Trademark Appeal Case
記述的結合商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2012−3532(T2012−3532/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「リハビリライトパンツ」の文字を標準文字で表してなり、第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成23年1月28日に登録出願されたものであり、その後、指定商品については、原審における同年7月19日付け手続補正書により、第5類「失禁用パンツ,大人用紙オムツ(パンツ式のものに限る)」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『リハビリライトパンツ』の文字を標準文字で表してなり、構成中『リハビリ』の文字は、『治療段階を終えた疾病や外傷の後遺症を持つ人に対して、医学的・心理学的な指導や機能回復・社会復帰をはかること』を意味する『リハビリテーション』の略語であり(広辞苑第六版)、『ライト』の文字は、本願に係る指定商品の業界においては、『商品が薄型であること』を認識させる語として使用されており、『パンツ』の文字は、ズボン風の下着を意味する語として親しまれている語であることから、本願商標よりは全体として、『リハビリテーション向けの薄型のパンツ』又は『リハビリテーション向けの薄型のパンツ型商品』程の意味合いを容易に認識させるものである。そして、本願に係る指定商品の業界においては、『リハビリパンツ』の文字が『リハビリテーション向けの大人用おむつ』、『リハビリテーション向けのパンツ型商品』等を意味するものとして使用されている実情がある。そうすると、『リハビリパンツ』の文字に、『商品が薄型であること』を認識させる『ライト』の文字を結合した本願商標を、その指定商品中、例えば、『リハビリテーション向けの失禁用の薄型パンツ』等『リハビリテーション向けの薄型のパンツ型商品』に使用しても、単に商品の品質、用途を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり「リハビリライトパンツ」の文字からなり、その構成は「リハビリ」「ライト」及び「パンツ」の各語からなるものと容易に認識できるものである。
そして、「リハビリ」の文字は「リハビリテーションの略。」として「治療段階を終えた疾病や外傷の後遺症を持つ人に対して、医学的・心理学的な指導や機能訓練を施し、機能回復・社会復帰をはかること。」(広辞苑第六版)を表す語として一般に広く認識されているものであり、本願の指定商品との関係においては、要介護者の自立を促し機能回復を図るのに適したパンツ型の商品について該文字が「リハビリテーション向け」ほどの意味を表すものとして使用されている。
また、「パンツ」の文字は、本願の指定商品「失禁用パンツ,大人用紙オムツ(パンツ式のものに限る)」を取扱う業界において、その商品の品質、形状を表すものとして普通に使用されている。
加えて、「リハビリパンツ」の文字が、「要介護者の自立を促し機能回復を図る一助となるパンツ型商品、介護用のパンツ型商品」を表示するものとして使用されている。
一方、「失禁用パンツ,大人用紙オムツ(パンツ式のものに限る)」は、利用者(需要者)にとってその吸収性及び吸収量が商品の購入時の重要な要因であり、当業界において、吸収量の少ない、軽失禁用の薄型の商品について「ライト」の文字が使用されていることからすると、該文字から、需要者はその商品が「吸収量の比較的少ない、軽失禁用の薄型の商品」であることを表すものと認識し、商品の品質を理解するとみるのが相当である。
さらに、本願の指定商品と同様の用途の商品と認められる「尿もれ用パッド」についても「ライト」の文字が「薄型で吸収量が少ない」程の意味合いを表すものとして使用されている。
以上のことは、原審で挙げた使用例のほかに別掲に示した新聞記事及びインターネットのウェブサイトの記事からも首肯できるものである。
また、「ライト」の語は、「軽快な衣服、気楽に着られる衣服」の意味を表す「ライトウェア」、「ヒールもはき口もごく低く作られた、軽いパンプス」を表す「ライトパンプス」、「アルコール度数やカロリーの低いビール」を表す「ライトビール」(「コンサイスカタカナ語辞典第4版」株式会社三省堂)のように他の語と合成語を成して「少ない、軽い」程の意味合いを表すものとして一般に使用されていることからすると、本願商標構成中の「ライト」の文字は、これに接する本願の指定商品の取引者、需要者においても「少ない、軽い」の意味を理解するものといえる。
そうとすると、上記取引の実情のもと「リハビリ」「ライト」及び「パンツ」の文字を連綴した構成からなる本願商標は、その指定商品との関係において、これに接する取引者、需要者をして「要介護者等のリハビリの一助となる軽失禁用の薄型のパンツ型商品」であることを容易に認識させるものであるというのが相当である。
してみると、本願商標は、その指定商品の品質、形状を表示したものと理解、認識されるにとどまるものであって、自他商品の識別標識としては認識し得ないものというべきである。
なお、請求人は、「拒絶の理由に引用された多数の使用例は、『リハビリ』、『ライト』、『パンツ』の文字が単独で使用された場合の意味内容を例示するものであって、本願商標が特定の意味・内容を説明するものとして機能するものではない。さらに、『リハビリライト』(商標登録第5464550号)の存在によっても、本願商標の要部『リハビリライト』の言葉が本願指定商品との関係で自他商品識別機能を有する。よって、本願商標は、品質表示の用語として理解されることはあり得ず、造語商標である。」旨述べている。
しかしながら、「商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである」(東京高裁 平成12年(行ケ)第76号、平成12年9月4日判決参照)と判示されているところ、本願商標を構成する「リハビリ」「ライト」「パンツ」の各語は、その指定商品との関係において商品の品質を表示するもの、または品質を認識させるものであること、上記のとおりであり、単にそれらを組み合わせてなる「リハビリライトパンツ」の文字が全体として商品の品質、形状を表示するものとして使用されている事実がないとしても、各語についての指定商品の業界における取引の実情からすれば、これに接する取引者、需要者がその構成全体から商品の品質を容易に認識するものであると判断するのが相当であるから、請求人の主張は採用することができない。
また、過去の登録例は、商標の構成において本願とは事案を異にするものであり、さらに、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かは、当該登録出願の査定時又は審決時における、指定商品・役務や取引の実情等を勘案して個別具体的に判断されるべきものであるから、請求人の主張はいずれも採用することができない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
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