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Trademark Appeal Case

指定商品役務の不備と類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2012−7973(T2012−7973/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は,登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,別掲1のとおりの構成からなり,第9類,第38類,第41類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,2010年2月8日にカナダにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,平成22年7月26日に登録出願されたものであり,その後,指定商品及び指定役務については,原審における平成23年5月23日付けの手続補正書,当審における平成24年5月1日付けの手続補正書及び平成25年3月8日受付の手続補正書により,最終的に,第9類「コンピューターハードウェアであるモジュール・アダプタ・モデム及びルータ,コンピューター周辺機器,PCMCIAカード,PCカード,エクスプレスカード及びミニPCIエクスプレスカードであるコンピューターシステムに追加機能性を付加するコンピューター拡張カード,ハンドヘルド型もしくは携帯型コンピューターをワイヤレスネットワークに接続するためのコンピューターソフトウェア,ワイヤレスモデムを操作するためのソフトウェア,ワイヤレスモデムを設定・構成・管理するためのコンピューターソフトウェア及びそれらのワイヤレスモデムを使用するアプリケーション及びシステムソフトウェア,ハンドヘルド型もしくは携帯型コンピューターとホストコンピュータとの間でデータを同期させるためのコンピューターソフトウェア,固定データアプリケーションをワイヤレスで監視及び管理するためのコンピューターソフトウェア,ホストコンピューターとリモートコンピューターとの間でデータをワイヤレスで暗号化及び伝送するためのコンピューターソフトウェア,電子製品内のワイヤレスモデムを統合するためのソフトウェア,無線電気通信を実行又は監視するための内蔵型コンピューターソフトウェアプラットフォーム,内蔵型オペレーティングソフトウェア,遠隔操作・監視・管理をするためのコンピューター及びコンピューターソフトウェア,ソフトウェア開発のためのコンピュータープログラム」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は,以下(1)〜(3)のとおり,認定,判断し,本願を拒絶したものである。

(1)商標法6条1項及び同条2項について

本願の指定商品及び指定役務には,その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められない商品及び役務が含まれている。また,そのため,本願は,政令で定める商品及び役務の区分に従って商品及び役務を指定したものと認めることができない。

したがって,本願は,商標法6条1項及び2項に規定する要件を具備しない。

(2)商標法6条2項について

本願は,政令で定める商品及び役務の区分第42類に属さない役務が第42類において指定されているから,商標法6条2項に規定する要件を具備しない。

(3)商標法4条1項11号について

ア 本願商標は,登録第590993号商標,登録第631590号商標,登録第1030323号商標の1,登録第1030323号商標の2,登録第1762382号商標,登録第2194320号商標,登録第2364213号商標,登録第2542697号商標,登録第2694042号商標,登録第3138673号商標,登録第3138674号商標,登録第3280748号商標,登録第3280749号商標,登録第4074656号商標,登録第4074657号商標,登録第4184918号商標,登録第4553451号商標,登録第4993154号商標,登録第4993155号商標(以下まとめて「引用商標1」という。)と類似する商標であって,引用商標1の指定商品又は指定役務と同一又は類似の商品又は役務について使用をするものであるから,商標法4条1項11号に該当する。

イ 本願商標は,登録第2715782号商標,登録第2715783号商標,登録第2715784号商標(以下まとめて「引用商標2」という。)と類似する商標であって,引用商標2の指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから,商標法4条1項11号に該当する。

ウ 登録第4917427号商標(以下「引用商標3」という。)は,別掲2のとおりの構成からなり,平成16年3月19日に登録出願,「電子計算機(中央処理装置及びデータ入力用キーボード,電子計算機のプログラムを記憶させた電子回路・ROMカートリッジ・光ディスク・磁気ディスク・光磁気ディスク・磁気カード・磁気テープ,その他の周辺機器を含む。),その他の電子応用機械器具及びその部品」を始め,第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,平成17年12月22日に設定登録され,現に有効に存続するものであるところ,本願商標は,引用商標3と類似する商標であって,引用商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから,商標法4条1項11号に該当する。

3 当審の判断

(1)本願商標の指定商品及び指定役務は,前記1のとおり補正され,その結果,本願商標の指定商品は,いずれも,その内容及び範囲が明確なものとなり,かつ,政令で定める商品及び役務の区分に従って指定されたものとなったことが認められる。

