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Trademark Appeal Case

接尾辞'sの類否判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2012−16957(T2012−16957/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「Piccolo’s」の欧文字を標準文字で表してなり,第35類に属する別掲のとおりの役務を指定役務として,平成23年9月29日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

本願商標は,下記の登録商標と同一又は類似であって,その商標に係る指定商品と同一又は類似の役務について使用するものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。

(1)登録第639136号商標(以下「引用商標1」という。)は,「Piccolo」の欧文字からなり,昭和38年2月13日に登録出願,第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,昭和39年3月21日に設定登録され,その後,4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ,さらに,平成17年9月14日に,指定商品を第33類「発泡性ぶどう酒,その他のぶどう酒,その他の果実酒,日本酒,洋酒,中国酒,薬味酒」とする指定商品の書換登録がなされ,現に有効に存続しているものである。

(2)登録第2059563号商標(以下「引用商標2」という。)は,「piccolo」の欧文字からなり,昭和61年9月5日に登録出願,第17類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,昭和63年7月22日に設定登録され,その後,2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ,さらに,平成21年3月18日に,指定商品を第25類「被服」とする指定商品の書換登録がなされ,現に有効に存続しているものである。

(3)登録第4011256号商標(以下「引用商標3」という。)は,「Piccolo」の欧文字からなり,平成5年11月26日に登録出願,第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電子応用機械器具及びその部品,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,磁心,抵抗線,電極」を指定商品として,平成9年6月13日に設定登録され,商標権の存続期間の更新登録がなされ,その後,商標登録の取消し審判により,その指定商品中,「電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー」について取り消すべき旨の審決がされ,平成22年12月16日にその確定審決の登録がされ,現に有効に存続しているものである。

(4)登録第4373207号の1商標(以下「引用商標4」という。)は,「piccolo」の欧文字からなり,平成11年4月9日に登録出願,同12年4月7日に設定登録された登録第4373207号商標の商標権の分割に係るものであって,第11類「ガス湯沸かし器,加熱器,調理台,流し台,アイスボックス,氷冷蔵庫,家庭用浄水器,浴槽類,あんどん,ちょうちん,ガスランプ,石油ランプ,ほや,あんか,かいろ,かいろ灰,湯たんぽ,洗浄機能付き便座,洗面所用消毒剤ディスペンサー」を指定商品として,現に有効に存続しているものである。

(5)登録第4556296号商標(以下「引用商標5」という。)は,「Piccolo」の欧文字からなり,平成13年5月25日に登録出願,第23類「糸」を指定商品として,同14年4月5日に設定登録され,その後,商標権の存続期間の更新登録がなされ,現に有効に存続しているものである。

(6)登録第5041203号商標(以下「引用商標6」という。)は,「Piccolo」の欧文字を標準文字で表してなり,平成18年7月7日に登録出願,第9類「眼鏡」を指定商品として,同19年4月13日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。

以下,まとめていうときは「引用商標」という。

3 当審の判断

(1)本願商標と引用商標との類否について

本願商標は,前記1のとおり,「Piccolo’s」と表してなるところ,その構成は,「ピッコロ:小型のフルート」を表す英語(ランダムハウス英和大辞典 小学館)である「Piccolo」の欧文字と,名詞の所有格を示す語尾である「’s」とを結合して表したものと容易に認識されるものであるから,その構成文字全体からは,「ピッコロズ」の称呼を生じ,「ピッコロのもの」程の観念を生ずるものということができる。

そして,本願商標は,「Piccolo」と「s」の間に「’(アポストロフィ)」が表されていることから,視覚上「Piccolo」と「s」とに分離して認識されるといえるものであって,また,「’s」部分は,名詞の所有格を示す語尾であるという以上に特定するものではなく,「Piccolo’s」の欧文字に接する取引者,需要者が,「Piccolo」の文字部分のみを捉え,該文字部分をもって取引に資する場合も決して少なくないといえるものであるから,本願商標からは,「ピッコロ」の称呼及び「ピッコロ」の観念が生ずるものと認められる。

他方,引用商標は,「Piccolo」又は「piccolo」の欧文字からなるものであり,該文字からは,「ピッコロ」の称呼及び「ピッコロ」の観念が生ずるものである。

してみれば,本願商標と引用商標とは,「Piccolo」の欧文字部分において外観上近似するものであり,「ピッコロ」の称呼及び「ピッコロ」の観念を共通にする類似の商標と認められる。

(2)本願商標の指定役務と引用商標の指定商品との類否について

商品に役務が類似するかどうかは,当該商品と当該役務に同一又は類似の商標を使用した場合に,当該役務が当該商品を製造又は販売する事業者の提供に係る役務であると誤認されるおそれがあるかどうかという観点から判断されるべき(東京地裁平成8年(ワ)第23450号)であり,商品の製造・販売と役務の提供が同一事業者によって行われているのが一般的であるかどうか,商品と役務の用途が一致するかどうか,商品の販売場所と役務の提供場所が一致するかどうか,需要者の範囲が一致するかどうかなどの事情を総合的に考慮した上で,個別具体的に判断するのが相当である。そして,商品の販売という役務に用いられるべき標章と同一又はこれに類似する標章を,当該商品の名称として使用した場合には,当該役務の提供者と当該商品の出所とが同一であるとの印象を需要者・取引者に与えると解される(東京地裁平成11年(ワ)第438号)。

引用商標と抵触する本願商標の指定役務は,商品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,いわゆる小売等役務に関する役務(以下「小売等役務」という。)であるところ,このような小売等役務は,そこで取り扱われる商品と,需要者,役務の提供場所(商品の販売場所)を共通にし,また,提供者(販売者)も共通にすることが多いことから,小売等役務において取り扱われる商品の商標と同一又は類似の商標が,当該小売等役務に使用されるときは,当該商品と役務とが同一の事業者によるものと誤認され,商品及び役務の出所の混同を生じさせるおそれがあるというべきであり,当該商標は,商標法第4条第1項第11号該当の要件である「商標登録に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの」に該当するものといえる。

そこで,本願商標の指定役務と引用商標の指定商品について検討するに,

本願商標の指定役務中の「酒類の小売等役務」と引用商標1の指定商品「発泡性ぶどう酒,その他のぶどう酒,その他の果実酒,日本酒,洋酒,中国酒,薬味酒」,本願指定役務中の「被服の小売等役務」と引用商標2の指定商品「被服」,本願指定役務中の「電気機械器具類の小売等役務」と引用商標3の指定商品「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」,本願指定役務中の「台所用品の小売等役務」と引用商標4の指定商品中の「ガス湯沸かし器,加熱器,調理台,流し台,アイスボックス,氷冷蔵庫」,本願指定役務中の「糸の小売等役務」と引用商標5の指定商品「糸」及び本願指定役務中の「眼鏡の小売等役務」と引用商標6の指定商品「眼鏡」とは,いずれも小売等役務の取扱商品と引用商標の指定商品とが一致するものであるから,小売等役務の提供と商品の販売が同一事業者によって行われることが明らかであり,小売等役務が提供される場所と商品が販売される場所が一致し,需要者(顧客)の範囲も一致するものである。

したがって,本願商標の指定役務は,引用商標の指定商品と類似のものと認められる。

(3)まとめ

以上のとおりであるから,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,妥当であって,取り消すことができない。

よって,結論のとおり審決する。

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