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Trademark Appeal Case

商標の類否判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2012−890084(T2012−890084/J3)
審判種別無効
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5500070号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5500070号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1に示すとおりの構成よりなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,スボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),げた,草履類,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」を指定商品として、平成16年8月3日に登録出願され、同24年4月27日に登録審決、同年6月15日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

1 請求人が、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録商標は、以下の(1)ないし(5)に示す登録商標を含む別掲11に示す55件の登録商標であって、それらの商標権はいずれも現に有効に存続しているものである。なお、引用した登録商標の55件すべてをまとめて表すときは「引用商標A」という。

(1)登録第2052431号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、昭和59年10月3日に登録出願され、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、同63年6月24日に設定登録されたものである。

(2)登録第4005325号商標(以下「引用商標7」という。)は、別掲3のとおりの構成からなり、平成7年7月28日に登録出願され、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,帽子,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(乗馬靴を除く)」を指定商品として、同9年5月30日に設定登録されたものである。

(3)登録第4240003号商標(以下「引用商標14」という。)は、別掲4のとおりの構成からなる立体商標であり、平成9年4月1日に登録出願され、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),げた,草履類,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同11年2月12日に設定登録されたものである。

(4)登録第4343451号商標(以下「引用商標25」という。)は、別掲6のとおりの構成からなり、平成11年1月22日に登録出願され、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),げた,草履類,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同年12月10日に設定登録されたものである。

(5)登録第4697647号商標(以下「引用商標45」という。)は、別掲9のとおりの構成からなり、平成14年12月4日に登録出願され、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同15年8月1日に設定登録されたものである。

(以下、前記(1)から(5)をまとめて、単に「引用商標B」ということがある。)

2 請求人が本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するとして引用する標章は、以下の(1)及び(2)に示す登録商標である。

(1)登録第595694号商標(以下「使用標章1」という。)は、別掲8のとおりの構成からなり、昭和35年5月31日に登録出願され、第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同37年8月24日に設定登録されたものである。その後、平成15年7月23日に第30類「調味料,香辛料」を指定商品とする書換登録がされている。

(2)登録第832283号商標(以下「使用標章2」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、昭和41年8月11日に登録出願され、第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同44年9月24日に設定登録されたものである。その後、指定商品については、平成21年6月17日に第30類「調味料,香辛料」を指定商品とする書換登録がされている。

第3 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第116号証を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものであるから、その登録は同法第46条第1項に基づき、無効とされるべきである。

2 商標法第4条第1項第11号について

(1)本件商標の称呼及び観念

本件商標は、別掲1のとおり、頭頂部が尖り、目がパッチリと大きい、裸体の幼児の人形を模した図形からなるものであって、この図形は、我が国でも周知になった「キューピー」人形とその基本的な特徴を共通にするものであるから、その図形に相応して、「キューピー」の称呼及び観念が生じる。

(2)引用商標の称呼及び観念

ア 引用商標2は、別掲2のとおり、「キューピー」の片仮名を横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応して、「キューピー」の称呼及び観念が生じる。

イ 引用商標7は、別掲3のとおり、頭頂部が尖り、目がパッチリと大きい、裸体の幼児の人形を模した図形よりなるものであって、この図形は、我が国でも周知になった「キューピー」人形とその基本的な特徴を共通にするものであるから、その図形に相応して、「キューピー」の称呼及び観念が生じる。

ウ 引用商標14は、別掲4のとおり、頭頂部が尖り、目がパッチリと大きい裸体の幼児の人形を模した立体的形状からなるものであって、この立体的形状は、我が国でも周知になった「キューピー」人形とその基本的な特徴を共通にするものであるから、その形状に相応して、「キューピー」の称呼及び観念が生じる。

エ 引用商標25は、別掲6のとおり、上段に「キューピー」の片仮名を横書きし、中段に頭頂部が尖り、目がパッチリと大きい、裸体の幼児の人形を模した図形を有し、下段に「KEWPIE」の欧文字を横書きしてなるものであるから、その文字及び図形に相応して、「キューピー」の称呼及び観念が生じる。

オ 引用商標45は、別掲9のとおり、上段に頭頂部が尖り、目がパッチリと大きい、裸体の幼児の人形を模した図形を有し、中段に「KEWPIE」の欧文字を横書きし、下段に「キューピー」の片仮名を横書きしてなるものであるから、その文字及び図形に相応して、「キューピー」の称呼及び観念が生じる。

