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Trademark Appeal Case

商標使用事実の証明

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2012−300132(T2012−300132/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第2627245号商標の指定商品中、第3類「オリーブ油を含有する化粧品」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第2627245号商標(以下「本件商標」という。)は、「オリブ」の片仮名と「OLIV」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、平成2年6月4日に登録出願、第4類「オリーブ油を含有するせつけん類、歯みがき、化粧品、香料類」を指定商品として、平成6年2月28日に設定登録、その後、同16年2月24日に商標権の存続期間の更新登録がされ、また、指定商品については、同17年2月16日に、第3類「オリーブ油を含有するせっけん類,オリーブ油を含有する歯磨き,オリーブ油を含有する化粧品,オリーブ油を含有する植物性天然香料,オリーブ油を含有する合成香料,オリーブ油を含有する調合香料,オリーブ油を含有する精油からなる食品香料,オリーブ油を含有する薫料」を指定商品とする商標権の書換登録がされたものである。

なお、本件審判請求の登録は、平成24年3月8日にされている。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由、答弁に対する弁駁及び口頭審理陳述要領、並びに上申を要旨次のように述べ、証拠方法として甲1〜14(枝番号を含む。)を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、その指定商品中「オリーブ油を含有する化粧品」について過去3年以内の間に日本国内において使用されていない可能性が高い。また専用使用権者又は通常使用権者の何れの登録もされていないから、本件取消請求にかかる指定商品につき、商標法50条1項の規定により、取り消されるべきである。

2 答弁に対する弁駁

(1)被請求人は、「本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において通常使用権者により指定商品中『オリーブ油を含有する化粧品』について使用している」と主張するが、使用事実の証明に該当しない。

(2)乙4及び5は、虚偽記載されたものであり、乙6には本件商標がなく、本件審判請求の登録前3年以内(以下「要証期間内」という。)についての本件商標の使用にはなり得ない。

(3)薬事法では、平成17年4月1日以降、化粧品の包装表示の中で、「製造元」と「販売元」を併記する際は、その責任を明確にするために、「製造販売元」を記載することが義務付けられたが、乙1には、「製造元」としか記載されていない。このため、この外箱は薬事法により、要証期間内に日本国内において流通していない外箱になることから、乙1は、要証期間内についての本件商標の使用に該当しない。

(4)乙2は、どこにも本件商標等がなく、要証期間内についての本件商標の使用証明に該当しない。

(5)乙3は、乙1の外箱写真であり、要証期間内についての本件商標の使用証明に該当しない。

(6)乙7は、通常使用権許諾契約書であり、要証期間内についての本件商標の使用証明に該当しない。

(7)以上のように、被請求人の答弁書及び乙各号証によっては、本審判の請求に係る指定商品について本件商標の使用事実が証明されていないのであり、かつ不使用の正当理由についても主張がないことからすれば、本件商標の指定商品中「オリーブ油を含有する化粧品」については商標法50条1項の規定により取消しを免れない。

3 口頭審理における陳述

(1)被請求人は、薬事法による表示規制前に製造済みの乙1の外箱が多数残存していることから、表示規制以降は、製造販売元の表示を記載したシールを貼付し出荷していると主張するが、シールができた時点で、貼付し、資材在庫として管理するのが常道。7年以上経過の現在、乙1のような出荷できない状態の資材管理はあり得ない。

乙1は、当然にシール貼付済みであるべきである。本件商標を不使用だからこそ、義務表示シールのない外箱を乙1として提出したと考えるのが自然である。

(2)被請求人は、乙1に表示の商品(但し、シール貼付済み)について、「平成20年4月から平成22年3月の2年間、製造販売元を表示したシールを貼った、オリブ OLIV スティックをブラウン・ブラック共にセールスしました・・・」と記載された株式会社日本パワーウッド(以下、「日本パワーウッド」という。)の代表取締役のH氏の陳述書を乙11として新たに提出している。

