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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年異議第91443号
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4290236号商標の登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4290236号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成10年5月15日に登録出願され、「CANON DIGITAL LAB」の文字を書してなり、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成11年9月2日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由

登録異議申立人(以下、「申立人」という。)は、「本件商標は、平成8年2月1日に登録出願され、『FUJIFILM DIGITAL LAB』の文字を横書きしてなり、第1類『写真材料』を指定商品として、平成9年10月30日に設定登録されている登録第4075756号商標、同じく、平成8年2月1日に登録出願され、『FUJIFILM DIGITAL LAB』の文字を横書きしてなり、第9類『写真のデジタル処理用電子応用機械器具』を指定商品として、平成10年2月23日に設定登録されている登録第4112851号商標(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)と類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、その登録は取り消されるべきであると主張し、その理由を以下の如く述べている。

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は「CANON」、「DIGITAL」及び「LAB」の3個の語からなることは容易に認識できる。このうち、「CANON」の部分は出願人の名称及び商標としてわが国で周知著名なものであるから、単独で強い自他商品識別力を有し、本件商標の他の部分から分離独立して認識されるというべきである。しかも、本件商標の構成は3個の語からなり一個の商標としては長いから、本願商標に接する者は、本願商標の構成から、まず「CANON」の部分を認識し、これと「DIGITAL LAB」の部分とを分離して認識する可能性が高いというべきである。すなわち、本件商標は一見してその構成中の出願人の有する著名な商標「CANON」と「DIGITAL LAB」の部分とが外観上分離して認識されるというべきである。さらに、本件商標の全体の構成からは「キャノンデジタルラブ」の称呼が生じるが、この称呼は一個の商標としては長すぎるから、当業者・需要者が本件商標を称呼する場合には、著名商標「キャノン」の部分と後半の「デジタルラブ」の部分とを分離し、本件商標を単に「デジタルラブ」と称呼する可能性が高いというべきである。いいかえれば、本件商標の称呼において、「キャノン」と「デジタルラブ」とが混然一体となって全体で一個の造語を形成しているとは到底いえず、本件商標からは単に「デジタルラブ」という称呼が生じるとするのが、むしろ自然である。また、本件商標の全体あるいは「DIGITAL LAB」の部分には何ら特定の意味はないが、「CANON」が出願人の名称及び商標として著名であることから、本件商標は「キャノンのデジタルラブ」と理解されるというべきである。すなわち、本件商標は観念においても「CANON」と「DIGITAL LAB」とが分離して認識されることは明らかである。

以上のことから、本件商標は、外観・称呼及び観念のいずれにおいても「CANON」と「DIGITAL LAB」とが分離して認識され、その結果、本件商標からは単に「デジタルラブ」の称呼が自然に生じるというべきである。

一方、甲第2号証及び同第3号証として引用商標は、いずれも「FUJIFILM DIGITAL LAB」の英文字からなるが、このうち「FUJIFILM」の部分は異議申立人の商標及び略称としてわが国で広く知られているものである。従って、これらの商標は、本件商標における「CANON」の部分が「FUJIFILM」に置き換わっただけのものであり、しかも、これらの部分は出願人及び申立人の商標としてそれぞれ周知著名なものである。すなわち、甲第2号証及び同第3号証の商標も、本件商標について述べた上述の理由と同様の理由により、「FUJIFILM」の部分と「DIGITAL LAB」の部分とが外観・称呼及び観念において分離して認識され、単に「デジタルラブ」の称呼が自然に生じるというべきである。

従って、本件商標と甲第2号証及び同第3号証の商標とは、称呼を同一にする相互に類似する商標であるというべきである。

(2)甲第2号証の商標は第1類「写真材料」を指定商品としているが、当該商品が本件商標の指定商品中の「写真機械器具、映画機械器具、光学機械器具」に類似する商品であることは明らかである。また、甲第3号証の商標は第9類「写真のデジタル処理用電子応用機械器具」を指定商品としているが、当該商品が本件商標の指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」と抵触することも明らかである。

