Trademark Appeal Case
「〇選」表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2012−16236(T2012−16236/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「海藻七選」の文字を横書きしてなり、第29類「海藻を主原料とした顆粒状・粉末状・液状・ゲル状・固形状・錠剤状・カプセル状の加工食品,肉製品,加工水産物,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ」を指定商品として、平成23年10月28日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
本願商標は、「『海藻七選』の文字を普通に用いられる方法で書してなるものである。そして、その構成中の『海藻』の文字は、『海にすむ藻。とくに肉眼的な大きさの体をもつ海産の藻類の総称。』を意味し、海藻には、例えば、ワカメ、ヒジキ等の様々な種類がある。また、構成中の『七選』の文字については、食品を取り扱う業界において、例えば、『酵素八十八選(優れた88種類の酵素原料を選び配合したもの)』、『雑穀十六選(優れた16種類の雑穀を選び配合したもの)』のように、『○(数字)選』の文字が『優れたものを○種類選んだこと』程の意味合いを表すものとして、一般に使用されている実情がある。そうすると、本願商標をその指定商品中『7種類の海藻を使用した商品』に使用しても、これに接する取引者・需要者は、その商品が7種類の品質の良い海藻を原材料とする商品であることを表示したものと理解するにとどまるとみるのが相当であるから、本願商標は、単にその商品の品質、原材料を表示するものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、「海藻七選」の文字を横書きしてなるところ、構成文字中前半の「海藻」は、「海に生える藻類の総称」(大辞泉増補・新装版)を意味するものであって、食品の原材料として一般に使用されるものである。
ところで、構成文字中後半の「七選」は、漢数字「七」と漢字「選」を組み合わせてなるところ、「選」の文字は「多くのものの中から、すぐれたものや条件に合うものなどを選ぶこと。」(大辞泉増補・新装版)を意味するものであるから、「七選」の文字は「これと思うものを七つ選択したもの」の意味合いを認識するものである。
そして、ある物の名称と数字(漢数字)と「選」の文字を組み合わせることにより、当該物について、これと思う物をその数字分選択したことを表すことが一般的に行われている。
例えば、食品分野では、複数の原材料を使用した商品や複数の種類の商品を詰め合わせて販売される商品について、該「○選」の文字の前に原材料を表す語を結合させた語(文字)が類型的に使用されている実情が、別掲1のとおり確認できる。
また、複数の種類の海藻を原材料とする商品が別掲2のとおり販売されている実情がある。
そうとすると、「海藻七選」は、「これと思しき海藻を七つ選んだもの」の意味合いを認識させるものである。
そして、本願の指定商品は、海藻を原材料に使用する商品を含むものであるから、本願商標をその指定商品に使用したときは、「七つの海藻を(選び)原材料とする商品であること」を認識させるにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を有するとはいえず、単に商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわなければならない。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張
請求人は、本願商標は辞書に掲載されているものではなく、7種類の海藻を特定されるものでもないから、特定の食品及び健康食品の内容を想起させるものではなく、また、本願商標を実際に使用しているのは請求人のみであるから、自他商品の識別力を発揮している旨主張する。
しかしながら、食品分野においても、商品の原材料、漢数字(数字)と選の文字を組み合わせた「○○選」が類型的に使用されていること、また、本願の指定商品の分野の商品において、複数の海藻を原材料とする商品が販売されている事実があり、7種程度の海藻を使用することが不自然でないことからすると、本願商標に接する取引者、需要者は容易に前記(1)のとおり「これと思しき海藻を七つ選んだもの」の意味合いを認識するというべきである。そして、7種類の海藻の種類を特定するものではないとしても、前記(1)のとおり、何種類かのものを選んだものであることを強調して宣伝広告することが、一般に行われていることからすると、本願商標は7種類の海藻からなることを強調して表示された程度に理解されるにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を有していないものというべきである。
請求人は、既登録例をあげ本願商標が登録されるべきであると主張する。
しかしながら、請求人の主張している既登録例をもって本件の判断が拘束されるものでもないから、請求人の主張はいずれも採用することはできない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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