カ そして、その他、別掲2ないし10及び別掲11の(1)及び(6)のとおり、上記引用商標を含む引用商標Aのいずれからも、「キューピー」の称呼及び「キューピー」の観念が生じるものである。

(3)本件商標と引用商標Aの外観

上記(1)のとおり、本件商標は、キューピー人形とその基本的な特徴を共通にする図形からなるものである。

一方、引用商標Aのうち、文字商標である引用商標1ないし引用商標6以外の商標(以下「引用図形商標」という。)については、キューピー人形とその基本的な特徴を共通にする図形若しくは立体的形状からなり、又は有してなるものである。

したがって、本件商標の外観と引用図形商標の外観とは、がそれぞれ互いに類似している。また、上記(2)のとおり、引用商標Aからは「キューピー」の称呼及び観念が生じることからしても、少なくとも、本件商標と引用商標Aの外観上の相違点は、本件商標と引用商標Aとが類似商標であることを何ら否定するものではない。

(4)本件商標と引用商標Aとの類否

上記(2)のとおり、本件商標及び引用商標Aのいずれからも、「キューピー」の称呼及び観念が生じ、両商標は、互いにその称呼及び観念を同一とする類似商標である。

また、上記(3)のとおり、本件商標と引用図形商標の外観は類似しており、少なくとも、本件商標と当該引用商標の外観上の相違点は、本件商標と引用商標Aとが類似商標であることを何ら否定するものではない。

したがって、本件商標と引用商標Aは、それぞれ互いに類似する商標である。

(5)上記の請求人の主張は、キューピー関連商標に係る多くの裁判例、審決例及び審査例によっても支持されており(甲第57号証ないし甲第65号証)、これらの例からしても、本件商標と引用商標Aは、それぞれ互いに類似する商標であることは明らかである。

(6)小括

以上のとおり、本件商標と引用商標Aは、それぞれ互いに類似する商標であり、また、本件商標は、引用商標Aの指定商品と同一又は類似の商品について使用するものである。

したがって、本件商標がその指定商品に使用されると、取引者又は需要者において引用商標Aとの間で出所の混同を生じることは明らかである。

3 商標法第4条第1項第15号について

(1)本件商標と使用標章との類似

本件商標からは「キューピー」の称呼及び観念が生じることは、上記2(1)のとおりである。

一方、使用標章1は、別掲8のとおり、頭頂部と思しき部分が尖り、目がパッチリと大きい裸体の幼児の人形を模した図形からなるものであるから、ここから「キューピー」の称呼及び観念を生じる。

同じく、使用標章2は、別掲2のとおり、「キューピー」の片仮名を横書きしてなるものであり、「キューピー」の称呼及び観念を生じる。

したがって、本件商標と使用標章1及び2とは、互いにその称呼及び観念を同一とする類似商標である。

(2)使用標章の著名性

ア 請求人は、大正8年に設立された会社であり、大正14年に我が国初の国産マヨネーズの製造を開始し、「キューピー」の文字及び「キューピー人形」よりなる商標を付して発売し、今日に至るまで、商標の書体、態様に多少の変更を加えつつも、一貫してこの商標を使用し続けてきた(甲第68号証及び甲第69号証)。そして、戦後の国民の食生活の変化に伴い、洋食に合うマヨネーズが爆発的に売れるようになったことにより、「キューピー」及び「キューピー人形」の商標は、日本全国に知れ渡るに至ったものである。

請求人は、「キューピー」及び「キューピー人形」の商標を付したマヨネーズが全国的なシェアを持つに至ったことから、昭和32年に社名を「キユーピー株式会社」に変更し、以来、今日までその社名を使用し続けてきた。

また、請求人は、マヨネーズ、各種ドレッシング等の調味料に加え、パスタソース、ベビーフード等の加工食品についても「キューピー」、「キューピー人形」の商標を使用し発売し、これらの商品が全国的規模で売れたことから、本件商標出願及び登録前には、「キューピー」といえば、直ちにマヨネーズをはじめとする上記商品或いは請求人を指称するほどに広く知られるに至ったものである(甲第70号証及び甲第71号証)。

