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Trademark Appeal Case

女子会の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2012−4240(T2012−4240/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は,「女子会」の文字を標準文字で表してなり,第43類「飲食物の提供,飲食物の提供に関する指導・助言・情報の提供,会議のための施設の提供」を指定役務として,平成22年11月9日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は,「本願商標は,『女子会』の文字を標準文字で書してなるところ,昨今,異性を意識することなく本音で話し,情報交換できる機会として,参加者を女性のみに限定した食事会や飲み会などを『女子会』と称して行っている実情に加えて,『女子会』の場として利用されやすい飲食店等では,このような動向に着目し,女子会限定プランを打ち出したり,女性のみの予約を優待したり特典をつけたりするなど,本願指定役務を取り扱う業界において,『女子会』の文字が多数採択・使用されている事実もある。これらのことよりすれば,本願商標をその指定役務中,『女子会のための飲食物の提供,女子会のための飲食物の提供に関する指導・助言・情報の提供,女子会のための施設の提供』に使用した場合には,これに接する需要者は,前記役務であることを認識するにとどまるものであり,本願商標は,単に役務の質を表したものであって,自他役務の識別標識としての機能を果たすものとは認められない。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記役務以外の役務『飲食物の提供,飲食物の提供に関する指導・助言・情報の提供,会議のための施設の提供』に使用するときは,役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので,同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

第3 当審における手続の経緯

当審において,請求人に対し,平成24年9月21日付けの審尋書により,インターネットのウェブサイトを提示した上で,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当する旨開示し,意見を求めた。

これに対し,請求人は,同年11月7日付けの回答書を提出した。

第4 当審の判断

1 商標法第3条第1項第6号について

本願商標は,「女子会」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中,「女子」の文字は「おんな,女性,婦人」の意味,「会」の文字は「人々が集まってする行事,集まり,つどい」の意味(広辞苑第六版)を有するものである。

そうすると,本願商標は,その構成文字から「女性の集まり」程の意味を容易に理解させるものである。

そして,「女子会」の文字は,「女子だけの飲み会」(現代用語の基礎知識2011,1249ページ)との記載があるように,現在では広く一般に親しまれているものといえる。

また,本願指定役務中「飲食物の提供」との関係において,居酒屋等の飲食店が,「女子だけの飲み会」のみを対象としたコース料理の提供等を行い,これに「女子会」の表示をしている事実が,以下の(1)ないし(4)のとおり見いだせる。

(1)「居酒屋 ダイニング 巨門星」に係るウェブサイト

(http://hitosara.com/0002147091/)

「歓送迎会・パーティー・女子会・合コン・デートと何でも使えるオシャレな和風居酒屋」と記載されている。

(2)「陽だまり 有楽町店」に係るウェブサイト

(http://hitosara.com/0005006522/)

「コースも充実しており飲み会,宴会,忘年会,新年会,歓送迎会,接待,打ち上げ,女子会,合コン,同窓会など様々なシーンに対応いたします。」と記載されている。

(3)「白金三代目 豚タツ」に係るウェブサイト

(http://hitosara.com/0004006498/)

「女子会コース⇒4200円。デート,女子会,接待,忘年会,歓送迎会,飲み会,誕生日会やご家族でのお食事にぜひどうぞ!」と記載されている。

(4)「上野御徒町個室創作ダイニング匠〜TAKUMI〜」に係るウェブサイト

(http://hitosara.com/0005033946/)

「女性が喜ぶスイーツやドリンクも多数取り揃えております♪女子会は是非当店で!」と記載されている。

さらに,本願指定役務中「飲食物の提供に関する情報の提供」との関係において,「女子だけの飲み会」のみを対象としたコース料理の提供等を行っている居酒屋等の飲食店に関する情報の提供を「女子会」の表示のもとで行っている事実が,以下の(5)及び(6)のとおり見いだせる。

(5)「ホットペッパー」に係るウェブサイト

(http://www.hotpepper.jp/top_party34/)

「女子会 完全ガイド」の見出しで,「女子会のお店探し 女子会だけの限定メニューや,おトクな特典がつくお店を徹底リサーチ!おすすめは今話題のテーマ別女子会!飲みに徹するオヤジ女子会や,たまには贅沢にセレブ女子会。いくつになっても,親しい仲間と集まりたい!そんなママ友にはアフタヌーン女子会を専門に扱うお店をご紹介します!・・・会話もいいけど,食事もしっかり楽しみたいという方には,美肌を目指せるヘルシー料理のお店や,有名なパティシエのいるデザート自慢のお店などなど,女子会にぴったりのお店をたっぷりとご紹介します!」と記載されている。

(6)「ヒトサラ」に係るウェブサイト

(http://hitosara.com/contents/jyoshikai/)