(3)よって、本件商標は申立人の先願に係る甲第2号証及び同第3号証に示す引用商標と類似し、それらの指定商品と同一または類似の商品を指定商品中に含んでいるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号の規定に該当するものである。

3 当審の取り消し理由拒絶

当審では、申立人の上記2の異議理由に基づき、商標権者に対し、本件商標は、登録第4075765号商標及び同第4112851号商標と類似するものであるから 商標法第4条第1項第11号に該当する旨の取り消し理由を通知した。

4 当審の取り消し理由に対する商標権者の意見

本件商標中及び引用の各商標中の「DIGITAL LAB」の部分は、乙第1号証から乙第12号証に示す各社のホームページの記載から明らかなように、この「DIGITAL LAB」の部分は何ら顕著性を有する語ではなく、逆に品質・効能を表示する語である。そもそも、「DIGITAL LAB」の語は甲第1号証に示す(株)プレーンチャイルドのホームページの「99デジタル写真サービス市場の現状とその市場形成」の記載によれば、「デジタル写真のサービス用のラボシステム」のことを言い、これを事業化している企業は多数あると掲載されている。そして、そのようなシステムのことを各社が「デジタルラボ」又は「デジタルミニラボ」と称しており、特に甲第2号証に示す[Mac WEEK/JAPAN]のホームページの記事によれば、『日本コダック社は、顕微鏡やオシロスコープの観測画像をデジタルカメラで撮影する「コダックデジタルラボツールキット」を10月14日に発売する。』とあり、「デジタルラボ」用のキットを販売している会社もある。つまり、「デジタルラボ」を実現する上で使用される各種機器類、例えば第9類の「写真機械器具、光学機械器具、電子応用機械器具」や第1類の「写真材料」に「デジタルラボ」の語が普通に使用されており、この点から言っても「デジタルラボ」の語は何ら特別顕著性を有するものではなくむしろ品質・効能を表示する語といえるものである。本件商標中、「DIGITAL LAB」の部分に顕著性を有するものではなく著名な会社名又は商標である「CANON」及び「FUJIFILM」の部分に顕著性を有するためにそれぞれ登録となっているとみるのが極めて妥当なものである。よって、引用の各商標から「DIGITAL LAB」の部分のみ取り出して考察するのは妥当ではなく、「FUJIFILM DIGITAL LAB」全体で考察するのが妥当なものであり、又本願商標についても「CANON DIGITAL LAB」全体で考察するのが極めて妥当なものである。

よって、本件商標と引用商標とは外観、観念及び称呼のいずれの面からみても非類似の商標であり、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当せず、登録適格性を具備した商標である。

(5)当審の判断

本件商標及び引用商標は、上記したとおりいずれもその構成中に「DIGITAL LAB」の文字を有してなるものである。

ところで、構成中「DIGITAL」の文字は、「デジタル方式」の意味合いを、また「LAB」の文字は英語で「Laboratory」(実験室、現像所)の略を表すものとして知られているばかりでなく、商標権者の提出した乙各号証によれば、写真機械器具、光学機械器具、電子応用機械器具等を取り扱う業界においては、この両語を結合した「DIGITAL LAB」の語を「デジタル写真のサービス用のラボシステム」を表すものとして使用しているばかりでなく、デジタルラボ・システムメーカーとして「富士写真フイルム」「コニカ」「コダック」「ミノルタ」等があることを知ることができる。

そうとすれば、本件商標及び引用商標中の「DIGITAL LAB」の文字部分は、自他商品の識別標識として機能を果たさないか極めて弱い部分であるとみるのが相当である。

してみれば、本件商標の「DIGITAL LAB」の文字部分より「デジタルラブ」の称呼を生ずるものとしたうえで、これが引用商標と類似するとの申立人の主張には理由がないものといえる。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。

その他、本件商標の登録を取り消すべき理由を発見しない。

よって結論のとおり決定する。

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