なお、以下、乙1の「本件商標が表示された化粧品」を「本件商品」又は、「オリブ/OLIVスティック」、若しくは、「オリブ OLIV スティック」ということがある。

乙1〜13のうち、偽造が確認された乙4及び5以外では、この乙11が被請求人による要証期間内日付を示す唯一の証拠になっている。

しかるに、本件商標の取り消しを免れるには、本件商標の使用を客観的に立証する必要があり、請求書、納品書等の取引書類、商品のパンフレット等の宣伝広告資料の提出が求められる。乙11のような証明書1件のみをもって本件商標の使用事実を立証したことにならない。この乙11には、株式会社日本パワーウッド代表取締役の者の署名がある。

被請求人が本件商標権の通常使用権者と主張する株式会社不動化学(以下、「不動化学」という。)は、日本パワーウッドの登録商標「炭黒泉」(甲8)を用いて「炭黒泉」シリーズを製造販売していることから、乙11は、被請求人の関係者による証明であり、信憑性は全くない。

加えて、乙11には「平成20年4月から・・・オリブ OLIV スティックを・・・セールスしましたが、残念ながら成約に至らず販売することができませんでした。」との文面があるが、そもそも、流通不可能な偽造外箱に収容された商品が市場に流通し販売されることなどあり得るはずがない。

(3)被請求人による乙4〜6及びこれに基づく主張の撤回は、虚偽のこれら証拠書類を作出する行為に及んだことを自ら認めたのと同然であり、他の証拠書類の信用性も大きく減殺されるのを免れない。

(4)被請求人は、前記(2)のとおり、乙1の外箱に製造販売元を表示したシールを貼付けてセールスしましたと、乙11で主張するが、実際に流通(需要者M氏購入)していた甲3の1(「オリベスティック」なる化粧品)にはシール対応がなされておらず、辻褄が合わない。

かくのごとく、乙1の外箱が市場に存在しない偽造品であるだけでなく、乙10及び11の外箱も、本件審判請求後、本件商標の取り消しを逃れるためだけに、乙1の外箱に製造販売元を記載したシールをさらに貼付けた偽造品である。

4 口頭審理後の上申

(1)被請求人は、日本パワーウッドは、不動化学と取引関係があるにすぎず、全くの第三者である旨、主張しているが、取引関係企業者による商標の使用証明では、不適合である。乙11のような取引関係者である日本パワーウッドの証明書のみによっては、本件商標の使用事実を客観的に証明したことにならないと考える。

(2)被請求人が最初に提出した外箱の写真は乙1であるが、請求人によりそれが要証期間内に日本国内において使用不可能な外箱であると指摘されてから、訂正シールを貼り付けた外箱を次に乙10として提出した。

乙4〜6に関しては、請求人から悪意をもって作成された虚偽による書証であると立証され、撤回するに至っている。訂正シール等の不自然さだけでなく、被請求人のこうした行為により、「オリブ/OLIVスティック」の本件商品そのものが存在していなかったと見るのが相当と考える。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由、口頭審理陳述要領および上申を要旨次のように述べ、証拠方法として乙1〜27(枝番号を含む。)を提出した。

1 答弁の理由

本件商標の使用の事実は以下のとおりである。

(1)本件商標の使用

本件商標の通常使用権者である「不動化学」は、要証期間内に我が国においてその請求に係る指定商品中「オリーブ油を含有する化粧品」について、本件商標を使用している。

(2)商標の使用者

本件商標の使用者は、通常使用権者である不動化学である。

乙1の「商品包装(外箱)」、乙3の「商品パンフレット」及び乙9の「化粧品製造製品届書」には、「不動化学」、「大阪市平野区・・・」が表示されている。

乙7の「通常使用権許諾契約書」には、被請求人(商標権者)が不動化学に本件商標の使用を商品「せっけん類、歯磨き類、化粧品類、香料類」について許諾した旨の記載がされている。

(3)使用に係る商品

乙1の「商品包装(外箱)」及び乙3の「商品パンフレット」には、本件商標(「本件商品」の記載ミスと思われる。)が記載されている。

(4)使用に係る商標

乙1及び3には、本件商標が記載されている。

(5)使用時期

乙4〜6の取引書類には、要証期間内における不動化学から小売を受託したエステート不動の記載がされている。

2 口頭審理における陳述(口頭審理時に提出の上申を含む)

