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結論

敗訴(請求棄却)

商標「夏の涼」と「夏のすずみ酒」の漢字の読みと称呼の類似判断(第4条第1項第11号・第4条第1項第16号|審判異議2012−900344(T2012−900344/J7))

審判番号
異議2012−900344(T2012−900344/J7)
審判種別
異議

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「夏の涼」引用商標「夏のすずみ酒」
争点(論点)
漢字の読みと称呼の類似判断
適用条文
第4条第1項第11号・第4条第1項第16号
指定商品・役務の区分
第33類
最終結論
登録維持(敗訴(請求棄却))

この審決(審判異議2012−900344(T2012−900344/J7)・異議)は、本件商標「夏の涼」と引用商標「夏のすずみ酒」について、商標法第4条第1項第11号・第4条第1項第16号への該当性が争われた事例です。主な争点は「漢字の読みと称呼の類似判断」です。指定商品・役務は第33類に属します。特許庁は「登録第5519835号商標の商標登録を維持する」と判断しました(登録維持)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

登録第5519835号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5519835号商標(以下「本件商標」という。)は、「夏の涼」の文字を標準文字で表してなり、平成24年4月13日に登録出願、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,酎ハイ,中国酒,薬味酒,その他のアルコール飲料(ビールを除く)」を指定商品として、同年8月13日に登録査定され、同年9月7日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第5352454号商標(以下「引用商標」という。)は、「夏のすずみ酒」の文字を標準文字で表してなり、平成22年2月22日に登録出願され、第33類「清酒」を指定商品として、同年9月10日に設定登録されたものであり、現に有効に存続するものである。

3 登録異議申立ての理由

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、引用商標と外観、観念及び称呼のいずれにおいても紛らわしく、類似の商標であり、指定商品も抵触するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第16号について

本件商標を「清酒」以外の商品について使用するならば、あたかも申立人の取り扱いに係る商品であるかのように、商品の出所の混同、品質の誤認を生ぜしめるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、上記1のとおり「夏の涼」の文字からなるところ、構成中「涼」の文字は、「すずしいこと、すずしさ、すずむこと」の意味(広辞苑第6版)を有することから、音読みの「リョウ」の他、訓読みする場合には「すず(しい)、すず(しさ)、すず(む)」等の読みを有するものである。そして、その読みが上記訓読みの場合には、「涼」の漢字に送り仮名が付され、「涼しい」「涼しさ」「涼む」のように用いるのが一般的といえる。

そうとすれば、本件商標は、その構成文字から「ナツノリョウ」の称呼を生じるものというのが自然であり、「夏の涼しさ」及び「夏に涼むこと」の観念を生じるものである。

他方、引用商標は、「夏のすずみ酒」の文字からなり、構成文字全体から「ナツノスズミザケ」の称呼及び「夏に涼むときに飲む酒」のごとき観念が生じるものであり、また、その構成中の「酒」の文字がその指定商品との関係において、商品の普通名称といい得ることから、「夏のすずみ」の文字部分が要部となり、これより「ナツノスズミ」の称呼及び「夏に涼むこと」ほどの意味合いを有するものということができる。

そこで、本件商標と引用商標とを比較すると、外観においては、「夏の」に続く部分が、本件商標は漢字「涼」であるのに対し、引用商標は「すずみ酒」であり、顕著な差異を有することから容易に区別できるものである。

次に、称呼においては、本件商標の称呼が「ナツノリョウ」であるのに対し、引用商標の称呼は「ナツノスズミザケ」又は「ナツノスズミ」であるから、両商標から生ずる称呼は、その構成音が明らかに相違し、明瞭に聴別できるものである。

また、観念においては、本件商標は「夏の涼しさ」及び「夏に涼むこと」の観念を生じるのに対し、引用商標は「夏に涼むときに飲む酒」及び「夏に涼むこと」の観念が生ずることから、「夏に涼むこと」の観念において共通する場合があるものである。

してみれば、本件商標と引用商標とは、観念において共通する場合があるとしても、外観上の顕著な差異及び称呼上も明瞭に聴別できることから、これらを総合して全体的に考察してみても、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

また、他に本件商標と引用商標が類似するというべき理由は見いだせない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。

(2)商標法第4条第1項第16号について

本件商標は、「夏の涼」の文字からなるところ、申立人は、「本件商標を『清酒』以外の商品について使用するならば、あたかも申立人の取り扱いにかかる商品であるかのように商品の出所の混同、品質の誤認を生ぜしめるおそれがある。」旨述べている。

しかしながら、本件商標は、いずれの指定商品に使用しても商品の品質を表示するものではないことから、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはないものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当するということはできない。

(3)結び

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第16号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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