イ ところで、請求人の取扱商品は多種にわたるものであるのみならず、例えば、ソース類缶詰、マヨネーズ類(液状ドレッシング類を除く)、液状ドレッシング、レトルトパスタソース類、ベビーフード、介護・治療食、ダイエット食品、アクティブシニア向け食品及び健康/安心・安全訴求商品の日本国内における請求人の年度別シェア及び順位は、ともに高いものである(甲第72号証ないし甲第76号証)。

また、「キューピー」は、食品会社を対象とした第三者によるアンケート調査においては勿論、商品分野を限定しない企業全般を対象とした第三者によるアンケート調査においても、第1位の評価を多数回取得するなど、非常に高い評価結果を得ており、このことは、「キューピー」は食品会社の企業ブランドとして、また一般的な企業ブランドとして、需要者から極めて高い評価を得ている事実を裏付けるものでもある(甲第77号証ないし甲第87号証)。

したがって、「キューピー」は、企業ブランドとしても需要者から極めて高い評価を得ているものであり、食品分野については勿論、食品分野の枠を超えても、著名性を獲得していることは明らかである。

ウ そして、使用標章1及び2は、需要者の間に広く認識されている著名な商標であって、他人が使用することにより混同を生じるおそれがあるものとして、防護標章の登録が認められているものである。

(ア)使用標章1についての防護標章の登録は、旧第17類の防護標章登録第14号、旧第21類の防護標章登録第19号(平成19年5月25日存続期間満了)、旧第22類の防護標章登録第20号(平成19年5月25日存続期間満了)及び旧第24類の防護標章登録第31号(平成23年1月28日存続期間満了)等を始めとして、その指定商品の属する区分を除き、全ての旧商品区分、また、現行区分(国際分類)では全ての区分について出所の混同のおそれがあるものとして防護標章の登録がなされている(甲第66号証)。

なお、使用標章1は、本件商標の指定商品と同一又は類似の商品についても、現行区分(国際分類第8版)第25類に防護標章登録第44号が存在する(甲第88号証)。

(イ)同じく、使用標章2については、旧第22類の防護標章登録第10号、旧第24類の防護標章登録第11号及び旧第17類の防護標章登録第16号等を始めとして、その指定商品の属する区分を除き、多くの旧商品区分、また、現行区分(国際分類)では全ての区分について出所の混同のおそれがあるものとして防護標章の登録がされている(甲第67号証)。

なお、使用標章2は、本件商標の指定商品と同一又は類以の商品についても、現行区分(国際分類第9版)第25類に防護標章登録第36号が存在する(甲第89号証)。

エ さらに、使用標章1及び2は、特許電子図書館(IPDL)に日本国の周知・著名商標として収録されているものであり(甲第90号証)、また「FAMOUS TRADEMARKS IN JAPAN」に日本の著名商標として掲載されており、この事実は、使用標章1及び2が非常に高い著名性を有することを裏付けるものである(甲第91号証)。

オ 以上のとおり、使用標章1及び2は、上記の商品別シェア(順位)、企業ブランド、宣伝・広告実績、新聞・雑誌の紹介記事、防護標章登録等の事実から、請求人の業務に係る商品を表示するものとして取引者・需要者間に広く認識されている周知・著名商標であることは明白である。

(3)使用標章を使用した本件商標の指定商品と同一又は類似の商品を販売し、取引者・需要者に広く認識されていること

ア コラボレーションTシャツ

日本を代表するカジュアル衣料品会社である株式会社ファーストリテイリング及び株式会社ユニクロ(以下、単に「ユニクロ」という。)は、2003年から有名ブランドを擁する企業とのコラボレーションTシャツを企画販売し、2003年以降も毎年同企画を展開して、大きな反響を呼んでいる(甲第92号証ないし甲第96号証)。

そして、請求人はユニクロと共に企業コラボTシャツ企画において、2003年からほぼ毎年、使用標章1及び2を含むキューピーブランドのTシャツを販売してきており、これが取引者・需要者に広く認識されていることは明らかである(甲第97号証ないし甲第109号証)。

イ 関連会社によるエプロン、バンダナ、Tシャツ等の販売

請求人の関連会社である株式会社トウ・キユーピーは、2005年7月19日、2005年8月24日ないし2006年3月27日、2006年4月26日ないし同年9月4日、2006年10月24日ないし2007年3月22日及び2011年1月12日ないし2011年5月24日までの期間に、使用標章1及び2を含むキューピーブランドに係るエプロン、バンダナ、Tシャツ等を販売してきており(甲第110号証ないし甲第116号証)、これらも取引者・需要者に広く認識されていることは明らかである。