(1)乙1の外箱は、薬事法の製造販売元表示義務が課せられた時点において、不動化学のもとには、表示義務前に製造済の乙1の外箱の在庫が多数残存していたため、平成17年4月1日以降は、この義務表示が印刷されたシールを作成し、外箱に貼付して出荷することで対応したものである。

当然ながら、要証明期間内においても、同様に、上記シールを外箱に貼付し必要な表示を行った上で出荷している(乙10)。このことは、今回提出する日本パワーウッド代表取締役のH氏が、乙1記載の本件商品について「平成20年4月から平成22年3月の2年間、製造販売元を表示したシールを貼った、オリブ OLIV スティックをブラウン・ブラック共にセールスしました・・・」と記載されているとおりである(乙11)。

したがって、要証期間内において、本件商標権の通常使用権者である不動化学は、表示義務事項が印刷されたシールを乙1の外箱に貼付して、本件商標が印刷された乙1を使用していた。

(2)乙4〜6(取引書類)は、提出資料準備を担当していた不動化学の従業員に誤解があり、誤った書証が提出されていたことが判明したため、当該書証及びこれに基づく主張は撤回する。

(3)新たに提出する日本パワーウッドの資料に記載のとおり、要証期間内において、乙1及び2の本件商品が販売されており、本件商標が使用されていたことに変わりはない(乙11)。

(4)甲3の1及び3の2「オリベットスティック」はオリーブ油を含有しない別商品であり、これと乙1の本件商品は別の商品である。甲3の1及び3の2の外箱は、「オリベットスティック」のものであり、これとは別に、乙1の外箱は、本件商品の外箱として使用されていた(乙11)。

(5)請求人の陳述要領書の内容に関し、事実関係の説明のため、本件商標権の通常使用権者である不動化学総括部長のK氏作成の陳述書を乙14として提出する。

(乙14の陳述書の要点)

請求人は、「乙11の作成者である日本パワーウッドの代表取締役のH氏は、被請求人の関係者による証明であり、信憑性は全くない。」旨、主張するが、日本パワーウッドは、当社(不動化学)と取引関係にあるにすぎず、全くの第三者であることから、乙11は、第三者の作成した書証として十分な信用性のあるものである。

(6)被請求人は、エステート不動及び日本パワーウッドに通常使用権を許諾していない。

3 口頭審理後の上申

(1)請求人は、甲3の1にシールが貼付されていないのに、乙10及び11にシールが貼付されているのは不自然である旨、主張しているが、不動化学では、商品の出荷の都度に、出荷分について製造販売元シールを貼り付け出荷する方法をとっていたため、甲3の1は、出荷の際の貼り付け漏れによるものに過ぎない。

(2)不動化学と乙11の陳述書の作成者である日本パワーウッドとの関係は、前者が、製造販売元であり、卸業者である後者に商品を販売していただく立場であって、後者が、当然に立場が上である。

仮に前者(不動化学)が後者(日本パワーウッド)に対して虚偽の書類作成を依頼するならば、即刻信用を喪失し、以後の取引は消滅してしまう。前者がそのような依頼を行うことはありえないし、後者がこれに応じることも考え難い。

また、両者は、地理的にも大阪と千葉で離隔していることからも後者は、乙14の陳述書に記載のとおり、前者と取引関係にあるだけの純粋な第三者であることは明らかであるから、乙11の信用性に問題はない。

(3)請求人は、請求人独自の意見に合致しないというだけで、短絡的に、商品そのものの不存在や、偽造などの極論に直結させるが、本件商品「オリブ/OLIVスティック」が存在し販売されていたことは歴史的事実である。

第4 当審の判断

1 被請求人及び請求人の提出に係る各号証及び両当事者の主張より、以下の事実が認められる。

(1)被請求人の提出の乙10、11及び14並びにこれらに関する被請求人の主張について

ア 乙10及びその提出経緯について

乙10は、被請求人が当初、本件商標の使用を示すべく本件商標が表示された化粧品として提出した乙1の外箱に、訂正シールを貼付の上、再提出されたものであり、そこには、2種類(ブラウン、ブラック)の外箱が表されている。

