字を表してなり、平成5年10月21日に登録出願、第30類「ドーナツ,パイ(洋菓子),パン」を指定商品として、同9年1月31日に設定登録され、その後、同18年12月5日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

(2)登録第4521347号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成13年2月9日に登録出願、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、同年11月9日に設定登録され、その後、同23年11月15日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

(3)登録第4675844号商標(以下「引用商標3」という。)は、「KRISPY KREME」の欧文字を標準文字で表してなり、平成13年8月30日に登録出願、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,菓子及びパン,即席菓子のもと」及び第42類「コーヒ・ココア・菓子・パン・清涼飲料・果実飲料を主とする飲食物の提供,その他の飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として、同15年5月23日に設定登録されたものである。

(4)登録第4675845号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成13年8月30日に登録出願、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,菓子及びパン,即席菓子のもと」及び第42類「コーヒー・ココア・菓子・パン・清涼飲料・果実飲料を主とする飲食物の提供,その他の飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として、同15年5月23日に設定登録されたものである。

(5)登録第4675846号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、平成13年8月30日に登録出願、第30類「ドーナツ,ドーナツのもと」及び第42類「コーヒー・ココア・菓子・パン・清涼飲料・果実飲料を主とする飲食物の提供,その他の飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として、同15年5月23日に設定登録されたものである。

(6)登録第4675908号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成14年8月9日に登録出願、第21類「マグカップ,コーヒーカップ,その他の食器類(貴金属製のものを除く。)」、第25類「スウェットシャツ,ティーシャツ,帽子,その他の被服」及び第43類「ドーナツ・パイ・ケーキ・バンズ・ベーグル・練り粉菓子・コーヒー・ココア・清涼飲料・果実飲料を主とする飲食物の提供,その他の飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として、同15年5月23日に設定登録されたものである。

以下、これらを一括していうときは、「引用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由

申立人は、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第18号証(枝番号を含む。)を提出した。

(1)商標法第4条第1項第11号について

ア 外観について

両商標は、全11文字中「KRISPY KR」の8文字を共通にし、共通する8文字は、需要者、消費者の注意を集める前半部分の単語「KRISPY」及び後半部分の語頭「KR」であることもあわせて考慮すると、本件商標は、外観上、引用商標と似通った印象を与える紛らわしい商標である。

イ 称呼について

本件商標から生じる称呼「クリスピークロスト」及び「クリスピークレスト」と引用商標から生じる称呼「クリスピークリーム」及び「クリスピークレメ」とは、商標の識別において最も影響の大きい語頭部を含む「クリスピーク」の部分(文字数にして約7割の部分)において全く同一である。そして、両商標が時と処を異にして行う離隔的観察の手法にしたがい、曖昧な記憶に基づき称呼され又はこれを聞いたとしたならば、両商標が称呼上の混同を生じることはむしろ必至というべきである。

つまり、両商標は、称呼上も類似することが明らかである。

ウ 観念について

引用商標は、「KRISPY KREME(Krispy Kreme)」の文字からなり、前半の「KRISPY(Krispy)」及び後半の「KREME(Kreme)」ともに、少なくとも英和辞典には掲載されていない言葉であり、具体的な意味は不明である。

しかしながら、引用商標は、申立人の商品、役務を示す商標として我が国において著名となっているから、引用商標に接する需要者、消費者は、「KRISPY KREME(Krispy Kreme)」の文字から直ちに申立人ないし申立人の商品を想起する。

これに対し、本件商標は、「KRISPY KROST」(Oの文字の上には、ウムラウトと思しき記号が付されている。以下同じ。)の文字からなり、引用商標と同じく、前半の「KRISPY」及び後半の「KROST」とともに、英和辞典にはない言葉であり、具体的な意味は不明である。

しかしながら、上記のとおり、「KRISPY」は、我が国においては具体的な意味を有しない新規な言葉と解され、申立人は、これまで「KRISPY KREME(Krispy Kreme)」商標として広く引用商標を使用してきたこと、引用商標が申立人ないし申立人の商品、役務を想起させることからすれば、「KRISPY KR」の文字を同じくする本件商標からは、申立人ないしその関係者を想起させるものといえる。

