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Trademark Appeal Case

商標の著名性判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2012−4859(T2012−4859/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願標章

本願標章は、別掲のとおりの構成よりなり、第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和63年12月5日に登録出願され、平成3年9月26日に登録第1907025号商標(以下「原登録商標」という。)に係る防護標章登録第1号として設定登録され、指定商品については、同13年9月5日に第1類「写真材料」、第5類「医療用腕環」、第9類「理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具」、第10類「医療用機械器具」及び第12類「車いす」とする指定商品の書換登録がされているものであり、その防護標章登録に基づく権利は、現に有効に存続するものである。

そして、本件標章は、上記防護標章登録について、平成23年7月22日に存続期間の更新登録出願されたものである。

第2 原登録商標

原登録商標は、別掲の本願標章と同一の態様よりなり、昭和53年2月22日に登録出願、第11類に属する願書記載の商品を指定商品として、同61年10月28日に設定登録されたものである。

そして、指定商品については、平成18年10月4日に、第7類「起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,家庭用食器洗浄機,家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー,電機ブラシ」、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」及び第11類「電球類及び照明用器具,家庭用電熱用品類」とする指定商品の書換登録がされたものである。

その後、商標権一部取消し審判により、指定商品中第7類「起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機」、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」について、取り消すべき旨の審決がされ、平成20年2月5日にその審決の確定が登録されたものである。

第3 原査定の拒絶理由

原査定は、「本願標章は、他人がこれを本願指定商品に使用しても商品の出所について、混同を生じさせる程に広く認識されているものとは認められない。したがって、本願は、商標法第65条の4第1項第1号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第4 当審の判断

1 本願標章と原登録商標の同一性について

本願標章は、原登録商標と同一の構成よりなるものであり、また、本願標章の請求人と原登録商標の商標権者とは同一人であると認められる。

2 原登録商標の著名性について

請求人は、原登録商標が自己の業務に係る指定商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている旨主張し、甲第2号証ないし甲第6号証を提出しているので、以下、原登録商標の著名性について検討する。

(1)請求人の提出した証拠について

甲第2号証の1ページから17ペ−ジは、「NEC C&Cシステムユーザー会(NUA)及びNECが主催し、2011年11月10日及び11日に開催された「C&Cユーザーフォーラム & iEXPO2011」の事前ガイドブックである。なお、16ページの「展示・デモンストレーション」のページには「C&Cクラウド」の文字を中心に「新しいビジネススタイル」「新しい街づくり」「ICT基盤」等の6分野の展示があることが記載されている。また、同号証18ページは、同じく2010年11月11日及び12日に開催された「C&Cユーザーフォーラム & iEXPO2010」の案内ちらしである。

甲第3号証は、「C&Cユーザーフォーラム & iEXPO2011」の上記6つの展示コーナーの展示商品(内容)の説明ページであり、展示コーナー及び展示物等の説明に「事業継続、経営基盤を強化するC&Cクラウド活用を始め・・」「データセンターソリューションをはじめ、プログラマブルフローなど、C&Cクラウドを支えるプラットホーム」「C&Cクラウドを実現する先端技術」「C&Cクラウドを利用したHEMS」などの記載がある。

甲第4号証は、「公益財団法人NEC C&C財団」について説明したウェブサイトであり、1985年3月に「財団法人シーアンドシー振興財団」が設立され、2006年4月に財団法人C&C振興財団」に名称を変更し、2010年12月に現名称に変更したこと、当該財団は、「C&C技術分野、即ち情報処理技術、通信技術・・・寄与すること」を目的としていること、「C&C賞」などの顕彰事業、「C&C30周年記念シンポジウム」をNECと共催で行ったことが認められる。

甲第5号証は、「NECは、実現力クラウド」と題する、「クラウド」に関する請求人のパンフレットであり、「C&Cクラウド戦略にもとづき、多彩なアプリケーションサービスや先進クラウド基盤・・」の記載がある。

甲第6号証は、「NECはC&Cクラウドで、新しいエネルギー社会をみなさまと一緒につくっていきます。」と題する、「クラウド」に関する請求人のパンフレットであり、上記のとおり、「C&Cクラウド」の文字が記載されている。