その外箱には、「白髪をすばやくお手入れ出来る!/はえぎわヘアースティック」、本件商標、成分表示として「・・・オリーブ油・・・」及び製造販売元として「株式会社不動化学」、「大阪市・・・」並びに発売元として「株式会社エステート不動」等が記載されている。

再提出の経緯は、本件商標が表示された乙1の化粧品(オリーブ由を含有する化粧品)の外箱は、薬事法(平成17年4月1日以降、製造販売元の記載義務)の施行により要証期間内に流通し得ない外箱であるとの指摘を請求人から受けたところ、被請求人は、薬事法施行以降は、商品の出荷の都度に、出荷分について乙1の外箱に、製造販売元を記載した訂正シールを貼付した外箱で出荷していたとして、これを乙10として提出したものである。

イ 乙11について

これは、日本パワーウッド代表取締役のH氏による陳述書であり、上部には、乙1に記載の商品について、「平成20年4月から平成22年3月の2年間、製造販売元を表示したシールを貼った、オリブ OLIV スティックをブラウン・ブラック共にセールスしましたが、残念ながら成約に至らず販売することが出来ませんでした。」との活字記載及び日付け(平成24年10月2日:但し、数字を入れるだけのもの)の記載のほか、ゴム印と思われる住所(千葉県・・・)、社名(株式会社日本パワーウッド)及び社印が押印されている。

また、その下方には、乙10と同一の2種類(ブラウン、ブラック)の外箱の写しが掲載されている。

そして、被請求人は、これをもって、本件審判請求の要証期間において、本件商標権の通常使用権者である不動化学は、表示義務事項が印刷されたシールを乙1の外箱に貼付して、本件商標が印刷された乙1を使用していた旨、主張している。

ウ 乙11の関連について

被請求人は、口頭審理時及びその後の上申において、日本パワーウッドに通常使用権を許諾していない旨、主張している。

また、被請求人は、不動化学と乙11の陳述書の作成者である日本パワーウッドとの関係は、前者が、製造販売元であり、後者が卸業者である旨、主張している。

エ 乙14について

これは、本件商標権の通常使用権者であるとする不動化学のK氏による陳述書であるところ、これには、不動化学が商品を委託・販売するにあたり、委託・販売先が一定の取引関係がある者になることは、当然であって、日本パワーウッドは不動化学と取引関係にあるにすぎない全くの第三者である。 そのうえで、乙11は、第三者の作成した書証として十分な信用性のあるものである旨、記載されている。

(2)請求人の提出の甲3の1及びこれに関する主張について

甲3の1は、製造販売元表示義務に関する薬事法施行以降、需要者M氏が実際に購入したとする「オリベスティック」なる化粧品の外箱であり、請求人が提出したものである。

しかしながら、請求人は、当該外箱には、製造販売元の訂正シールが貼付されておらず、商品の出荷の都度に、出荷分について、乙1の外箱に製造販売元を記載した訂正シールを貼付した外箱で販売したという被請求人の主張と辻褄が合わない旨、主張している。

2 以上の事実及び両当事者の全主張より以下判断する。

(1)本件商標の使用に関する陳述書について

被請求人が、本件商標の使用を証明するものとして提出の乙11は、前記1(1)イのとおり、日本パワーウッド代表取締役のH氏による陳述書であり、乙1に記載の商品について、「平成20年4月から平成22年3月の2年間、製造販売元を表示したシールを貼った、オリブ OLIV スティックをブラウン・ブラック共にセールスしましたが、残念ながら成約に至らず販売することが出来ませんでした。」と記載されている。

しかしながら、この陳述書における上部の「平成20年4月から平成22年3月の・・・セールスしましたが、残念ながら成約に至らず販売することが出来ませんでした。」との文言は、予め活字で記載されて用意された用紙に日付けと陳述者の住所及び名称並びに押印するだけのものであって、しかも、不動化学と取引関係にある者による陳述書であることから、それ自体その信憑性が高いものとは到底いえるものではない。