したがって、本件商標と引用商標は共通する観念を有し、それぞれの商標に接する需要者は、本件商標と引用商標とを観念上も混同するおそれがきわめて大きい。

以上のとおり、本件商標は、引用商標と外観、称呼、観念において極めて紛らわしいから、両商標は、類似する商標である。

また、本件商標と引用商標は、その指定商品(役務)も同一又は類似のものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第15号について

「KRISPY KREME」ドーナツは、1937年に米国ノースカロライナ州ウィンストン・セーラムでバーノン・ルドルフによって創業され、1960年頃には、「KRISPY KREME」ドーナツは、アメリカ南東部で広く知られるようになった。

引用商標は、申立人の国際的な著名商標であり、2006年6月にクリスピー・クリーム・ドナーツ・ジャパンが設立され、同年12月に日本第1号店の新宿サザンテラス店がオープンした際は、長蛇の行列ができるドーナツ店として話題を呼び、そのドーナツの商標である引用商標は、ほぼ開店と同時期より我が国においても周知著名になっているので、これに類似する本件商標は、申立人の業務に係る商品又は役務と混同を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、別掲(1)のとおり、「KRISPY KROST」の欧文字よりなるものであるから、「クリスピークレスト」又は「クリスピークロスト」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと認められる。

他方、引用商標1及び引用商標3は、「KRISPY KREME」の欧文字よりなるものであるから、「クリスピークリーム」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと認められる。

引用商標2及び引用商標6は、別掲(2)のとおり、「Krispy Kreme」の欧文字を有してなるものであるから、「クリスピークリーム」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと認められる。

引用商標4は、別掲(3)のとおり、「Krispy Kreme」の欧文字をよりなるものであるから、「クリスピークリーム」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと認められる。

引用商標5は、別掲(4)のとおり、「Krispy Kreme」及び「DOUGHNUTS」の欧文字を有してなるものであるから、「クリスピークリームドーナツ」の称呼を生じるほか、構成中の「DOUGHNUTS」の文字は、その指定商品又は指定役務との関係において、自他商品又は役務の識別標識として機能しない部分であるから、「Krispy Kreme」の欧文字より、「クリスピークリーム」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと認められる。

そこで両商標を比較するに、本件商標と上記引用商標とは、外観において明らかな差異があり、外観上相紛れるおそれはないものである。

また、本件商標から生じる「クリスピークレスト」又は「クリスピークロスト」の称呼と引用商標から生じる「クリスピークリーム」の称呼を比較すると、「クリスピーク」の音が共通であるとしても、いずれも「レスト」と「リーム」又は「ロスト」と「リーム」の3音に明瞭な差異を有するから、十分に聴別し得るものである。

次に、本件商標から生じる「クリスピークレスト」又は「クリスピークロスト」の称呼と引用商標5から生じる「クリスピークリームドーナツ」の称呼を比較すると、両者は、その構成音数及び音構成において顕著な差異を有するから、時と所を異にして観察しても十分聴別することができ、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標である。

さらに、観念においては、本件商標及び引用商標から格別の観念が生じないから、比較することができない。

してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれよりみても、何ら相紛れるところはなく、非類似の商標である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しないものである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

申立人は、アメリカ合衆国で1937年に創業したドーナツチェーン(甲8、甲9、甲10の2、甲14及び甲16)であり、我が国においても2006年から、別掲(4)に代表される引用商標5を自己の業務に係る商品及び役務に使用し、本件商標の出願時及び査定時において、引用商標5が我が国において著名商標となっていたことは、申立人提出のインターネット情報(甲8、甲9、甲10の6、甲12ないし甲15及び甲18)によっても認めることができる。

しかしながら、本件商標は、前記(1)認定のとおり、引用商標とは、何ら相紛れるところのない、非類似の商標であって、別異の商標であるから、これをその指定商品及び指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者をして、引用商標を連想又は想起させるとはいえないものであって、申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係にある者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわざるを得ない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号にも該当しないものである。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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