1 本願商標
本願商標は、「トライアール」の片仮名を標準文字で表してなり、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具(「ガイガー計数器・高周波ミシン・サイクロトロン・産業用X線機械器具・産業用ベータートロン・磁気探鉱機・磁気探知機・地震探鉱機械器具・水中聴音機械器具・超音波応用測深器・超音波応用探傷器・超音波応用探知機・電子応用扉自動開閉装置・電子顕微鏡」を除く。),電子管,半導体素子,電子回路(「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路」を除く。),電子計算機用プログラム」、第10類「医療用機械器具」及び第11類「電球類及び照明用器具」を指定商品として、平成24年2月23日に登録出願してなるものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録第4960425号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成17年10月20日に登録出願、第1類ないし第3類、第5類ないし第12類、第16類ないし第22類、第24類ないし第31類、第34類、第36類及び第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同18年6月9日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「トライアール」の片仮名を標準文字で表してなるところ、該文字は、辞書類に載録のないものであって、一般に広く親しまれた意味を有する語ともいえないことから、特定の意味を有しない一種の造語を表したものとして理解、認識されるとみるのが相当である。
そうとすると、本願商標は、その構成文字に相応して、「トライアール」の称呼を生じ、また、特定の観念を生じないものといえる。
他方、引用商標は、別掲のとおり、黒色の太線をもってやや図案化して表された「T」、「R」、「I」及び「L」の各欧文字と、該「I」と「L」の欧文字の間に、それらと同じ黒色の太線をもって表された山形様の図形を配してなるところ、該図形は、その線の太さや高さがほかの欧文字と揃うように表されていることに加え、上記欧文字の配列に照応する「TRAIL」が「トライアル」の読み及び「試み」等の意味を有する英単語として一般に広く慣れ親しまれているものであることからすれば、その外形的特徴と相まって、「A」の欧文字を図案化してなるものと認識される場合も決して少なくないと見るのが相当である。
そうとすると、引用商標は、その構成全体をもって、「TRAIL」の英単語を図案化して表してなるものといえるから、これより、「トライアル」の称呼及び「試み」の観念を生じるものと認める。
そこで、本願商標と引用商標との類否についてみるに、両商標は、それぞれ上記のとおりの構成からなるものであるから、外観上、相紛れるおそれはない。
また、本願商標から生じる「トライアール」の称呼と引用商標から生じる「トライアル」の称呼とを比較するに、両称呼は、第4音「ア」に長音「ー」を伴うか否かという差異を有するところ、前者が「ア」の音に長音を伴うことにより、その音の響きが間延びして強く発音され、「トライ/アール」と2音節風に聴取されるものであるのに対し、後者は、称呼全体として平滑な1音節風に聴取されるものであるから、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、語感、語調が少なからず相違したものとなり、互いに聞き誤るおそれはないというのが相当である。
さらに、本願商標は、特定の観念を生じないものである一方、引用商標は、「試み」の観念を生じるものであることから、両商標は、観念上、相紛れるおそれはない。
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても、相紛れるおそれのないものであり、また、両商標を同一又は類似の商品に使用した場合においても、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれがあるとみるべき特段の取引の実情は見いだせないから、本願商標と引用商標は、非類似の商標とみるのが相当である。
したがって、本願商標と引用商標とが称呼上類似の商標であるとし、その上で、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取り消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。