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Trademark Appeal Case

使用商標と登録商標の同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2012−300369(T2012−300369/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。
審判費用は,請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4736607号商標(以下「本件商標」という。)は,「PALLADIUM」の欧文字を標準文字で表してなり,2001年4月27日アメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して,平成13年7月31日に登録出願,第9類「電子回路及びシステムをエミュレート・加速・シミュレート及びベリファイするためのコンピュータソフトウェア,電子回路,電子計算機,電子マニュアル,理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,レコード,メトロノーム,電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,スロットマシン,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,消防艇,消防車,自動車用シガーライター,保安用ヘルメット,磁心,抵抗線,電極,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,計算尺,潜水用機械器具,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,家庭用テレビゲームおもちゃ,検卵器」を指定商品として,同15年12月26日に設定登録されたものである。

そして,本件審判の請求の登録は,平成24年5月25日である。

2 請求人の主張

請求人は,本件商標の指定商品中,第9類「計算尺,電子マニュアル」についての登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を要旨次のように述べている。

本件商標は,その指定商品中第9類「計算尺,電子マニュアル」について継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,商標法第50条第1項の規定により,取り消されるべきものである。

3 被請求人の主張

被請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第3号証を提出している。

理由

本件商標は,通常使用権者により,本件審判請求の登録前3年以内に,日本国内において,本件審判請求に係る商品である「電子マニュアル」(以下「本件電子マニュアル」という。)に使用されている(乙第1号証)。

本件電子マニュアルは,被請求人の日本支社である日本ケイデンス・デザイン・システムズ社が提供するウェブサイト(http://www.cadence,co.jp/)から人手できる。その手順は,乙第2号証に示したとおりである。なお,乙第2号証に記載されている「弊社」とは,被請求人の日本支社のことである(乙第3号証)。

(1)「本件商標」が使用されていることについて

乙第1号証には,欧文字「Pal1adium XP」(以下「使用商標」という。)であり,本件商標に欧文字「XP」が付加されている。

しかしながら,欧文字「XP」は商品の型番・品番を表示するにとどまるので,使用商標において自他商品の識別標識として機能するのは「Pal1adium」部分であり,本件商標と同一の文字からなる。

したがって,本件商標と使用商標とは社会通念上同一である。

(2)本件商標が指定商品「電子マニュアル」について使用されていることについて

乙第1号証として提出した印刷物は,ダウンロードした「本件電子マニュアル」を印刷したものである。

(3)本件商標が「日本国内」で使用されていることについて

本件電子マニュアルを提供しているウェブサイトは,被請求人の日本支社により,日本語で作成されており,同ウェブサイトは日本国内の顧客向けである。

日本国内の顧客向けのウェブサイトにおいて,本件商標を付した電子マニュアルを提供することは,日本国内での本件商標の使用にあたる。

(4)「通常使用権者」が本件商標を使用することについて

本件電子マニュアルを提供するウェブサイトの運営主は,被請求人の日本支社(乙第3号証)であり,被請求人から,本件商標の使用許諾を得ている。

したがって,本件商標の使用者は,本件商標の通常使用権者である。

(5)「審判請求登録前3年以内」の使用であること

本件電子マニュアルの発行日は,2011年12月である(乙第1号証)から,本件商標の使用は,本件審判請求登録前3年以内である。

(6)まとめ

以上のとおり,本件商標が,指定商品「電子マニュアル」について,本件審判請求登録前3年以内に日本国内において,通常使用権者により使用されていたことは明らかである。

4 当審の判断

(1)被請求人の主張及び提出に係る証拠によれば,以下のとおりである。

ア 乙第1号証は,インターネットに掲載されたとする「cadence」(「a」の文字の上には,「−」が付されている,以下同じ。)」との表題の書面(写し及び一部の訳文)である。

同号証の1葉目の左に示された頁には,「cadence」の欧文字と,その下に「Palladium XP Planning and Installation Guide」と表示されていることから,該書面は,「Palladium XP」に関するプランニング及びインストールガイドということができる。

そして,「Palladium XP」の欧文字部分は,「Palladium」の欧文字と,「XP」のアルファベット2文字との組合せからなるところ,その後半の「XP」の文字部分は,プログラミングの手法である「extreme Programming」を表すものであり,自他商品の識別標識としての機能がないか弱いものといえることから,「Palladium」の欧文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものと認められる。

また,「Palladium」の欧文字部分は,「PALLADIUM」の欧文字からなる本件商標と,その構成文字を同じくするものであるから,社会通念上同一の商標と認められる。

