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Trademark Appeal Case

商標の類否と混同の判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2012−900347(T2012−900347/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5518003号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5518003号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成24年1月10日登録出願の商願2012−866の分割出願として、同年4月11日に登録出願され、第14類「時計」を含む第14類、第16類、第18類、第20類、第21類、第24類、第25類、第26類、第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年7月26日に登録査定、同年8月31日に設定登録がされたものである。

2 引用商標

登録第580007号(以下「引用商標」という。)

出願日 昭和34年8月14日

登録日 昭和36年9月9日

商標の構成 別掲2のとおり

指定商品 第14類「時計,時計の部品及び附属品」

3 登録異議の申立ての理由

本件商標は、商標法第4条第1項第第11号及び同第15号に該当するから、同法第43条の2第1号により、その指定商品中、第14類「時計」についての登録は、取り消されるべきである。

(1)商標法第4条第1項第11号について

ア 引用商標は、本件商標よりも先に出願されたものであり、本件商標の指定商品中、第14類「時計」は、引用商標の指定商品「時計,時計の部品及び附属品」と抵触している。

イ 称呼について

本件商標は、その構成文字「Rady」にしたがって、「ラディー」の称呼を生じ、引用商標は、その「RADO」の文字部分から、「ラド−」の称呼を生じる。

両者を比較すると、「ラd*ー」との音を共通にするものであるから、両者を一連に称呼するときは、その語調・語感が近似し相紛れてしまうものである。

ウ 外観について

本件商標「Rady」と引用商標の文字部分「RADO」とは、綴り上、観者の最も注意の行き届かない語末尾において、「Y」と「O」との差異が存在するのみであり、両者を時と場所を異にする離隔的観察によれば、その外観が近似し相紛れてしまうものである。

殊に、商品「時計」の場合には、商習慣上、商標は文字盤上に小さく表示されるものである以上、綴り文字の構成が近似する本件商標と引用商標の文字部分とは相紛れてしまうものである。

エ したがって、本件商標は、その指定商品中、第14類「時計」について、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第15号について

ア 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、1957年(昭和31年)以降、引用商標を付した「腕時計」を、世界各国において広く販売してきており、申立人の商標「RADO」は、我が国のみならず世界各国において広く知られており、著名になっている(甲14、甲15)。

また「RADO」は、申立人の略称として我が国のみならず世界各国において広く知られており、著名になっている。

イ かかる事実にかんがみれば、「RADO」と一見して見間違えてしまう「Rady」という本件商標がその指定商品「時計」に関して使用されるとなると、申立人の業務に係る商品であるかのごとく受け取られてしまい、その出所について混同を生じるおそれが多大に存在する。

したがって、本件商標は、その指定商品中、第14類「時計」について、商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

ア 本件商標は、別掲1のとおり、「Rady」の欧文字を筆記体で書してなるものであり、その構成文字より「ラディー」の称呼を生じ、また、特定の意味を有するものでないから、観念は生じないものである。

イ 引用商標は、別掲2のとおり、図形部分と「RADO」の文字部分よりなるものであるが、これらを常に一体として把握されるとすべき理由はないから、上記各部分がそれぞれ自他商品の識別標識として機能するものといえる。そして、「RADO」の文字部分からは、「ラドー」の称呼を生じ、また、特定の意味を有するものでないから、観念は生じないものである。

ウ 本件商標と引用商標の類否について

本件商標と引用商標は、その構成において、図形部分の有無、構成文字の書体において顕著な差異を有するものであり、さらに、いずれも4文字と短い文字構成中にあって、両者の文字中の後3文字が大文字であるか小文字であるか、末尾の文字が「y」と「O」の差異があり、両者の使用する商品が時計であることを考慮しても、これらの差異により外観上明らかに区別し得るものというべきである。

また、本件商標から生じる「ラディー」の称呼と引用商標から生じる「ラドー」の称呼とは、2音目において、「ディ」と「ド」の音の差異を有するが、前者の「ディ」の音は、子音「d」と母音「i」を結合した音節であり、後者の「ド」の音は、子音「d」と母音「o」を結合した音節であって、母音を異にするものであり、かつ、両音がいずれも長音を伴うことにより強く発音され、それぞれの母音が強調されて聴取されるから、長音を含め3音と短い称呼において、該差異音が称呼全体に及ぼす影響は、決して小さいものということができず、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、語感、語調が相違したものとなり、互いに聞き誤るおそれはないというのが相当である。

さらに、本件商標と引用商標とは、上記のとおり、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、両商標を比較することはできない。

してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

ア 申立人は、「RADO」が申立人の業務かかる「腕時計」を表示する商標として、また、申立人の略称として(以下、商標及び略称「RADO」をまとめて、「RADO標章」という。)、著名になっているとし、「世界の腕時計No.16」(株式会社ワールドフォトプレス 平成5年11月20日発行 甲14)及び「世界の腕時計No.33 特別綴じ込み付録『ブランド大事典』」(株式会社ワールドフォトプレス 平成10年2月20日発行 甲15)を提出しているが、わずか2件にすぎず、また、社歴等に係る内容ではあるものの、販売高等は不明であり、当該証拠のみでは、RADO標章について、申立人主張の著名性は認められない。そして、本件商標とRADO標章とは、前記(1)の認定判断と同様に相紛れることのない明らかに別異の商標であるから、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、申立人又は申立人と経済的・組織的に何らかの関係のある者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわざるを得ない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(4)まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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