(2)本願商標の指定商品及び指定役務は,前記1のとおり補正された結果,引用商標1の指定商品又は指定役務と同一又は類似の商品又は役務がすべて削除され,本願商標の指定商品は,引用商標1の指定商品又は指定役務と類似しない商品になったものと認められる。

(3)当審において商標登録出願人名義変更届が提出された結果,本願の請求人(出願人)は,原査定における引用商標2の商標権者と同一人になった。

(4)本願商標は,別掲1のとおり,黒い丸を左右に表し,その中央に,黒丸を等間隔につなげた,長さの異なる折れ線を5本並べ,全体として上下にジグザグするように見える図形(以下「図形部分」という。)を右上に配した上で,「SIERRA」の文字を横書きし,その下段に,「SIERRA」の文字に比してやや小さく,かつ,細く「WIRELESS」の文字を横書きしてなるものであるところ,図形部分からは,この図形がいかなるものを表しているか理解できないから,称呼や観念が生じない。

また,本願商標のうち「WIRELESS」の文字部分は,「無線の」の意味を理解させ,本願商標の指定商品の分野では,無線で利用できる商品に「WIRELESS」や「ワイヤレス」の語が使用されている実情があるから,本願商標をその指定商品に使用しても,当該文字部分は,指定商品が無線で利用できるものであること認識させ得る。

そうすると,当該文字部分は,自他商品の識別標識としての機能はないか,あったとしても極めて弱いものである。

してみれば,本願商標は,「WIRELESS」の文字部分のみが殊更に着目され,この文字部分のみをもって取引に資されるものとはいい難いものであり,「SIERRA WIRELESS」の文字全体に相応して「シエラワイヤレス」の称呼が生じるか,又は,「SIERRA」の文字から「シエラ」の称呼が生じるものといえ,「SIERRA WIRELESS」の全体は,既成の意味を有しない語であるから,観念が生じず,「SIERRA」の文字部分も,既成の親しまれた意味を理解させるとはいい難いから,観念を生じない。

以上によれば,本願商標は,「シエラワイヤレス」又は「シエラ」の称呼が生じ,観念は生じないものである。

一方,引用商標3は,別掲2のとおり,広がる水紋様に見受けられる複数の円弧を,全体として上下にジグザグする図形が見えるように切り取られた図形(以下「引用商標3の図形部分」という。)の下に,「WIRELESS」の文字を書してなるものであるところ,引用商標3の図形部分からは,この図形がいかなるものを表しているか理解できないから,称呼や観念が生じない。

また,引用商標3のうち「WIRELESS」の文字部分は,「無線の」の意味を理解させ,引用商標3の指定商品のうち,本願商標の指定商品と抵触する商品との関係においては,先に検討したとおり,自他商品の識別標識としての機能はないか,あったとしても極めて弱いものであるから,引用商標3は,本願商標の指定商品と抵触する商品との関係においては,当該文字部分を捉えて「ワイヤレス」称呼及び「無線の」の観念が生ずるとはいい難い。

ここで,本願商標と引用商標3を比較するに,その外観は,別掲1及び2のとおり,一見して判然と区別し得る顕著な差異を有する。

また,本願商標は観念を生じず,引用商標3も,本願商標の指定商品と抵触する商品との関係においては観念を生じないから,本願商標と引用商標3は,観念上比較することができない。

さらに,本願商標は,「シエラワイヤレス」又は「シエラ」の称呼が生ずるが,引用商標3は,本願商標の指定商品と抵触する商品との関係においては称呼を生じないから,本願商標と引用商標3は,称呼上,十分に区別し得るものである。

以上を総合して勘案すれば,本願商標と引用商標3は,観念上は比較し得ないとしても,その外観は顕著な差異があり,称呼上も十分区別し得るものであるから,同一又は類似の商品に使用しても,混同を生ずるおそれがない,互いに非類似の商標というのが相当である。

(5)まとめ

以上のとおりであるから,本願が商標法6条1項及び2項に規定する要件を具備しないものとし,本願商標が引用商標1及び引用商標2との関係で商標法4条1項11号に該当するとした原査定の拒絶の理由は解消した。

また,本願商標が引用商標3との関係で商標法4条1項11号に該当するとした原査定は,妥当でなく,取消しを免れない。

その他,本願について拒絶の理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

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