加えて,「Palladium XP Planning and Installation Guide」の下には,「Product Version 11.1(訳:製品バージョン11.1)」及び「December 2011(訳:2011年12月)」との記載があることから,「Palladium XP」の製品バージョン11.1に関するプランニング及びインストールガイドは,要証期間である,2011年12月に発行されたものと認められる。

そして,右に示された頁の2行目には,「Cadence Design Systems,Inc.(Cadence),2655 Seely Ave.,CA 95134,USA」との記載があることから,商標権者によるものと認められる。

同号証の2葉目の5頁ないし8頁には,「Contents(訳:目次)」として,「1 Palladium XP System Overview(訳:システムの概観)」,「2 Introduction to Palladium XP(訳:Palladium XP序文)」,「3 System Requirements(訳:システム要件)」,「4 Installing the Palladium XP Hardware(訳:Palladium XPハードウェアのインストール)」,「5 Connecting Target Systems to Palladium XP Systems(訳:Palladium XPシステムへのターゲットシステムの接続)」,「6 Installing the UXE Software(訳:UXEソフトウェアのインストール)」,「7 Simulation Acceleration Cards(訳:シュミレーションアクセレーションカード)」などの項目が表示され,9頁以降,それぞれについての説明が記述されていることから,「Palladium XP」に関する取扱い説明書と認められる。

イ 乙第2号証は,「cadence」と表示されたインターネットウェブサイト(写し)であり,掲載されている情報についてのダウンロード方法を示すものである。

そして,その1葉目の上段の画面の左上には,「日本ケイデンス・デザイン・システム社」との記載があり,「cadence」の「カスタマーサポート」部分から「Cadence Online Supportのホームページ」に進むことができる画面である。

また,下段は,「Cadence」の「Online Support」の画面であり,「Email」と「Password」を入力することにより,ログインすることができる画面である。

同号証の2葉目は,ログインした「プロダクト・ページ」の「プロダクト・マニュアル」部分から,下段の「プロダクト・マニュアル」画面に進み,「UXE 11.1」部分から,3葉目の「All UXE 11.1 Documentation」へ進み,「Palladium XP Planning and Installation Guide」部分から,その内容を表示し,ダウンロードができるものと認められる。

ウ 乙第3号証は,「日本ケイデンス・デザイン・システムズ社」のウェブサイト(写し)であり,「会社概要」に「日本ケイデンス・デザイン・システムズ社 Cadence Design Systems,Japan(商号:ケイデンス・デザイン・システムズ(ジャパン)ビー・ヴィ)」との記載のほか,所在地,関西営業所,設立年月日等が記載されており,「事業内容」には「米国ケイデンス社の電子設計ツールの開発,販売およびサポートと設計支援サービス」との記載がある。

また,「米国ケイデンス・デザイン・システムズ社/Cadence Design Systems,Inc.」との記載,所在地,社長兼CEO,設立日等が記載されており,「支社/事業所」には,「米国,カナダ,・・日本・・など全世界で63箇所」との記載がある。

(2)前記の事実から,以下のとおり判断する。

商標権者は,支社である「日本ケイデンス・デザイン・システムズ社」(神奈川県横浜市在)を介して,要証期間である平成23年(2011年)12月ころから,インターネットウェブサイト上に,本件商標と社会通念上同一の商標を付した取扱い説明書を掲載し,ケイデンスオンラインサービスに登録した顧客に対して,顧客がEメールアドレスとパスワードを入力することにより,該取扱い説明書の閲覧及びダウンロードをすることができるようにしていることが認められる。

そして,インターネットウェブサイト上に掲載され,閲覧及びダウンロードすることができる取り扱い説明書は,取消請求に係る指定商品中,「電子マニュアル」に含まれる商品と認められる。

(3)以上のとおり,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,商標権者が請求に係る指定商品に含まれる「電子マニュアル」について,本件商標と社会通念上同一と認められる商標を,使用していたことを証明したものと認めることができる。

そして,上記使用は,「商品に標章を付したものを電気通信回線を通じて提供する行為」(商標法第2条第3項第2号)に該当するものである。

(4)一方,請求人は,前記3の被請求人の答弁に対し,何ら弁駁するところがない。

(5)むすび

以上のとおりであるから,本件商標の登録は,本件審判の請求に係る指定商品について,商標法第50条の規定により,取り消すことができない。

よって,結論のとおり審決する。

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