Trademark Appeal Case
称呼類似と要部認定
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年異議第91472号 |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4293414号商標(以下「本件商標」という。)は、平成7年5月17日に登録出願され、別掲(イ)に表示したとおりの構成よりなり、第18類「皮革、かばん類、袋物、携帯用化粧道具入れ、かばん金具、がま口口金、傘、ステッキ、つえ、つえ金具、つえの柄、乗馬用具、愛玩動物用被服類」を指定商品として平成11年7月9日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第1462893号商標(以下「引用A商標」という。)は、「POLLINI」の文字を書してなり、昭和52年6月30日に登録出願、第22類「はき物(運動用特殊靴を除く)かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品として昭和56年5月30日に設定登録されたものである。同じく登録第1552717号商標(以下「引用B商標」という。)は、別掲(ロ)に表示したとおりの構成よりなり、昭和53年2月25日に登録出願、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉およびその模造品、造花、化粧用具」を指定商品として昭和57年11月26日に設定登録されたものである。同じく登録第1997783号商標(以下「引用C商標」という。)は、「POLLINI」の文字を書してなり、昭和60年3月6日に登録出願、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として昭和62年11月20日に設定登録されたものである。同じく登録第1997784号商標(以下「引用D商標」という。)は、「POLLINI」の文字を書してなり、昭和60年3月6日に登録出願、第24類「おもちゃ、人形、娯楽用具、運動具、釣り具、楽器、演奏補助品、蓄音機(電気蓄音機を除く)レコード、これらの部品及び附属品」を指定商品として昭和62年11月20日に設定登録されたものである。同じく登録第1942074号商標(以下「引用E商標」という。)は、「POLLINI」の文字を書してなり、昭和60年3月6日に登録出願、第20類「家具、畳類、建具、屋内装置品(書画及び彫刻を除く)屋外装置品(他の類に属するものを除く)記念カップ類、葬祭用具」を指定商品として昭和62年3月27日に設定登録されたものである。同じく登録第2072525号の2商標(以下「引用F商標」という。)は、「POLLINI」の文字を書してなり、昭和60年5月29日に登録出願、第23類「眼鏡、並びに眼鏡の部品および附属品」を指定商品として昭和63年8月29日に設定登録された登録第2072525号商標の商標権を分割し平成8年2月13日に登録されたものである。同じく登録第2631106号商標(以下「引用G商標」という。)は、別掲(ハ)に表示したとおりの構成よりなり、平成3年12月5日に登録出願、第25類「紙類、文房具類」を指定商品として平成6年3月31日に設定登録されたものである。同じく登録第3319443号商標(以下「引用H商標」という。)は、別掲(ニ)に表示したとおりの構成よりなり、平成7年4月24日に登録出願、第9類「写真機械器具、映画機械器具、光学機械器具、眼鏡、加工ガラス(建築用のものを除く。)」を指定商品として平成9年6月6日に設定登録されたものである。これらの登録商標を併せていうときは単に「引用商標」という。
(2)理由
本件商標は、引用A商標、引用B商標及び引用D商標と称呼上類似するものであって、指定商品も類似する。また、「POLLINI」及び「ポリーニ」商標は、本件商標の出願日前より、靴、バッグその他ファッション関連商品に使用し著名な商標であるから、本件商標は、商品の出所について誤認、混同を生ずるおそれがある。さらに、本件商標は、申立人の略称として著名な「POLLINI」の文字を含む商標である。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号及び同第8号に該当し、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)本件商標は、別掲(イ)に示すとおり「LORENZO」の文字と「POLLINI」の文字とが半文字程度の間隔をもって表されているものの、「LORENZO」の語頭の「L」及び「POLLINI」の末尾の「I」の2文字を他の文字に比して大きく表し、これらの文字の上部中央に図形を配する構成より、全体としてバランスの取れたまとまりのある構成よりなるものという印象を受けるものであって、「LORENZO」と「POLLINI」の両文字間には軽重の差を見出し得ないばかりでなく、「POLLINI」の文字部分をもって取引に資されるとみるべき格別の事情も認められない(申立人は、「POLLINI」及び「ポリーニ」商標は著名な商標であると主張するが、後述するようにその著名性は認められない。)。したがって、本件商標は、「ロレンツォポリーニ」の一連の称呼のみを生じ、単に「ポリーニ」の称呼を生ずるものとは判断し得ないから、引用A商標、引用B商標及び引用D商標と外観、観念においてはもとより、それぞれから生ずる「ロレンツォポリーニ」と「ポリーニ」の称呼においても類似するものということはできない。
(2)次に、申立人の提出に係る証拠を検討するに、1988年11月17日付「日経産業新聞」(甲第3号証)に、イタリアの大手靴メーカー、ポリーニが日本の靴専門店と総代理店契約を結んだ旨、及び、ポリーニは昭和53年から日本に製品を輸出販売していた旨の記事が、1989年2月11日付「日経流通新聞」(甲第4号証)に、神戸にポリーニの専門店が出店する旨の記事がそれぞれ掲載されており、また、「英和商品名辞典」(初版第3刷1991年、甲第443号証)に「Pollini ポリーニ」の項が設けられ、「1956年創業のイタリアの靴メーカー、そのブランド、・・・」と記載されていることが認められる。
しかしながら、申立人の製品が世界各国の雑誌に取り上げられ紹介されたとして提出した甲第9号証ないし同第283号証のうち、我が国の雑誌に掲載されたものは甲第9号証ないし同第41号証であるが、その発行日はいずれも本件商標の登録出願の後であり、また、申立人の製品が世界各国に輸出され、販売されたとして提出したインボイス(甲第285号証ないし同第432号証)には我が国向けのものはない。
以上、本件商標の登録出願前における申立人の我が国における広告、宣伝の実状、商品の販売実績などが明らかでないことからすると、近時の、海外旅行の一般化、情報媒体の発展に伴う各種情報のグローバル化、ボーダーレス化の事情を考慮しても、本件商標の登録出願前においては、申立人が靴について使用する「Pollini」、「ポリーニ」商標が、広く知られ著名性を獲得していたとまでは判断することができない。
そうすると、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接した取引者、需要者が、これより直ちに引用商標或いは申立人を想起するものとは認められないから、本件商標は、申立人又は同人と組織的、経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く商品の出所について混同を生ずるおそれはない。
(3)また、甲各号証によれば、申立人を「POLLINI」、「ポリーニ」、「ポリーニ社」と略して記載されている事実が認められるとしても、「POLLINI」が申立人の略称として著名となっていたものとは認められないから、本件商標は、他人の名称の著名な略称を含むものではない。
(4)以上のとおりであって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号及び同第8号に違反して登録されたものではない。
よって、結論のとおり決定する。
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