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Trademark Appeal Case

成分複合語の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2012−1689(T2012−1689/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「コラーゲン含有ミネラル複合体」の文字を標準文字で表してなり、第1類及び第29類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品とし、平成23年3月4日に登録出願されたものである。

その後、本願の指定商品は、原審における平成23年8月31日受付及び当審における平成24年3月5日受付の手続補正書により、第1類「魚鱗由来のコラーゲンとミネラルの複合体を含む化学品」及び第29類「魚鱗由来のコラーゲンとミネラルの複合体を含む粉末状・顆粒状・粒状・錠剤状・ゼリー状・カプセル状・スティック状・液状の加工食品」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『コラーゲン含有ミネラル複合体』の文字を標準文字で表してなるところ、これを構成する『コラーゲン』、『含有』、『ミネラル』及び『複合体』の文字は、それぞれが一般的にも良く知られた語であるとともに、本願指定商品との関係においても、その成分や原材料を表示する際に用いられることの多いものであって、これらを一連に書した本願商標全体からは、『コラーゲンを含有したミネラルの複合体』程の意味合いが容易に想起され、これをその指定商品中、『コラーゲンを含有したミネラルの複合体』を、その成分、原材料とした商品に使用した場合には、商品の品質を表すものと認識される。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、前記商品以外の商品について使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審においてした証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲に示したとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、証拠調べの結果を通知した。

4 証拠調べに対する意見の要旨

請求人は、前記3の証拠調べ通知に対して、以下のように述べている。

(1)「コラーゲン含有ミネラル複合体」の語が、各種辞典や新聞等で使用されている事実は、上記証拠調べでも存在していない。

(2)「コラーゲン含有ミネラル複合体」についてのウェブサイトでの使用例は、請求人(出願人)から「プロテタイト」(出願人の登録商標)の商品名で、魚鱗由来の粉末状のコラーゲンとミネラルの複合体を購入したところが該文字を使用しており、もともと本願商標の文字を使用し始めたのは、請求人(出願人)であり、請求人(出願人)は、2007年頃から「プロテタイト」と命名して、商品として製造販売を開始し、その説明書の中で「コラーゲン含有ミネラル複合体」なる語を使用しているものである。

また、この商品が人体内に吸収されやすく、安全であるということが知れ渡ることにより、該語が業界で周知されてきたことから、「注目の成分&素材辞典」において、この語を取り上げているものである。

(3)人体内に吸収されやすく、安全である魚鱗由来の粉末状のコラーゲンとミネラルが互いに複合している新物質は、請求人(出願人)が世界に先駆けて開発したものである。このことは、特許公報(特許第4369969号)からも明らかであり、アメリカ、中国、台湾、韓国、タイといった諸外国にも該発明を特許出願しており、アメリカでは、特許権を取得している。

(4)本願商標は、「コラーゲン含有ミネラル複合体」と片仮名と漢字で同大、同間隔、かつ、一連に書してなり、「コラーゲン」と「ミネラル」及び「ミネラル」と「複合体」の間を横方向にも縦方向にも何ら離してなく、「コラーゲンガンユウミネラルフクゴウタイ」と淀みなく一気に称呼できるため、一体不可分のものとして観念すべきであるから、これを分離して観察判断すべきものではない。

(5)以上のことより、本願商標は、一種の造語と観念すべきものであり、それ自体、自他商品の識別機能を有しているとすべきものである。さらに、この新物質を開発した請求人(出願人)に本願商標の独占権を与えても、何ら市場を混乱させるものではなく、むしろ、新物質を開発し命名した商品名は、保護されてしかるべきものである。

5 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、「コラーゲン含有ミネラル複合体」の文字を標準文字で表してなり、第1類「魚鱗由来のコラーゲンとミネラルの複合体を含む化学品」及び第29類「魚鱗由来のコラーゲンとミネラルの複合体を含む粉末状・顆粒状・粒状・錠剤状・ゼリー状・カプセル状・スティック状・液状の加工食品」を指定商品とするものである。

(2)本願商標の構成について

本願商標の構成中の「コラーゲン」の文字は、「動物の皮革・腱・軟骨などを構成する硬蛋白質の一種。」の意味、「含有」の文字は、「成分として含んでいること。」の意味、「ミネラル」の文字は、「栄養素として生理作用に必要な無機物。」の意味及び「複合体」の文字は、「複合して一体をなしているもの。」の意味(いずれも「広辞苑第六版」(株式会社岩波書店発行)を有するものとして一般的に良く知られている語である。

