Trademark Appeal Case
欧文字商標の称呼・外観類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2012−900308(T2012−900308/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5510434号商標(以下「本件商標」という。)は、「FLY NEXT」の欧文字を標準文字で表してなり、平成24年2月13日に登録出願、第39類「航空機による輸送,企画旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ」を指定役務として、同年6月21日に登録査定、同年7月27日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録第4744832号商標は、「Flynet」の欧文字を表してなり、2001年11月20日にドイツ連邦共和国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成14年5月20日に登録出願、第35類、第36類、第38類、第39類及び第45類に属する別掲に示すとおりの役務を指定役務として、平成16年1月30日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議申立ての理由の要旨
(1)外観について
本件商標と引用商標の外観を比較するに、両商標は、いずれも通常用いられる書体、文字間隔をもって表示されているものであって、大文字・小文字の違いはあれども、欧文字の「FLY」及び「NET」を共通にし、構成中の差異は、中間における「X」の文字の有無に過ぎないものである。
登録商標の実際の使用においては、大文字から小文字への変更使用やフォントの変更使用は、ごく普通に見られることであり、社会通念上、登録商標の使用と認められる範囲の変更と考えられている。
そうとすれば、本件商標「FLY NEXT」を「Flynext」と変更して使用することは、十分に予測可能なことであり、したがって、時と処を異にして両商標を隔離的に観察した場合、両者は、視覚上非常に酷似した印象を与えるものである。看者が「X」の有り無しの違いに気付く可能性は極めて低く、両者が相紛らわしいことは明白である。
したがって、本願商標と引用商標とは、外観において類似する商標である。
(2)称呼について
本件商標は、その構成文字に相応して「フライネクスト」の称呼を生ずる。
他方、引用商標は、その構成文字に相応して「フライネット」の称呼を生ずる。
そこで、本件商標より生ずる「フライネクスト」の称呼と、引用商標より生ずる「フライネット」の称呼とを比較するに、両者は識別上、印象の強い語頭部の4音「フライネ」までを共通にし、さらに語尾の「ト」の音も共通にするものであり、その差異は、中間に位置する「クス」の音と「ッ」の促音のみである。
これら「クス」と「ッ」の音は、聴者の印象に残り難い中間に位置するばかりでなく、「クス」はその前の強音「ネ」に吸収されて弱く発音されるものであり、また、「ッ」は促音であるから、前音の「ネ」に吸収されてしまうものである。
したがって、これらの中間にある差異音が、全体の称呼に与える影響は非常に小さく、両者をそれぞれ一連に称呼するときは、その語調、語感が極めて近似し、互いに相紛れるおそれがある。
したがって、本願商標と引用商標とは、称呼においても類似する商標である。
(3)指定役務について
本件商標に係る指定役務「航空機による輸送,企画旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ」は、引用商標に係る指定役務中「インターネットその他の電気通信ネットワークによる航空チケットの手配」に類似する。
(4)まとめ
以上より、本件商標は、引用商標と類似する商標であって、その指定役務も引用商標に係る指定役務と類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)本件商標
本件商標は、「FLY NEXT」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、「FLY」と「NEXT」の欧文字に1文字程度の空白を有するとしても、同じ大きさ、同じ書体の文字で表され、構成全体として、まとまりよく一体的に表されてなるものであり、これより生ずる「フライネクスト」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。
そうすると、本件商標は、「FLY」と「NEXT」の文字からなるとしても、その構成全体として不可分一体の商標として、「フライネクスト」の称呼のみが生じ、一種の造語として認識され特定の観念を生じない商標と認められる。
(2)引用商標
引用商標は、「Flynet」の欧文字を表してなるところ、該文字は、「F」の文字のみが大文字で表されているとしても、同じ書体、等間隔の文字で表され、構成全体として、まとまりよく一体的に表されてなるものであり、これより生ずる「フライネット」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。
そうすると、引用商標は、その構成全体として不可分一体の商標として、「フライネット」の称呼のみが生じ、一種の造語として認識され特定の観念を生じない商標と認められる。
(3)本件商標と引用商標との類否
本件商標と引用商標について比較するに、両者は、それぞれ前記のとおりの構成よりなるから、後半の「NEXT」と「net」の文字において、外観上、明らかに区別し得るものである。
また、本件商標より生ずる「フライネクスト」の称呼と引用商標より生ずる「フライネット」の称呼とは、前半の「フライ」の音を共通にするとしても、後半において、いずれも親しまれた英語の「NEXT」と「net」の表音と認められる「ネクスト」の音及び「ネット」の音に顕著な差異を有するから、相紛れるおそれはないものと認められる。
さらに、本件商標と引用商標は、いずれも特定の観念を生じないから、観念上、類似するとはいえない。
してみれば、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点についても互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(4)まとめ
したがって、本件商標が引用商標と類似し商標法第4条第1項第11号に該当するとする申立人の主張は、理由がない。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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