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Trademark Appeal Case

「BOURBON」の多義性と品質誤認

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年異議第91173号
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4271092号商標の登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4271092号商標(以下「本件商標」という。)は、平成9年11月28日に登録出願され、「BOURBON」の文字と「香のタルト」の文字とを二段に横書きしてなり、第30類「タルト」を指定商品として平成11年5月14日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

本件商標は、特定の品質を有するウイスキーの普通名称である「BOURBON」の文字を有してなるから、これを、バーボンウイスキーを含有するタルト以外の指定商品に使用した場合には、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当し、その登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)本件商標は、上記のとおり、「BOURBON」及び「香のタルト」の両文字よりなるものであるところ、「ウイスキー」は、「大麦・ライ麦・トウモロコシなどを麦芽で糖化し、酵母を加えて発酵させ、蒸留した酒」(岩波書店発行「広辞苑」参照)であって、我が国においても、「スコッチウイスキー」、「カナディアンウイスキー」、「バーボンウイスキー」などが一般に知られており広く飲用され親しまれている洋酒であり、ウイスキーについて「スコッチ」といえば「スコッチウイスキー」を指すように「バーボン」といえば「バーボンウイスキー」を指すことは周知の事実と認められる(例えば、上掲「広辞苑」の「バーボン【bourbon】トウモロコシから作る蒸留酒。アメリカのケンタッキー州バーボンで作られた。」の項参照)。

しかしながら、「バーボン」を表す英語の「bourbon」の語は、これのみをもって直ちに「バーボンウイスキー」を意味するものとして一般に理解されているとまでは認めることができず、その証左もない。また、これと同じ綴りの「Bourbon」が「(フランスの)ブルボン王家の人」(例えば三省堂発行「EXCEED」英和辞典参照)をも意味する語であり、我が国の国語辞典に「ブルボン王朝」(上掲「広辞苑」、講談社発行「日本語大辞典」参照)、「ブルボン家」(小学館発行「国語大辞典」参照)などの項が設けられ、「ブルボン」に関連する語が掲載されている事実からすると、「bourbon(Bourbon)」の語は、「バーボンウイスキー」を表すものと理解されるほか、「ブルボン王家」「ブルボン王朝」「ブルボン家」などの「ブルボン」(以下「ブルボン王朝のブルボン」という。)の意味合いのものと認識される場合があると解することができる。

(2)そうすると、本件商標の構成中の「BOURBON」の文字は、必ずしも直ちに「バーボンウイスキー」を看取させるものと言い得ないばかりでなく、本件商標の指定商品「タルト」は、「パイ生地やビスケット生地を皿状の焼き型に敷き、イチゴや桃などの果物やアーモンドなどのナッツ類を生地の上に並べた菓子」(調理栄養教育公社発行「調理用語辞典」)で、仮に、ウイスキー、ブランデー等の洋酒などが使用される場合があるとしても、それは、主要な原材料としてではなく、単に香り付、風味付のために使用される添加物の一つとして使用されるに止まるというべきである。

これらを総合すると、本件商標の構成中の「BOURBON」の文字が商品「タルト」の品質を具体的に表示するものであるということはできない。

(3)してみれば、本件商標は、その指定商品に使用した場合、バーボンウイスキーを成分として含むタルトであると認識されることはないから、商品の品質の誤認を生ずるおそれはない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に違反して登録されたものではない。

よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。

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