(4)出所の混同のおそれ

ア 本件商標と使用標章1及び2とは、「キューピー」の同一の称呼及び観念を有する類似の商標であり、本件商標の外観と使用標章1及び2の外観とはそれぞれ互いに類似すること。

イ 使用標章1及び2は、本件商標の指定商品をはじめとする多くの分野の商品・役務について他人が使用した場合、混同を生じさせるおそれがある極めて著名なものであること。

ウ 請求人及び請求人の関連会社が使用標章1及び2を使用した本件商標の指定商品と同一又は類似の商品を販売し、取引者・需要者間に広く認識されていること。

上記アないしウの事実から、被請求人が、使用標章1及び2と類似する本件商標を、その指定商品について使用する場合には、その商品が請求人若しくは請求人の関連会社の業務に係る商品であるかの如く混同を生じることは明らかである。

第4 被請求人の主張

被請求人は、答弁していない。

第5 当審の判断

1 「キューピー」のキャラクターについて

「キューピー(Kewpie)」は、1909年に米国人ローズ・オニールにより、キューピッドをモチーフにした裸体の幼児のイラストとして発表されたキャラクターであり、その後、雑誌に「キューピーシリーズ」として連載され、また、「キューピー」のイラストを立体化した人形が発売され大人気を博した。「キューピー人形」の人気は世界的に波及し、我が国においても、昭和年代に入ってから、セルロイド製の「キューピー人形」が製造され広く流布するなどし、その後、その人気を受け、「キューピー」又は「キューピー人形」は、請求人をはじめとする多くの企業が、企業自体やその商品のイメージキャラクターとして宣伝広告に使用したことにより、我が国における「キューピー」又は「キューピー人形」の認知度は更に高まった。前記のとおり、「キューピー」のキャラクターは、頭頂部が尖った目のパッチリと大きい裸体の幼児のキャラクターとして広く認知されていたものである。(平成20年(行ケ)10139号参照)

また、平成10年11月に岩波書店から発行された「広辞苑第5版」には、「キューピー【Kewpie】」として、「オニール(Rose O'Neill)のキューピッドの絵を模したセルロイド製のおもちゃ。頭の先がとがり、目の大きい裸体の人形。1910年代にアメリカで発売。商標名。」との記載がある。

そうすると、容姿に上記のような特徴を有するキャラクターは、少なくとも、本件商標登録出願時(平成16年8月3日)及び登録審決時(平成24年4月27日)には、その指定商品に係る我が国の取引者、需要者間において、「キューピー」ないし「キューピー人形」を容易に認識させる程に広く知られていたものということができる。

2 商標法第4条第1項第11号について

(1)本件商標

本件商標は、別掲1のとおり、頭頂部の髪と思しき部分が尖り、パッチリとした大きな目をした裸体の幼児の人形のごとき構成からなる図形商標であるところ、その特徴的な容姿は、上記1の「キューピー」ないし「キューピー人形」の特徴と符合するものであるから、その構成に相応して、「キューピー」の称呼及びキャラクターとしての「キューピー」ないし「キューピー人形」の観念を生じるものである。

(2)引用商標

ア 引用商標2は、別掲2のとおり、やや図案化した「キューピー」の片仮名からなるところ、その文字に相応して「キューピー」の称呼が生じ、また、上記1のとおり、キャラクターとしての「キューピー」ないし「キューピー人形」が広く知られていたものであるから、その文字自体からもこれを容易に想起、認識させるものであって、キャラクターとしての「キューピー」ないし「キューピー人形」の観念を生じるものといえる。

イ 引用商標7は、別掲3のとおり、頭頂部の髪と思しき部分が尖り、パッチリとした大きな目をした裸体の幼児の人形のごとき図形商標であるところ、本件商標と同様にその特徴的な容姿は、上記1の「キューピー」ないし「キューピー人形」の特徴と符合するものであるから、その構成に相応して、「キューピー」の称呼及びキャラクターとしての「キューピー」ないし「キューピー人形」の観念を生じるものである。

ウ 引用商標14は、別掲4のとおり、頭頂部の髪と思しき部分が尖り、パッチリとした大きな目をした裸体の幼児の人形を描いた立体商標であるところ、前記イと同様に、その構成に相応して、「キューピー」の称呼及びキャラクターとしての「キューピー」ないし「キューピー人形」の観念を生じるものである。

