結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2012−300773(T2012−300773/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4759403号商標(以下「本件商標」という。)は、「I−WORKS」の欧文字と、「アイワークス」の片仮名とを二段に横書きしてなり、平成15年8月27日に登録出願、第37類に属する別掲に記載の役務を指定役務として、平成16年3月26日に設定登録されたものである。
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定役務中、「建設工事,建築工事に関する助言,建築設備の運転・点検・整備,暖冷房装置の修理又は保守,冷暖房装置の清掃」について登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、指定役務中、「建設工事,建築工事に関する助言,建築設備の運転・点検・整備,暖冷房装置の修理又は保守,冷暖房装置の清掃」について、継続して3年以上日本国内において使用されていないのみならず、本件商標を使用していないことについて何ら正当な理由が存することも認められない。
また、本件商標について専用使用権の設定又は通常使用権許諾の登録もないから、使用権者による使用ということも問題にならない。
(2)弁駁の理由
被請求人は、「建設工事」の使用について、簡易な建設工事を行っているとして、乙第5号証の複写を提出するが、この乙第5号証は日付の証明のない、被請求人自身の作成にかかるものであり、これをもって確かに簡易な建設工事が行われたことの証拠に成りえないものである。
なお、被請求人は建設業者登録を行っていないものと推察され、業としてこのような建設工事が出来るか否か遺憾である。
よって、商標権者が指定役務中「建設工事」を行っていることを認めることはできない。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。
(1)答弁の理由
ア 本件商標の使用事実の要点
本件商標の商標権者は、本件審判請求の登録前3年以内に我が国においてその請求に係る指定役務中、少なくとも「建設工事,冷暖房装置の清掃」について、本件商標を使用している。
イ 本件商標の使用事実
乙第1号証及び乙第2号証は、商標権者が経営する有限会社アイワークス(以下「I−Works」という。)のインターネット上のホームページを印刷したものである。また、乙第3号証は、愛知県知事による建築物における衛生的環境の確保に関する法律第12条の2第1項の登録を受けたことを証明する書面を複写したもので、当該書面にI−Works(アイワークス)の代表者が伊藤祐介であることが示されており、ここから、I−Works(アイワークス)の代表者が商標権者であることが明らかになる。
そして、商標権者は、乙第1号証及び乙第2号証に示すように、主として、清掃業を営んでおり、その業務として「冷暖房装置の清掃」という役務も提供している。
なお、乙第4号証は、I−Worksが、平成24年7月31日に発行した請求書を複写したもので、請求内容として、「・・・2F エアコン分解洗浄(2基)\1F キッチンエアコン分解洗浄(1基)・・・」と記載されていることから、I−Worksが本件審判請求の登録前3年以内に「冷暖房装置の清掃」という役務を提供していたことが明白である。
主に、商標権者は、清掃業の他にも簡易な建設工事等も行っている。
乙第5号証は、I−Worksが、平成22年3月31日に発行した請求書を複写したもので、請求内容として、「・・・新設Pタイル\新設Pタイルの補修費(床のり含む)・・・」と記載されていることから、I−Worksが、本件審判請求の登録前3年以内に「建設工事」という役務を提供していたことが明白である。
さらに、乙第4号証及び乙第5号証として提出した請求書の右上方に本件商標の記載があり、ここから商標権者が本件商標を「建設工事,冷暖房装置の清掃」という役務に使用していることが明らかになる。
なお、当該使用は、商標法第2条第3項第7号(審判注:「商標法第2条第3項第8号」の誤記と認められる。)に規定されている「役務に関する取引書類に標章を付して頒布する行為」に該当すると解される。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者が指定役務中、「建設工事,冷暖房装置の清掃」について使用していることが明らかである。
(1)被請求人提出の乙各号証によれば、次のとおりである。
