Trademark Appeal Case
色彩名称の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2011−20064(T2011−20064/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「RED」の欧文字を標準文字で表してなり、第9類「カメラ用レンズ,デジタルカメラ用レンズ」を指定商品とし、2009年2月11日アメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成21年6月3日に登録出願されたものである。
2 原査定における拒絶の理由の要旨
原審においては、本願を拒絶すべき旨の理由として、以下の(1)及び(2)を通知した後、本願商標は、その(2)に係る登録第4313653号商標との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
(1)本願商標は、色彩の一である「赤、赤色」を意味し、親しまれている英語「RED」の文字を標準文字で表してなるものであるから、本願商標をその指定商品中、例えば、赤色の塗色を施したカメラ用レンズなど上記文字に照応する商品について使用した場合には、これに接する者をして商品の色彩を理解するにとどまり、単に商品の品質を表したものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)本願商標は、登録第4313653号商標及び登録第4858969号商標と同一又は類似の商標であって、それらの商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 当審においてした審尋
当審において請求人に対し、平成24年5月25日付けでした審尋の内容は、別掲のとおりである。
4 審尋に対する請求人の回答の要点
請求人は、前記3の審尋に対して、要旨次のように意見を述べている。
(1)一般大衆向けのデジタルカメラにおいては、レンズ枠が赤いカメラ用レンズは存在するが、請求人の商品は、デジタルシネマ制作会社向けのものであって、機能が重視され、ファッション性を追求したカラーバリエーション展開はされておらず、すべて黒色のものである。
(2)商品の名称や品番と別個に単独で「RED」の文字を使用した場合は、商品そのものが特定できないので、該文字は、商品の色彩を表す言葉ではなく、むしろ商標として認識されるとみるのが相当である。
(3)請求人は、米国、欧州、シンガポール等、世界約20か国・地域において、本願と同様の商標及び商品について登録商標を所有しており、これらの国々においては、「RED」の文字が、自他商品の識別力を有すると判断されている。
(4)以上のとおり、本願商標は、自他商品の識別標識として機能するものであり、商標法第3条第1項第3号に該当しないものである。
5 当審の判断
(1)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「赤、赤色」を意味する英語として慣れ親しまれている「RED」の欧文字を標準文字で表してなるものであるところ、本願の指定商品を取り扱う業界においては、先の審尋において示したとおり、近年、従来の主流である黒色の製品に加えて、様々な色彩を施した製品が一般に製造、販売されている実情にあるといえることからすれば、「RED」の欧文字からなる本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、商品の色彩が「赤色」であることを表示したものと認識するにとどまるとみるのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、自己の取り扱う商品が、機能を重視するデジタルシネマ制作会社向けのものであって、黒色以外のものはないこと及び商品の名称や品番と別個に単独で使用した「RED」の文字は、商品の色彩を表したものとして認識されることはなく、自他商品の識別力を有するものであることから、本願商標は、登録されるべきものである旨主張する。
しかしながら、本願商標が、その指定商品を取り扱う業界における取引の実情に照らし、取引者、需要者をして、商品の色彩を表したものと認識するにとどまることは、上記(1)においてした認定、判断のとおりであるから、この点についての請求人の主張は、採用することができない。
また、請求人は、米国、欧州、シンガポール等において、本願と同様の商標及び商品について、「RED」の文字が、自他商品識別力を有すると判断されていることからすれば、我が国においても、本願商標は、自他商品の識別標識として認識されるものである旨主張するが、諸外国と我が国の商標保護に関する法制は、細部においては自ずと異なるものであるから、本願商標の登録の適否は、専ら我が国商標法の下において判断されるべきものであって、諸外国における登録状況等の事情をもって、上記(1)においてした本件判断が左右されるべきではなく、よって、この点についての請求人の主張も採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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