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Trademark Appeal Case

造語の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第7626号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録をすべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別紙に示した構成よりなり、第11類「電気機械器具その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和61年7月7日に登録出願されたものであるが、指定商品については、平成9年12月12日付手続補正書で「光ディスク記憶再生装置及び光ディスク」と補正されたものである。

2 原査定の理由

原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、その指定商品との関係において、レーザーを用いて記憶、再生する『レーザー記憶(装置)』を観念させる『LASERMEMORY』の文字をステンシル体で書してなるにすぎないから、これをその指定商品中上記に照応するビデオディスクプレーヤー、電子計算機の記憶、読み出し装置及びこれらの記憶媒体となるビデオディスク、光ディスク等に使用するときは、単に該商品がレーザーを用いて記憶、再生するものであること、即ち、該商品の品質(機能)を表示するにすぎない。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせる虞があるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」として、本願商標を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標は、別紙に示した構成よりなるものであるところ、書された各欧文字を上下に二分するように、文字のほぼ中央部分を横に細く切り取ってなるものであるが、「LaserMemory」の文字を書したと理解されるものである。

(2)ところで、本願の指定商品の一つである「光ディスク」は、1995年9月27日、日経BP社発行「日経パソコン新語辞典96年版」(575頁)によれば、「プラスチックなどに包まれた金属薄膜の円盤に、ピットと呼ばれる小さな穴を開け、レーザー光を当てて反射してくる光の変化で信号を読み取るタイプの媒体。ビデオ・ディスク(VD)やCD(コンパクト・ディスク)、CDの応用製品であるCD−ROM、CD−G、CD−Iなども光ディスクの仲間である。再生専用型と記録型に分けられ、さらに記録型は追記型と、書き換え可能型に分類される。再生専用型はCD、LD(レーザーディスク)に代表されるもので、ディスクにあらかじめ記録された信号を再生するだけのもの。ディスク上に凹凸を付けて信号を記録し、その凹凸をレーザー光で読み取る方式・・。追記型は、記録膜に穴を開けるなどの方式でユーザーが信号を記録できる。・・書き換え可能型は、一度記録した領域の信号を消して、同じ領域に新たな信号を書き込める・・。」なる記載が認められるところである。

また、同じく「光ディスク記憶再生装置」は、光ディスクの駆動機構(装置)と認められ、光ディスクの種類によりその構造は多少異なるものの、基本的には、半導体レーザーより出射した光をレンズで集光し、回転するディスクに照射し、その反射光の強弱を検出器で受け信号処理をして情報を取り出すものと認められる。

(3)上記(2)の認定事実よりすれば、本願商標の指定商品である「光ディスク記憶再生装置及び光ディスク」は、レーザー光を利用した記憶再生装置及び記憶媒体と認め得るところである。

そして、本願商標の指定商品を含めた電気通信ないし電子応用機械器具等の商品分野においては、[レーザー(lasar)」、あるいは「メモリー(memory)」の語は、それぞれ商品の品質等を表示する語として使用され、自他商品の識別機能が極めて弱いものといえるものであり、本願商標より「レーザー記憶」なる観念が想起される場合がないとはいえない。

(4)しかしながら、本願商標は、前記(1)で認定したとおり、「LaserMemory」の文字のほぼ中央部分を横に細く切り取ったような白抜きを有することにより、「LaserMemory」の文字の外観上の不可分一体性が極めて強いものであること、また、「LaserMemory」の語が一体となって「光ディスク記憶再生装置及び光ディスク」の商品分野において、商品の品質等を表示するためのものとして普通に使用されている事実が存在すると認めるに足りる証左は見出せないことから、本願商標に接するこの種商品分野の取引者、需要者が、本願商標を殊更「Laser」と「Memory」とに分離して考察し、本願商標全体から「レーザーを用いて記憶、再生する商品」の意味合いを導き出して、商品の品質を表したものと認識するとは認め難いところであって、本願商標は、商品の品質を暗示させる要素はあるものの、その限度を超えて商品の品質を具体的に表示するものということができず、全体として一種の造語を表したと理解されるとみるのが相当である。

そうとすれば、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、商品の品質(機能)を表示するものということはできない。

(5)したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するものとして拒絶をすべきものとすることはできない。

なお、原審において、本願の拒絶の理由の一つに挙げられた商標法第4条第1項第16号については、指定商品を前記のとおり補正,したものであるから、解消したものと認められる。

その他、本願について拒絶をすべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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