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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2012−19085(T2012−19085/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「TOHO」の欧文字を標準文字で表してなり、平成23年6月16日に登録出願された商願2011−41832を原出願とする商標法第10条第1項の規定による商標登録出願(分割出願)として、第16類「紙製包装用容器,紙製のぼり,紙製旗,紙製テーブルクロス」を指定商品として、平成23年12月21日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)ないし(2)のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第4837291号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成16年4月9日に登録出願、第22類「ターポリン,帆,織物用化学繊維,衣服綿,布団袋,布団綿,綱類,網類(金属製又は石綿製のものを除く。),布製包装用容器,雨覆い,天幕,日覆い,ザイル,登山用又はキャンプ用のテント」、第23類「糸(脱脂屑糸を除く。)」及び第24類「織物(畳べり地を除く。),メリヤス生地,フェルト及び不織布,ゴム引防水布,ビニルクロス,レザークロス,ろ過布,布製身の回り品,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,ふきん,シャワーカーテン,のぼり及び旗(紙製のものを除く。),カーテン,テーブル掛け」を指定商品として、同17年2月4日に設定登録されたものである。

(2)登録第5406960号商標(以下「引用商標2」という。)は、「淘宝」の漢字を横書きしてなり、平成22年6月2日に登録出願、第16類「紙製包装用容器」及び第35類「競売の運営」を指定商品及び指定役務として、同23年4月15日に設定登録されたものである。

以下、引用商標1及び引用商標2をまとめていうときは、「引用商標」という。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、前記1のとおり「TOHO」の欧文字からなり、構成文字全体に相応して「トーホー」の称呼を生じ、特定の観念を生じない造語とみるのが相当である。

(2)引用商標1について

引用商標1は、別掲のとおり、上段に上辺が緩やかに湾曲した矩形図形内に「トーホウ」の片仮名を白抜きで表し、中段にやや丸味を持たせた「ベスロン」の片仮名を書し、下段に下辺が緩やかに湾曲した矩形図形内に「アクリルせんい」の文字を白抜きで表してなるものである。

一方、その構成中、下段の「アクリルせんい」の文字は、その指定商品との関係において、取引者、需要者をして、商品の原材料を表示したものとして理解し、認識するものであるから、該文字部分は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないか又は極めて弱いものとみるのが相当である。

そうすると、本願商標は、その構成中の「トーホウ」及び「ベスロン」の文字部分が商品の出所識別標識としての機能を果たすものというべきである。

ところで、その構成中、上段の「トーホウ」の文字部分と、中段の「ベスロン」の文字部分は、その構成態様に歴然とした差異を有することからすると、これらは視覚上分離して看取されるものであり、また、これらが一体となって特定の観念を有するものとは認められないばかりでなく、常に「トーホウ」の文字部分と「ベスロン」の文字部分とが一体不可分のものとして看取、把握しなければならない特段の事情を見いだし得ない。

そうとすれば、本願商標に接する取引者、需要者は、上段に白抜きされた「トーホウ」の文字部分又は「ベスロン」の文字部分を捉えて、商品の取引に資する場合があるとみるのが相当である。

してみれば、引用商標1は、その構成全体から「トーホウベスロンアクリルセンイ」の称呼を生じ、「アクリル繊維」を原材料とする商品との関係においては、「トーホウベスロン」の称呼を生ずるほか、「トーホウ」又は「ベスロン」の称呼をも生ずるといえるものである。

そして、引用商標1は、その構成全体、上段と中段に表された「トーホウ」及び「ベスロン」の文字部分、上段の「トーホウ」の文字部分並びに中段の「ベスロン」の文字部分のいずれからも、特定の観念を生じないものである。

(3)本願商標と引用商標1の類否について

ア 外観について

本願商標と引用商標1とは、前記(1)及び(2)のとおりの構成からなるものであり、両者の全体構成においては顕著な差異を有するものである。 イ 称呼について

本願商標からは、「トーホー」の称呼が生ずるのに対し、引用商標1から「トーホウベスロンアクリルセンイ」、「トーホウベスロン」及び「ベスロン」の称呼を生ずる場合には、その音構成及び構成音数において明らかな差異があるから、それぞれを一連に称呼するときは、互いに聴き誤るおそれはないものである。また、引用商標1から「トーホウ」の称呼を生ずる場合には、「トーホー」の称呼を生ずる本願商標と「トーホウ」の称呼を生ずる引用商標1とは、ともに4音という比較的短い音構成において、語頭を含む「トーホ」の3音を共通にし、語尾において長音「ー」と「ウ」の音の差を有するのみであるから、該差異音である長音「ー」と「ウ」の音にしても、いずれも明確に聴取し難い語尾に位置する音であるばかりでなく、前者の長音「ー」は、前音「ホ」の母音(o)の音をそのまま延ばすものであり、後者の「ウ」の音は、前音「ホ」の母音(o)と二重母音を形成する結果、前音の母音(o)から一音節として途切れなく発音されるものであることからすれば、両称呼は近似しているといえるものである。

ウ 観念について

本願商標と引用商標1とは、いずれも特定の観念を有しないものであることから、両者は、同一の観念が生じないものであって、互いに相紛れるおそれはなく、観念上類似しない。

エ 小活

以上を総合して考察すると、本願商標と引用商標1とは、称呼において、「トーホー」の称呼と「トーホウ」の称呼が近似する場合があるとしても、外観において著しく相違し、かつ、観念において類似するものではないことから、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想は、外観における極めて顕著な差異が、称呼の類似性を凌駕するというのが相当であって、時と所を異にして観察しても出所の混同を生じさせるおそれのない非類似の商標というべきものである。

(4)引用商標2について

引用商標2は、「淘宝」の漢字を横書きしてなるところ、その構成文字に相応して、「トウホウ」の称呼を生ずるものである。そして、一般に漢字は、一つ一つが特定の意味を表す表意文字であるから、漢字2字からなる語が辞書等に掲載されていないとしても、自ずとその全体の意味を想起しえることが多いものである。

してみれば、引用商標2からは、「(水で)ゆり分けた宝」程の意味合い(観念)を生じ得るものである。

(5)本願商標と引用商標2の類否について

ア 外観について

本願商標と引用商標2とは、前記(1)及び(4)のとおりの構成からなるものであり、両者の全体構成においては顕著な差異を有するものである。 イ 称呼について

本願商標からは、「トーホー」の称呼が生じ、引用商標2から「トウホウ」の称呼を生ずるものであるから、両者は、ともに4音という比較的短い音構成において、語頭を含む「ト」及び「ホ」の音を共通にし、第2音及び第4音において長音「ー」か「ウ」の音かの差を有するのみであるから、両称呼は、音調、音感が近似したものといえる。

ウ 観念について

本願商標は、特定の観念を有しない造語であり、引用商標2からは「(水で)ゆり分けた宝」程の観念を生ずることから、両者は、互いに相紛れるおそれはなく、観念上類似しない。

エ 小活

以上を総合して考察すると、本願商標と引用商標2とは、称呼において近似する場合があるとしても、外観において著しく相違し、かつ、観念において類似するものではないことから、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想は、外観における極めて顕著な差異及び観念における差異が、称呼の類似性を凌駕するというのが相当であって、時と所を異にして観察しても出所の混同を生じさせるおそれのない非類似の商標というべきものである。

(6)まとめ

以上のとおりであるから、本願商標と引用商標とは、その称呼において近似する場合があるとしても、外観において顕著な差異を有し、観念において類似しないものであるから、これらを総合的に観察、対比すれば、両商標が類似するということはできない。

そして、前記の判断を左右するような取引の実情も見あたらない。

したがって、商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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