また、実際に日本パワーウッドが本件商標を付した前記商品(本件商品)を実際にセールスしたことを客観的に認めるに足る証拠は一切提出されていない。

(2)本件商標の使用について

前記1(1)エのとおり、不動化学のK氏によれば、日本パワーウッドは、不動化学から商品の委託・販売されている関係であって、不動化学とは取引関係があるにすぎない全くの第三者である旨、陳述している。

加えて、前記1(1)ウのとおり、被請求人は、日本パワーウッドに通常使用権を許諾していない旨、主張している。

以上よりすれば、乙11の陳述書は、それ自体、その信憑性が高いものとはいえないものであり、その記載内容を客観的に認めるに足る証拠も一切提出されていないことから、当該陳述書自体信用することができず、ほかにこれを認めるに足る証拠も見あたらない。

また、日本パワーウッドが本件商標権の通常使用権者であると客観的に認めるに足る証拠も一切提出されていないものであることから、日本パワーウッドは、本件商標権の通常使用権者である者とは到底認めることができず、ましてや、商標権者でもなく、専用使用権者でもないことは明らかである。

(3)本件商標の使用について

前記1(1)アのとおり、被請求人は、本件商標の使用を証明するものとして、オリーブ油を含有する化粧品に本件商標が付されている乙1を提出したが、この外箱は、平成17年の薬事法の施行により要証期間内に流通し得ない外箱であるとの請求人の指摘を受け、当該薬事法施行後は、乙1の外箱に、製造販売元を記載した訂正シールを貼付した外箱で出荷していたとして、これを乙10として提出したものである。

このことに関し、被請求人は、薬事法施行以降は、商品の出荷の都度に、出荷分について乙1の外箱に、製造販売元を記載した訂正シールを貼付した外箱で出荷していたと主張している。

一方、請求人提出に係る実際に流通した甲3の1(需要者M氏によって購入されたオリベットスティックなる商品の外箱)には、製造販売元を表示した訂正シールが貼付されていない。

以上よりすれば、被請求人が、薬事法施行以降は、商品の出荷の都度に、出荷分について乙1の外箱に、製造販売元を記載した訂正シールを貼付した外箱で出荷していたとの主張は、乙1と甲3の1の両商品の違いこそあれ、矛盾しているものといわざるを得ない。

この点に関し、被請求人は、実際に流通した甲3の1には、製造販売元の訂正シールの貼付漏れと思われる旨、主張しているが、実際に流通した商品がたまたま訂正シールの貼付漏れがあったとの状況は、にわかに信じ難いものであって、かかる状況は一般常識では到底考え難いものといわざるを得ないものである。

さらに、乙1及び10が、実際に市場において取引された事を客観的に証明する何らの取引書類等の提出もないことからすれば、乙1及び10の本件商品の存在自体を推認することができず、ほかにこれを認めるに足る証拠も見あたらない。

(4)小括

以上、前記(1)〜(3)に記載したとおり、被請求人提出の全証拠及び全主張によっても、要証期間内において、日本パワーウッドが本件商標を付した商品(オリーブ油を含有する化粧品)を実際にセールスしたことを客観的に認めるに足る証拠は一切提出されておらず、そもそも日本パワーウッドは、被請求人の通常使用権者とは到底認めることもできない。

さらに乙1及び10の本件商品の存在自体を推認することもできないものであるから、要証期間内における本件商標の使用を客観的に認めることができず、ほかにこれを認めるに足る証拠も見あたらない。

3 まとめ

してみれば、被請求人は、本件商標を、要証期間内に、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが本件取消請求に係る商品「オリーブ油を含有する化粧品」に使用していたことを立証していないというべきである。

また、被請求人は、取消請求に係る指定商品について本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることを主張立証していない。

したがって、本件商標の登録は、商標法50条1項の規定により、指定商品中「結論掲記の指定商品」について、その登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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