そして、これらの語は、その指定商品を取り扱う分野において、別掲2及び3のとおり、商品の成分や原材料を表示するものとして使用されており、また、これらを結合してなる「コラーゲン含有ミネラル複合体」の文字は、別掲4のとおり、商品の成分や原材料を表示するものとして使用されていることより、その構成文字全体からは、「コラーゲンを含有したミネラルの複合体」程の意味合いを容易に認識するものである。

(3)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について

以上のとおり、本願商標の指定商品を取り扱う分野においては、「コラーゲンを含有したミネラルの複合体」を原材料とする商品が製造、販売されていることが認められ、本願商標の指定商品は、「魚鱗由来のコラーゲンとミネラルの複合体を含む化学品」及び「魚鱗由来のコラーゲンとミネラルの複合体を含む粉末状・顆粒状・粒状・錠剤状・ゼリー状・カプセル状・スティック状・液状の加工食品」であることから、本願商標がその指定商品に使用された場合、これに接する当該指定商品の取引者、需要者は、「コラーゲンを含有したミネラルの複合体」を原材料とする商品であることを理解し、これが当該商品の原材料、品質を表しているものと認識するとみるのが相当である。

そして、本願商標は、「コラーゲン含有ミネラル複合体」という標準文字からなるものであるから、指定商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものといわざるを得ない。

(4) 請求人(出願人)の主張について

請求人(出願人)は、本願商標は、一体不可分の一種の造語であって、「人体内に吸収されやすく、安全である魚鱗由来の粉末状のコラーゲンとミネラルが互いに複合している新物質」(特許第4369969号)を開発し、2007年頃から「プロテタイト」(登録商標)と命名しその説明書の中で本願商標を使用しており、請求人(出願人)から前記商品を購入した者が使用している旨主張しているところ、確かに、「コラーゲン含有ミネラル複合体」という一連の語は、我が国の辞典や新聞等には掲載されていない。

しかしながら、商標法第3条第1項第3号が「その商品の産地、販売地、品質、原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」は商標登録を受けることができない旨規定する趣旨は、このような商標は、商品の産地、販売地その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示としてなんぴともその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占的使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、

一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによると解され(最高裁昭和53年(行ツ)第129号 昭和54年4月10日第三小法廷判決)、また、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである(東京高裁平成12年(行ケ)第76号 平成12年9月4日判決)。

これらの説示に照らせば、判断時において、当該商標が指定商品の品質を表すものと取引者、需要者に広く認識されている場合はもとより、将来を含め、取引者、需要者にその商品の品質を表すものと認識される可能性があり、これを特定人に独占使用させることが公益上適当でないと判断されるときには、その商標は、同号に該当するものと解するのが相当である。

そうとすれば、「コラーゲン含有ミネラル複合体」の文字は、別掲2ないし4に示す当該指定商品の分野における実情から、本願商標に接する取引者、需要者において、商品の原材料を記述的に表示するものと理解され、「コラーゲンを含有したミネラルの複合体」程の意味合いを容易に認識するといい得るものであるから、自他商品の識別標識としての機能を有さないものである。

また、本願商標を使用している商品が特許発明に係るものであるとしても、特許権による保護は、同法の目的に基づいて、保護の対象、要件、権利の範囲、効力等が定められているものであって、これらに従った特許発明と商標の使用とは明らかに異なるものであるから、特許権による独占を理由として自他商品の識別力を有するに至ったとは認めることはできないものである。

さらに、請求人(出願人)は、2007年頃から「プロテタイト」(登録商標)と命名し、該商品の説明書の中で本願商標を使用しており、前記商品を購入した者が使用していると主張している。

しかしながら、別掲4に示した「コラーゲン含有ミネラル複合体」の文字の使用例において、請求人との関係が見いだされないばかりでなく、また、請求人の使用に係る商品「プロテタイト」(登録商標)の説明書の中での使用については、該商品の原材料をわかりやすく具体的に表示するものとみるのが相当であり、本願商標からは、「コラーゲンを含有したミネラルの複合体」程の意味合いを容易に認識するといい得ること上記のとおりであるから、請求人の主張は採用できない。

(5)結び

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであり、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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