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Trademark Appeal Case

一音相違による称呼類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2012−900358(T2012−900358/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5521106号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5521106号商標(以下「本件商標」という。)は,「ノスメル」の片仮名を横書きしてなり,平成24年3月22日に登録出願,第5類「トイレ用消臭剤,室内用消臭剤」を指定商品として,同年8月7日に登録査定,同年9月14日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録商標は,次ぎのとおりであり,いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第635439号商標(以下「引用商標1」という。)は,「ノンスメル」の片仮名を書してなり,昭和37年9月29日に登録出願,第1類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同39年1月24日に設定登録されたものであり,その後,4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ,さらに,平成15年11月19日に,第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」,第1類ないし第4類,第8類ないし第10類,第16類,第19類、第21類及び第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする,指定商品の書換登録がなされたものである。

(2)登録第802181号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,昭和42年4月8日に登録出願,第1類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同43年12月23日に設定登録されたものであり,その後,4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ,さらに,平成21年4月1日に,第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」,第1類,第3類,第10類及び第16類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする,指定商品の書換登録がなされたものである。

(3)登録第1436082号商標(以下「引用商標3」という。)は,「NONSMER」の欧文字を書してなり,昭和51年3月8日に登録出願,第1類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同55年9月29日に設定登録されたものであり,その後,3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ,さらに,平成22年11月4日に,第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」,第1類ないし第4類,第8類ないし第10類,第16類,第19類、第21類及び第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする,指定商品の書換登録がなされたものである。

(4)登録第1744909号商標(以下「引用商標4」という。)は,「NONSMEL」の欧文字を書してなり,昭和57年6月16日に登録出願,第1類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同60年2月27日に設定登録されたものであり,その後,2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ,さらに,平成16年9月14日に,第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」及び第1類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする,指定商品の書換登録がなされたものである。

以下,これらをまとめていうときは,「引用商標」という。

3 申立ての理由(要旨)

(1)商標法第4条第1項第11号の該当性について

本件商標からは,「ノスメル」の称呼を生ずる。他方,引用商標からは,いずれも「ノンスメル」の称呼を生ずるものである。

そうとすると,「ノスメル」と「ノンスメル」では第二音目の「ン」の有無の一音相違のみであり,「ン」が弱音のため,類似するものであり,両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合,全体の語調語感が近似したものとなり,相紛れるおそれがある。

したがって,本件商標と引用商標とは,称呼において類似の商標である。

また,「ノンスメル」の語句は,英語の「ノン」+「スメル」の造語であるものの,造語のため特定の観念を生じないと言えるが,「ノン」からは「ない」,「しない」の意味,「スメル」からは「臭い」の意味があり,「臭いがない」,「臭わない」の意味を示している。

一方,本件商標の指定商品「トイレ用消臭剤,室内用消臭剤」から「ノスメル」が「ノー(NO)」と「スメル」を合わせた語で,引用商標と同様「臭いがない」,「臭わない」の意味を生じ,需要者にとって相紛れる商標といえる。

さらに,本件商標の指定商品,第5類「トイレ用消臭剤,室内用消臭剤」は,引用商標の指定商品中,第5類「薬剤」と同一又は類似のものである。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものである。

(2)商標法第4条第1項第15号の該当性について

申立人は,冷蔵庫用脱臭剤の商品名として「ノンスメル」を昭和38年(1963年)より使用し,少なくとも昭和57年(1982年)頃においては,需要者の間で「ノンスメル」商標が広く認識されるに至っている(甲第10号証ないし甲第12号証)。

してみると,引用商標1及び2の周知商標から生ずる「ノンスメル」の称呼と本件商標から生ずる「ノスメル」の称呼は類似し,需要者に商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれがある。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものである。

(3)むすび

以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから,取り消されるべきである。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本件商標について

本件商標は,前記1のとおり,「ノスメル」の片仮名を書してなるところ,該文字からは,「ノスメル」の称呼を生じ,また,辞書等に掲載されている成語ではなく,特定の意味合いを有しない造語と認められるものであるから,特定の観念は生じないものである。

