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結論

勝訴(請求認容)

商標「パルミジャーノ レッジャーノ」の地理的表示の識別性(第4条第1項第16号・第3条第1項第3号|審判不服2012−18364(T2012−18364/J1))

審判番号
不服2012−18364(T2012−18364/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「パルミジャーノ レッジャーノ」
争点(論点)
地理的表示の識別性
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2012−18364(T2012−18364/J1)・不服)は、本件商標「パルミジャーノ レッジャーノ」について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「地理的表示の識別性」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、団体商標として登録をすべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「パルミジャーノ レッジャーノ」の文字を標準文字で表してなり、第29類「チーズ」を指定商品として、平成23年8月17日に団体商標として登録出願され、その後、指定商品については、当審における同24年12月28日付け手続補正書により、第29類「イタリア国ボローニャのレーノ川左岸まで・マントバのポー川右岸まで・モデナ・パルマ及びレッジョ・ネレミリア地方で生産されたチーズ」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『パルミジャーノ レッジャーノ』を標準文字で表してなるところ、『パルミジャーノ』及び『レッジャーノ』は、ともにイタリア共和国、エミリア・ロマーニャ州に属する地域であって、それぞれ、『パルマの』、『レッジョ・エミーリアの』等の意を有する語である。そして、『チーズ図鑑(株式会社文藝春秋発行)』によれば、『パルミジャーノ・レッジャーノ』は、『(地方名 パルマの、レッジョ・エミリアの)』との簡易な注釈が付された上で、『産地 イタリア エミリア・ロマーニャ州、パルマ、レッジョ・エミリア、モデナ各県全域とボローニャ県の一部及びロンバルディア州マントヴァの一部』と紹介されており、『伊和中辞典第2版』には、それぞれ、『パルメザンチーズ』、『パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ』との和訳も紹介されていることからすれば、ともに、イタリア共和国の主要なチーズの産地であることが伺える。また、前記原産地で生産され、かつ、PDO(原産地呼称制度。イタリア共和国では『DOP』という。)の認定を受けたものだけが、『パルミジャーノ・レッジャーノ』と名乗ることができる、厳格な品質管理体制のもと生産されている実情が伺える。さらに、該名称は、我が国においても、イタリアチーズの産地を示すものとして、一般に広く親しまれているものということができる。そうとすると、本願商標を、その指定商品に使用しても、これに接する需要者、取引者は、イタリア産チーズの代表的な産地を表示したものと認識するにとどまるといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商品の産地、販売地を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものと認められるので、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記『イタリア エミリア・ロマーニャ州、パルマ、レッジョ・エミリア、モデナ各県、ボローニャ県、ロンバルディア州マントヴァ』で生産される商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記1のとおり「パルミジャーノ レッジャーノ」の文字からなるところ、その構成中の「パルミジャーノ(parmigiano)」は、「パルマの」「パルマの人」を、「レッジャーノ(reggiano)」は、「レッジョ・エミリアの」「レッジョ・エミリアの住民」をそれぞれ意味するイタリア語(「小学館 伊和中辞典 初版」昭和58年1月10日発行)」であって、いずれもイタリアの地名に関連する語であるものの、これらを結合してなる本願商標は、特定の地名や地域を表したものと認識するものとはいい難い。

また、「パルミジャーノ レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)」について、請求人提出の資料、同人の主張及び職権調査によれば、次の事実が認められる。

(1)請求人は、1934年に設立された、パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズの全生産者が加盟し、パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズの生産と販売及びその原産地表示を保護・管理する活動等を行っている非営利団体である。

(2)「パルミジャーノ レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)」の名称は、イタリアの定められた原産地である「パルマ、レッジョ・エミリア、モデナ、マントヴァのポー川右岸、ボローニャのレーノ川左岸」で生産及び加工され、厳格な生産方法(生産基準)、管理された乳牛の給餌方法(給餌規制)及び品質選別と合格マークの押印(マーク規制)を要求する厳しい規則に従って生産され、かつ、請求人の鑑定に合格したものだけに付すことができる表示である。

(3)欧州連合(EU)は、数世紀にわたり受け継がれているノウハウに従って、職人が作り続けてきた高品質の製品を保護し、継承して行くために、その製品の品質と名称を保護・認証する「地理的表示(GI)」制度を設けているが、同制度の紹介や、「パルミジャーノ レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)」が同制度の認定を受けた代表的な製品として、我が国でも別掲1のとおり広報活動が行われている。

(4)我が国の書籍には、「パルミジャーノ レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)」について、別掲2のとおり、イタリアの特定の地域で生産された一定の品質が備わっているチーズとして掲載されている。

(5)我が国におけるチーズを取り扱う業界において、「パルミジャーノ レッジャーノ」が、イタリア産の特定の品質のチーズを表示するものとして、別掲3のとおり使用されている。

そうとすれば、我が国において、「パルミジャーノ レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)」の文字は、イタリアで定められた原産地で生産され、かつ、請求人による鑑定に合格したチーズの銘柄として用いられ、認識されていると判断するのが相当である。

また、当審において職権をもって調査するも、「パルミジャーノ レッジャーノ」の文字が具体的な地域(地名)を表すものとして、取引上普通に使用されているという事実を見いだすことはできなかった

してみれば、本願商標は、これをその補正後の指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が本願商標を商品の産地又は販売地を表示したものと認識するものとはいえず、自他商品の識別標識としての機能を果たすものであって、かつ、商品の品質の誤認を生じさせるおそれもないものとみるのが相当である。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく取消しを免れない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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