ア 乙第3号証は、平成23年9月8日付けの「建築物飲料水貯水槽清掃業登録証明書」の写しであり、左上に愛知県の県章と「愛知県」の文字が表示され、「代表者氏名 伊藤 祐介」「登録に係る営業所の名称及び所在地 I−Works 名古屋市瑞穂区弥富町紅葉園50番地・・・」とあり、その下に「上記につき、建築物における衛生的環境の確保に関する法律第12条の2第1項の登録をしたことを証明する。」の記載があり、下段に愛知県知事の氏名及び押印がある。
イ 乙第4号証は、「奥田合成株式会社」あての平成24年7月31日付け請求書の写しであり、右上部に「名古屋市瑞穂区彌富町紅葉園50・・・」「I−Works(アイワークス)」「伊藤祐介」の記載があり、一覧表には、「日付」の欄に「7/30・31」の記載、「御請求内容」の欄には、「奥田邸ハウスクリーニング」とあり、下段に「2F エアコン分解洗浄(2基)」及び「1F キッチンエアコン分解洗浄(1基)」の記載がある。
(2)上記によれば、以下の事実が認められる。
ア 伊藤祐介氏は、平成23年9月8日に、名称を「I−Works」とする営業所の代表者として、建築物における衛生的環境の確保に関する法律第12条の2第1項の登録を受けた(上記(1)ア)。
イ 伊藤祐介氏は、平成24年7月30日及び同31日に、「エアコン分解洗浄」及び「キッチンエアコン分解洗浄」(以下「使用役務」という。)を含む「奥田邸ハウスクリーニング」を行い、同日に「I−Works(アイワークス)」と記載(以下「使用商標」という。)された請求書を「奥田合成株式会社」あてに発行した(上記(1)イ)。
ウ そして、乙第3号証と乙第4号証に記載された住所が一致すると認められることに加え、名古屋市瑞穂区の伊藤祐介氏は、平成23年9月8日に、建築物における衛生的環境の確保に関する法律第12条の2第1項の登録を受け、その登録日以降において、前記法律で定められた業務範囲内の役務を行っていたと推認できる。
エ また、同一の事業者が発行する請求書は、相当の期間、同一の様式のものを使用することが一般的であることから、伊藤祐介氏は、平成24年7月ころに甲第4号証と同一の様式の領収書を頒布していたと推認することができる。
(3)判断
ア 使用者について
上記(2)イの請求書を頒布した伊藤祐介氏は、領収書に記載された住所及び氏名が本件商標の商標権者のそれと一致するから、商標権者と同一人と認められる。
イ 使用商標について
上記(2)イの請求書に表示(記載)された「I−Works(アイワークス)」と、上記1のとおり「I−WORKS」及び「アイワークス」の文字からなる本件商標とは、一部の欧文字に大文字と小文字の違いはあるものの、構成文字を共通にするから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標といえる。
ウ 使用役務について
使用役務は、本件審判の請求に係る指定役務中、「冷暖房装置の清掃」の範ちゅうに含まれる役務とみるのが相当である。
エ 使用時期について
上記(2)イの請求書を頒布した、平成24年7月31日は、本件審判の請求の登録(登録日は平成24年10月19日)前3年以内である。
オ 以上のことからすれば、商標権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に我が国においてその請求に係る指定役務中「冷暖房装置の清掃」の範ちゅうに属する役務「エアコン分解洗浄」及び「キッチンエアコン分解洗浄」に関する取引書類に本件商標を付して頒布した(商標法第2条第3項第8号)というべきである。
カ 請求人の主張について
請求人は、被請求人は商標権者が指定役務中「建設工事」を行っていることを認めることはできない旨主張している。
しかしながら、商標法第50条第2項は、「商標法第50条第1項の審判の請求があつた場合においては、・・・その請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、商標権者は、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れない」旨規定していることから、被請求人は、請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての使用の事実を証明すれば、その請求に係る指定商品又は指定役務の登録についての取消を免れることは明らかである。
したがって、請求人の主張は採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者がその請求に係る指定役務中「冷暖房装置の清掃」の範ちゅうに属する役務「エアコン分解洗浄」及び「キッチンエアコン分解洗浄」について本件商標の使用をしていることを証明したといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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