(2)以上によれば、以下の事実が認められる。

ア 請求人の関係団体に、「公益財団法人NEC C&C財団」があり、また、同財団の活動に「C&C」の文字を冠した活動があること。

イ 請求人及び請求人の関係団体である「NEC C&Cシステムユーザー会」により、2010年11月及び2011年11月に「C&Cユーザーフォーラム & iEXPO2010」「同2011」が開催され、請求人の活動等についても紹介されていること。また、上記フォーラム及び請求人のパンフレットにおいて、「クラウド」(いわゆるコンピュータネットワーク)について、「C&Cクラウド」の文字が使用されていること。

ウ しかしながら、上記アについては、前記財団の名称及び活動に「C&C」を含む名称等が使用されているとしてもその名称等における使用は、同財団による使用であり、請求人により使用されたものではない。

また、同財団の活動についての使用であって、原登録商標の指定商品について使用するものではない。

そして、上記イについては、「C&Cユーザーフォーラム & iEXPO2010」「同2011」は、請求人が講演、セミナー、展示等を含むフォーラムの名称として使用しているものであるが、「C&Cユーザーフォーラム & iEXPO(2011)」が一体としてフォーラムの名称と認識されるものであるから、原登録商標「C&C」の使用とはいえないし、また、フォーラムの名称として使用しているものであり、原登録商標の指定商品について使用しているとはいえない。

なお、当該フォーラムにおいて、原登録商標の指定商品中の「電池」及び「電球類及び照明用器具」が展示され、フォーラムの上記名称が当該商品への使用と認められる余地が仮にあるとしてみても、上記のとおり、原登録商標とはいえないものであるから、結局、原登録商標の使用とはいえない。

また、請求人は、コンピュータネットワークについて、「C&Cクラウド」を使用していることは認められるが、上記「C&Cクラウド」は、一体的に表され、使用されているものであるから、原登録商標「C&C」の使用とはいえないし、また、上記コンピューターネットワークにかかる商品に使用されているとしてもその商品は、コンピュータ関連商品であって、原登録商標の指定商品に使用するものではない。

(3)以上のとおり、提出された証拠を見ても原登録商標がその指定商品に使用している事実は認められないものであり、したがって、原登録商標がその指定商品について、請求人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものとは認められない。

3 混同を生ずるおそれについて

前記2のとおり、原登録商標は、その指定商品について、請求人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものとは認められないから、他人が原登録商標をその指定商品以外の商品に使用をしても、その使用をすることにより、その商品と請求人の業務に係る指定商品と混同のおそれがあるとまではいえない。

4 請求人の主張について

(1)請求人は、請求人会社が日本を代表する企業の1つであり、非常に幅広い分野について多角的な経営がなされているとして、本件防護標章「C&C」は、他人が原登録商標の指定商品以外の商品に使用したときには、混同を生ずるおそれがあると主張している。

しかしながら、上記請求人の主張が、原登録商標の指定商品に原登録商標が付され、それが周知、著名になる必要はないことを前提としているのであれば、その主張は採用できない。なぜならば、防護標章登録は、登録商標が自己の業務に係る指定商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されていることを要件としているものであり、したがって、登録商標がその指定商品に付され著名に至っていることが必要であり、登録商標の指定商品に無関係に使用され著名性を有した商標があるとしても、その商標は、当該登録商標といえないものである。したがって、登録商標と無関係に著名な商標があり、仮に他人がその商標を使用した場合に混同を生ずるおそれがあるとしても、そのことにより当該登録商標にかかる商標(標章)は、防護標章登録を受けることはできない(更新の登録も同様である。)。そして、前記のとおり、請求人の提出した証拠を見ても、原登録商標がその指定商品に使用され、需要者の間に広く認識されているものといえず、その登録商標との関係において、混同を生ずるおそれがあるとはいうことができない。

(2)請求人は、本件防護標章は、原登録商標の防護標章登録第1号として認定されている以上、その著名性が欠如されているものではなく、したがって、登録性を証明する根拠としては、請求人により、その使用が現在も継続して行われていることを示す証拠のみで十分であると主張している。

しかしながら、防護標章が登録されていた事実があるとしても、防護標章登録に基づく権利の存続期間の更新登録がされるためには、その更新登録出願が査定時において、商標法第64条の規定に該当する必要がある(第65条第1項第1号)から、本願標章の更新登録に当たっては、登録査定(審決)時において、原登録商標が自己の業務に係る指定商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていることが要件となることは明らかである。

したがって、請求人の主張は採用できない。

5 まとめ

したがって、本願は、商標法第65条の4第1項第1号に該当する。

6 結語

以上のとおり、本願が商標法第65条の4第1項第1号に該当するとし、本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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