イ 引用商標について

(ア)引用商標1は,「ノンスメル」の片仮名を書してなるところ,該文字からは,「ノンスメル」の称呼を生じ,また,辞書等に掲載されている成語ではないが,申立人が「冷蔵庫用脱臭剤」に永年使用し周知性を有する標章と認められることから,「申立人に係るブランドとしてのノンスメル」の観念を生ずるということができる。

(イ)引用商標2は,別掲のとおり,上部を水平にし,下部を円弧状にした黒地図形内に白抜きで「ノンスメル」(「ス」の文字は,他の構成文字よりも大きく表されている。)の片仮名を横書きしてなるところ,該図形からは特定の称呼,観念を生ずるということができず,また,「ノンスメル」の文字からは,「ノンスメル」の称呼を生じ,引用商標1と同様に,「申立人に係るブランドとしてのノンスメル」の観念を生ずるということができる。

(ウ)引用商標3は,「NONSMER」の欧文字を書してなるところ,該文字からは,「ノンスマー」の称呼を生じ,また,辞書等に掲載されている成語ではなく,特定の意味合いを有しない造語と認められるものであるから,特定の観念は生じないものである。

(エ)引用商標4は,「NONSMEL」の欧文字を書してなるところ,該文字からは,「ノンスメル」の称呼を生じ,上記(ウ)と同様に,特定の観念は生じないと認められる。

ウ 本件商標と引用商標との類否について

(ア)外観について

本件商標と引用商標1及び2について比較するに,本件商標が4文字で,引用商標1及び2が5文字と比較的少ない文字数からなり,そのうち「ノ」「ス」「メ」「ル」の各文字を共通にするが,第2文字において「ン」の有無の差異を有するものであり,また,引用商標2とは,図形の有無に差異を有するから,両者は,外観上,相違するものである。

本件商標と引用商標3及び4とは,本件商標が片仮名を書してなるのに対し,引用商標3及び4が欧文字からなるものであるから,構成文字に明らかな差異を有し,外観上,互いに相紛れるおそれはない。

(イ)称呼について

本件商標から生ずる「ノスメル」の称呼と引用商標1,2及び4から生ずる「ノンスメル」の称呼とを比較すると,両者は,本件商標が4音,引用商標が5音といずれも比較的少ない音数からなり,そのうち「ノ」「ス」「メ」「ル」の各音を共通にし,第2音において「ン」の音の有無の差異を有するものであるが,本件商標は,各音に抑揚の変化がなく平板に称呼されるのに対し,引用商標は,「ノン」「スメル」又は「ノンス」「メル」の音節をもって称呼され,「ノン」「スメル」のときは弱音「ン」の前後の「ノ」及び「ス」の音が強く,また「ノンス」「メル」のときは「ノ」の音が強く「ン」「ス」の音が弱く称呼されるものであって,該「ン」の音の有無によって,その語韻,語調を異にするから,互いに相紛れるおそれはなく十分聴別し得るものというのが相当である。

また,本件商標から生ずる「ノスメル」の称呼と引用商標3から生ずる「ノンスマー」の称呼とは,その音構成において明らかに異なるものであるから,互いに聞き誤るおそれはない。

(ウ)観念について

本件商標は,特定の観念を生じないものであるから,引用商標と比較することができず,観念において,類似するものとはいえない。

エ 小括

以上のとおり,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。

(2)商標法第4条第1項第15号該当性について

引用商標1及び2が,申立人に係るブランド名として相当程度知られているものであるとしても,本件商標と引用商標1及び2とは,前記(1)のとおり,何ら相紛れるおそれのない別異の商標であるから,商標権者が本件商標をその指定商品について使用しても,これに接する取引者,需要者に申立人の引用商標を想起,連想させるものではなく,申立人又は同人と経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように,その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものである。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない。

(3)まとめ

以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものでないから,同法第43条の3第4項の規定により,取り消すべき限りでない。

よって,結論のとおり決定する。

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