エ 引用商標25は、別掲6のとおり、中段に頭頂部の髪と思しき部分が尖り、パッチリとした大きな目をした裸体の幼児の人形を描いた図形と、その上段にやや図案化した「キューピー」の片仮名を、同じく下段に「KEWPIE」の欧文字を横書きした構成からなるところ、前記ア及びイと同様に、その各文字及び図形に相応して、「キューピー」の称呼及びキャラクターとしての「キューピー」ないし「キューピー人形」の観念を生じるものである。

オ 引用商標45は、別掲9のとおり、上段に頭頂部が尖り、目がパッチリと大きい、裸体の幼児の人形を模した図形を有し、その下に「KEWPIE」の欧文字と「キューピー」の片仮名を横書きした構成からなるところ、前記ア及びイと同様に、その各文字及び図形に相応して、「キューピー」の称呼及びキャラクターとしての「キューピー」ないし「キューピー人形」の観念を生じるものである

(3)本件商標と引用商標Bとの類否

本件商標と引用商標Bは、その構成をそれぞれ別掲2、3、4、6及び9のとおりとするものであり、その外観においては相違する点があるとしても、上記(1)及び(2)のとおり、両商標からは、それぞれ「キューピー」の称呼及びキャラクターとしての「キューピー」ないし「キューピー人形」の観念が生じるものである。

したがって、本件商標と引用商標Bは、それぞれの構成から生じる称呼及び観念を同じくする類似の商標ということができる。

(4)本件商標の指定商品と引用商標Bの指定商品との対比

本件商標及び引用商標Bの指定商品は、上記第1及び第2のとおりであるところ、

ア 本件商標の指定商品中の「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」は、引用商標2の指定商品中の「被服(運動用特殊被服を除く)」に、また、引用商標14、引用商標25及び引用商標45の各指定商品中の「被服」にそれぞれ包含される同一又は類似の商品である。

そして、「和服」を除く、上記した本件商標の指定商品と、引用商標7の指定商品中の「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,帽子」とは同一の商品であり、その余の「バンダナ,保温用サポーター,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット」とは、その取引者や需要者など取引経路を共通にする類似の商品といえるものである。

イ 本件商標の指定商品中の「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」は、引用商標14、引用商標25及び引用商標45の各指定商品中の「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」と同一の商品である。

同じく、本件商標の指定商品中の「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」のうち、「バンド,ベルト」は、引用商標7の指定商品中の「バンド,ベルト」と同一の商品であり、その余の「ガーター,靴下止め,ズボンつり」とは、その取引者や需要者など取引経路を共通にする類似の商品といえるものである。

ウ 本件商標の指定商品中の「靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),げた,草履類」は、引用商標7及び引用商標45の各指定商品中の「履物」に包含される同一又は類似の商品である。

そして、上記した本件商標の指定商品と、引用商標14及び引用商標25の各指定商品中の「靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),げた,草履類」とは同一の商品である。

エ 本件商標の指定商品中の「仮装用衣服」は、引用商標14、引用商標25及び引用商標45の各指定商品中の「仮装用衣服」と同一の商品である。

オ 本件商標の指定商品中の「運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」は、引用商標14、引用商標25及び引用商標45の各指定商品中の「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」にそれぞれ包含される同一又は類似の商品である。

そして、「乗馬靴」を除く、上記した本件商標の指定商品と、引用商標7の指定商品中の「運動用特殊衣服,運動用特殊靴(乗馬靴を除く)」とは同一の商品である。

カ 小括

したがって、前記アないしオのとおり、本件商標の指定商品は、その全てが、引用商標Bのいずれかの指定商品に包含されているか又は類似するものであるから、本件商標と引用商標Bの指定商品は、同一又は類似するものということができる。

(5)まとめ

そうすると、本件商標は、その登録出願の日前の登録出願に係る他人の登録商標である引用商標Bと類似する商標であり、その引用商標Bに係る指定商品又はこれに類似する商品について使用するものとして出願された商標であるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものであって、その登録は同号に違反してされたものといわなければならない。

3 むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、これに違反して登録されたものであるから、その余の請求の理由について判断するまでもなく、同法第46条第1項第1号により、その登録を無効とすべきである。

よって、結論のとおり審決する。

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