「女子会グルメ特集」の見出しで,「女子会におすすめのお店情報が満載!おしゃれな個室や人気のランチ,誕生日特典や女子会クーポンなど,こだわり条件で女子会にぴったりのお店をカンタン検索!人気のシーンや条件別に,女子会に使えるレストラン・カフェ・居酒屋を探せます。都道府県から,女子会にぴったりのお洒落な雰囲気のレストラン,女子会プランのあるお店が探せます。」と記載されている。

以上のとおり,「女子会」の文字は,「女子だけの飲み会」を表したものと容易に認識させるものであって,「飲食物の提供,飲食物の提供に関する情報の提供」との関係においては,「女子会」の表示の下で,「女子だけの飲み会」のみを対象としたコース料理の提供や「女子だけの飲み会」のみを対象としたメニューの提供等,又は,これらを提供する店に関する情報の提供が,請求人以外の多数の者によって行われている事実を勘案すれば,「女子会」の文字からなる本願商標を,その指定役務中「飲食物の提供,飲食物の提供に関する情報の提供」について使用しても,これに接する取引者,需要者は,「女子会(女子だけの飲み会)のための」役務であることを認識するにとどまり,自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものといえるから,結局,本願商標は,需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標といわなければならない。

したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当する。

なお,審尋においても記載したとおり,原査定は,本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するとして拒絶したものであるが,同項第3号該当性と同項第6号該当性については,いずれも,本願商標をその指定役務に使用しても,自他役務の識別標識としての機能を有するものではなく,同法第3条第1項所定の商標登録の要件を欠く商標に該当するという判断に至るものであるから,両者は,その判断の内容において実質的に相違するものではない。

2 請求人の主な主張について

(1)請求人は,審尋に対する回答書において,「『女子会』の文字は女性が本音で話し情報交換できる機会であることを本質とするものであって,単に『女子だけの飲み会』を示す文字ではない。当該『女子会』の文字が旅行業界,美容業界,金融業界,教育業界等の多岐にわたる業界で多数採択・使用されており,上記『女子会』の本質を捉えなければ理解不能な状態となっている事実(甲第1号証の1〜7)を勘案すれば,審尋の根拠は明らかに失当である」旨,また,「審尋で示されたウェブサイトにおける『女子会』の文字は,単に需要者の利用場面の例示,或いは従来周知の女性優遇サービスの説明として使用されているにすぎず,役務内容を直接的・具体的に表すために使用されているわけではなく,飲食店が『女子会』に利用されることはあっても,飲食店業界において『女子会のための』役務など確立していない」旨,主張している。

しかしながら,商標法第3条の該当性は,商標登録を受けようとする商標と,その指定商品又は指定役務との関係において判断するものであり,「女子会」の文字に多義的な意味があるとしても,「女子会」の文字からなる本願商標は,その指定役務中「飲食物の提供,飲食物の提供に関する情報の提供」との関係において,上記インターネットのウェブサイトにおいて示されている事実等から,「女子だけの飲み会」を表したものと容易に認識させるものであり,前記1の認定のとおり判断するのが相当であって,自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものといえるから,請求人の主張は採用することができない。

(2)請求人は,「女子会」の文字からなる登録商標及び「女子会」の文字を有する登録商標(すべて商品に係る登録商標)を引用して,「本願商標が自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものである」旨,主張している。

しかしながら,商標の識別性の判断は,出願された商標につき,それぞれの構成態様や取引の実情等をも勘案し,指定商品,指定役務ごとに個別具体的に判断されるべき性質のものであるばかりでなく,請求人の引用する商品に係る登録商標例をもって,本件の判断が拘束されるものでもないから,請求人の主張は採用することができない。

(3)請求人は,「審判請求人による本願商標の使用の結果,取引者・需要者は本願商標の出所を審判請求人と容易に結びつける状況にある(甲第2号証〜甲第6号証)」旨,主張している。

しかしながら,たとえ「女子会」の文字が「2010ユーキャン新語・流行語大賞」においてトップテン入りを果たし,「女子会」の文字に深くかかわったとして請求人の代表者が表彰された事実があり,また,請求人が本願商標を使用してきた事実等があるとしても,本願指定役務中「飲食物の提供,飲食物の提供に関する情報の提供」との関係において,「女子会」の文字が「女子会(女子だけの飲み会)のための」役務を提供することを表すものとして,請求人以外の者によって多数使用されている事実を勘案すれば,結局,審決時においては,前記1の認定のとおり,本願商標は,需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標といわなければならない。

したがって,請求人の主張は採用することができない。

3 結語

以上のとおりであるから,本願商標が,商標法第3条第1項第6号に該当するものとした前記第3の審尋書は妥当なものである。

したがって,本願商標は,商標登録することができないから,本願は,拒絶すべきものである。

よって,結論のとおり審決する。

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